正義の巨大ヒロイン
「レオナ」
催眠術の恐怖
その2


 2 敵の反撃

その日も彼女のテレパシーに感度があった。この町に降下する宇宙船だ。
「近いわね、それに早いわ」
いつもとは違う感触に警戒する。すぐに現場に向かった。大きなハブ駅の駅前ロータリーにホバリングしている宇宙船。それを認めると、駅の裏手で巨大化した。
ズビュルルルルル!
巨大な体がそびえ上がってゆく。それを見て、人々はビルの中に我先にと避難していった。駅前は相当な人混みだったらしく、周囲のビルは人で溢れてゆく。ガラス張りで内部が見え、相当な混雑が確認できる。あっという間に屋上にも人が溢れてきた。
ズシン!ズシン!
人通りの少なくなったロータリーに踏み込んでゆく。宇宙船に先制攻撃を仕掛けるつもりで腕を振り上げると、宇宙船は捕まる前に一足早く上昇した。妙に敏捷 な動きで気が付いた。新型の宇宙船だ。エンジンが大きくパワーがありそう。未知の兵器だろうか、妙な突起がたくさんあって不気味だ。そして、上から一気に 降下してきた。
ズズシッ!
危うく受け止めたが、凄まじい重量を感じる。加重力系の兵器だろうか。耐えかねて片膝をついた。ニーハイブーツの下でバスが2台押し潰される。その失敗を 恥じて美しい顔をゆがめる。すぐに重量が消えた、宇宙船が上昇したのだ。と思うと、背後に立ち並ぶビル街の上空に宇宙船が移動している。加重力でビルを破 壊しようというのだ。中には大勢の避難民がひしめいている。
「いけないわ!」
ズシーン!ズズシーンッ!
真上からの攻撃から守るため、数台の車を踏み潰しながら、狙われているらしい大型の商業ビルに駆け寄ると、大きく太腿を振り上げて屋上を跨ぎ、股の下にビルを隠し、守ろうとした。脚を大きく開いてビルの上に跨がって、仁王立ちで宇宙船を受け止めた。
ズシイッ!
両腕で頭上の宇宙船を掴み、その重量を受け止めた。小さい宇宙船からとは思えない大重量。大きく脚を開いてビルに跨がっている彼女は、上から押されてあら れもないガニ股になる。息を荒げ汗を吹き出させ、全力で大重量に耐える。だが、その重力攻撃はどんどんパワーを増してくる。下を見ると股の直下の屋上で、 大勢の避難民が彼女を見上げている。ガニ股はさらに横に広がり膝が曲げられて腰の高さが徐々に下がる。このままでは股間で屋上を押し潰してしまう。彼女が それに気付いたとき、屋上の群衆もそれに気付いた。屋上はパニックになったが、狭い出口は下から上がってくる人々でごった返していたところで、引き返すこ とも出来ない。汗ばんだ股間にはハイレグのレオタードが食い込んで細い面積しか隠せてはいない。汗ばんだ太腿の付け根、その裸の敏感なところにたくさんの 小さな手が下から押し上げようと触るのを感じる。レオタードの布越しにも多くの手が蠢いているのを感じる。特に敏感な中央のラインにも無数の手が入り込ん でくる。はじめはそんな手の感触であったが、すぐに丸い頭が押し付いて来た。屋上は混雑で身動きできないため、逃げ場が無く、絨毯の毛のような密度で押し 合っている群衆。女性が多く、子供も多い。巨大な尻は屋上の面積よりも大きく、そこに見える全ての人が股の下に隠れてゆく。
「キャー!」「たすけてー!」「ウワーン!」「イタイイタイイターイ!」
凄まじい悲鳴がどっとわき起こる。
「うわぎゃーーー!」
少し腰が下がっただけで、人々は一気にその場で縦に押し倒されてしまう。破廉恥にも彼女は、股間で、人々を押し潰していった。
「だめ!逃げて!アアアーッ!だめよ!」
股間に人々が砕ける感触が伝わってきた。か弱く砂糖細工が砕けるような。愛らしい静かな感触。
ババリバリバリッ!ドドドドドドドドドーッ!ヅッズーンン!
大音響の崩壊音と共に、屋上の床板が軋み、大勢の人々ごと潰され砕けて最上階のフロアーに崩れ落ちた。最上階にも大勢の群衆がおり、ねじ込んできた彼女の股間部であっという間に押し潰されてしまう。
「逃げて!このビルから出て下さい!私の体で押し潰されてしまいます!」
身をくねらせて大重量を何とか支えようとするが、股間をねじ込んだままビル内部を余計破壊するだけ。くねる尻に大勢が挽き潰されてゆく。
「お尻の割れ目に避難して!隙間を探して!」
だが、ビルの中ではすでに、尻の割れ目に大勢が挟まれて圧死している。
ゆっくりと脚を左右に開きながら股を落とし、ビルを押し潰してゆく。
「私の股で押し潰させるなんて!許せないわ!!」
思いっきり両脚に力を込めて踏ん張るが、左右のビルを傾けるだけで余計被害を深めてしまう。股はM字に開脚され、尻が完全に地面に押し付いた。汗ばんだむき出しの股間で、その大型の商業ビルは跡形も無く押し潰されてしまった。中にいた人々もほとんど助からなかった。
ビューイイッ!
彼女の反撃を警戒してか、この一撃の後、宇宙船はすぐに飛び立っていった。
商業ビルの瓦礫の上に、股間を押し付けてM字開脚している姿のまま、しばし呆然としている。股間部にはまだ亡骸となった大勢の人間が押し付けられ、レオ タードの布にへばり付いている者も多くある。宇宙船の加重力によるものと思っていたが、逆に瓦礫の上に体重をかけている自分に気が付く。股間での破壊の罪 深さに我を忘れ、最後には哀れな犠牲者達に自らとどめを刺していたのか。あまりの損害に放心状態だ。気が付くと、周囲のビルの窓という窓に人だかりが出来 て彼女の破廉恥な姿を見ている。
「あ、やだ!私ったら、こんな格好…」
ゆっくりと腰を上げると、股間にへばり付いている瓦礫が落ちて轟音が轟く。その下にイヤらしい形に押し潰されたクレーターが現れた。ブーツに挟まれたその ビルの跡地に脚を大きく開いて立ち上がると、いかにも自分が潰してしまったという構図になって、其所に無数のフラッシュが瞬く。汗ばんでエロチックにテラ テラと輝く彼女の巨体に跨がられたら非常に危険、股に押し潰されて当然だ、という構図だ。猛烈に恥ずかしくなった。
「皆さん……ご免なさい!私、とんでもない失敗をしちゃって」
敗北に辱められつつも、巨大な体を隠しようも無く曝しながらビル街を歩き、何とか変身を解こうとするが、なかなか人気のない場所が見つからない。大量の見上げる目、激しいフラッシュ。恥ずかしさで顔を赤め、中腰でビルの間を歩き回る。
「そんなに見ないで…ああ、写真を撮らないで…」
下を見ずに小走りに移動。道路が陥没し、車が踏み潰される。人気のない公園にたどり着き、植え込みの中でようやく変身を解いた。

続く