正義の巨大ヒロイン
「ケイ」
学園都市の悲劇

AKAFUJI



ケイは科学防衛省の広報活動として、地方の学園都市に来た。
200年の歴史を誇る国立のマンモス大学には、集中的に研究資金が配されて、国の技術開発を支えている。大学の関係者で構成されている市民10万人がこの田舎の狭い地域に集中しており、人口密度では世界一二を争う。
「この町、侵略星人に目を付けられたら大変ね。貴重な頭脳資源が狙われるかも」
「その前に、正義の巨人が撃退してくれるでしょう?ケイさん」
ケイの担当者に運転された公用車はビル街を進む。町並みは活気に溢れ、建物の窓と言う窓に人影が動く。
「本当に大勢が働いている。都心並みね。お店もたくさんあるわ」
「大学職員は家族ぐるみで赴いてますから、何かと一揃えあるんじゃないですか。小学校だけでも5校あるらしいですよ。関連会社も多いみたいですね」
古くから大学関係の小会社が集まって資金に応じた規模で建設を進めたため、中規模のビルが狭い土地に乱立しており、車道が狭く、ほとんどが一車線の一方通行。車の運転も気を遣いそうだ。
「道が狭いわね〜、足の踏み場が無い。いくら私が市街戦に慣れているからといっても、ここでは戦えないわ」
「巨大化したらそうですね。何か踏み潰したら大問題ですね」
「こんなに密集していたら、巻き添えで建物を壊しちゃいそうだわ」
「それは本当に大変ですよ。大学の施設で、中には学生も沢山居ますからね」
「いざとなったら戦いに躊躇は禁物よ、でも、まさか今日ということはないわよ」
「今日は休暇みたいなもんですかね」
「大学なんて、初めて。学生さんと話すの楽しみだわ」
このあたりの歩道には、書物を小脇に抱える学生風の若者ばかり。そろそろ町の中心街、大学の純正施設へと近づいてきた。
「あそこが大学の入り口です」
「門は無いの?」
「町全体が、大学みたいなもんですから」
この町の至るところに研究室だの、ゼミ分室だの。大学関係の施設が町中のビルに点在していた。大学純性区は多少緑が多く、芝生が美しく建物を囲っている。
大学の駐車場に入ると学生が迎えに来てくれた。
「遠路ありがとうございます。お待ちしておりました。さあどうぞ」
今回の広報活動は、防衛技術学科主催のシンポジウムに参加して、実践活動の説明をする。大きな講堂には聴衆が4百人ほど。
皆ケイの登場に大きな拍手。
科学防衛部隊の標準制服は同行している担当官が着ている紺色のブレザーにツバ付き白帽。記章が付いていなければ平凡な、まさに平服。だが、ケイのような特殊な立場の者は、単独デザインの服を特注で誂えてもらえる。
ケイの特殊制服は革製。しかも赤が基調だ。ツバ付き白帽のツバがガーネット。革ジャケットはリッチなスイス・ローズで、襟の大き なセミダブルというワイルドなアウトラインを上品に調整している。ウエストを太いアルジェリアン・レッドの革ベルトで引き締められ豊満なバストを強調。大 きく開いた襟から純白のブラウスにイタリアン・ローズのネクタイが覗いている。ジャケットは短く、ヒップの上に少しかかる程度。そして、大きなヒップに張 り付くようなカッパー・レッドの革ジップタイトスカート。ベビーカーフの高級革がピッタリと膝下まで被っている。ジップは後ろ側に下から上まで長いライン を引き、左右に引っ張られて細かな皺を形成している。スカートから伸びる長い脚にはタイトなニーハイブーツ。スカーレットの光沢革製。エナメルほどではな いが、鈍い光沢を放ち、サイドのジップラインにはシルバーの色面が構成されている。このブーツもやはり最高級の薄くきめの細かい柔らかい革で、細く引き皺 を横に入れつつ美しい脚の形を強調している。踝あたりの複雑で大胆な皺もみごとだ。スカートの中に隠れてどれ程の高さのニーハイなのかは判らない。7セン チのハイヒールと、尖ったポインテッドトウが成熟した女性を格好良く演出。ブーツと同じくスカーレットのロンググローブで敬礼するケイに男女問わず歓声を 上げ盛り上がる学生。この赤い宝石のような革制服姿に高学歴の学徒達も理性を失う。落ち着くまで少し時間を要した。
講演は、学生による質疑応答形式で、終始和やかな、ケイを讃える内容。
拍手喝采のなか、講演を終えた。親交と理解と支持を得て広報として大成功だ。


講堂でのシンポジウムは第二部へと続くが、半数の学生と共にケイ達は別行動。
「残りの時間を使って、僕らの研究室をご案内させていただければと思います」
すぐ隣の12階建てのビル、防衛技術研究棟を案内してもらうことになった。
一階から順に要所を案内してもらう。エレベーターを降りると中央に伸びた長い廊下の左右にずらりと研究室が並ぶ。学生達の待つ研究室を訪問する度、制服姿の美人隊員であるケイはアイドル並みの人気で、各研究室ごとに握手会となる。
「今日は本当にありがとうございました。学生達も喜んでいます」
「ケイさんは忙しい人だから、なかなかこんな機会はないですよね」
ビル内には一目ケイを見ようと大勢の学生で溢れ、ケイが手を振るごとに歓声が上がる。
「それではこれで、最後に、」
最上階のラウンジで締めの挨拶を主催責任者の学生が始めると、遮るように大声をあげる者がいた。
「ちょっと待って下さい!ちょっと!もうしわけない!すみません!ちょっと!」
大声をあげながらケイを取り巻く輪の中に割り込んでくる者。
「我々の研究室もご案内したいのです。ぜひお越しいただきたいです!」
主催責任者は一瞬めんどくさそうに顔を背けたが、
「ぜひぜひぜひぜひ!もう私達が一番の理解者ですのに!さあ!さあ!さあ!こちらです」
主催者は無遠慮を咎め対応をせずにいたが、その押しの強さに根負けした。
「すみません、お時間はありますでしょうか?」
「ええ。大丈夫よ」

「さあこっちです!こっち!エレベーターで6階!はいどうぞ!」
ピエロのように飛び跳ねながら異常なテンションでエレベーターの戸を開け誘導する。面倒なのでエレベーターに入れる人数だけ6階に降り、ほとんどの参加者は戻るまでラウンジで待っていることになった。
そして、防衛心理学を研究しているというグループの6階フロアーに立ったとき、何か異様な臭いがケイの鼻についた。
「何これ?ちょっと危険な感じね」
ケイの警戒心を察した主催者達も足を止めた。
「そうですね……私達もここにはあまり来ないんですよ。学科内でも謎が多い連中でして、この薬品の臭いは尋常じゃなさそうです。ここはやはり、やめにして戻りましょう。」
「そうね、ちょっと、気になるわ」
「防衛精神学科というのはアンチも多くって、しかしこの臭いは、嗅ぎ覚えがあるな…」
苦笑いしながら事情を説明していた同行学生が、廊下を戻りつつ数歩歩くと、顔色を変えて叫んだ。
「やばい!これは睡眠ガスだ!効果が速攻的な……あっ!おまえら!…」
ピエロのように飛び跳ねていた男はいつの間にかガスマスクをしている。
直後、ケイと主催者一行は全員意識を失ってしまった。

「お目覚めですか?」
高いトーンの男性の声。ケイが目を開けると、白衣を着た数人が自分を見上げていた。
「なかなか興味深いですね、常に変身用のコスチュームを着用しているとは。」
「コスチュームが自動生成される訳じゃ無いんですね〜。戦いに備えて、常時身に着けているのでしょう。何か、けなげな。」
「ほら!僕の説が正しかったでしょう!Tバックだ!やっぱかっこいいなこれ!」
手錠をされた腕を頭の上に固定され,ステンレス製の十字架のような装置に捕らえられていた。背中に冷たい金属板が当たっている。レオタード一枚、ブーツに手袋。半裸の巨大化コスチュームの状態だ。
「や、やだ!なに?」
防衛隊の革制服がはぎ取られ、室内のテーブルの上に広げられている。
「秘密が一つ解明されましたね。衣装は着用済みで巨大化していた、と」
確かにそのとおり、常時戦闘に備えて下に着ているヒロインのコスチューム姿で曝されている。
「な、何をしているの?さっきの学生さん、でしょう?」
7人の男子学生達、その中心に、先ほど大声で6階に案内してきた学生の顔がある。
そして、ケイの周りでは、写真を撮ったり、ビデオを回したり、メモを取ったり、何か良くないことが進行中だ。
「変身には、あのポーズが作動キーとなるのでしょう?腕をこう、胸の前でクロスして、片腕を振り上げる。ね。腕が拘束されては変 身出来ないでしょう。我々の調査でそう結論しました。あのポーズをとらせない限り、あなたは只の地球人女性に過ぎない。その手錠は超合金で出来ています。 さあ、君達もっと詳細に記録したまえ」
ここはあの防衛心理学のフロアーのようだ。部屋の中は最新の精神医学器具でひしめいてており、なかには拘束具の開発をしているのか、拷問機器のような物体もちらほら。
「我々はあなたの存在が許せないのです。あなたのような最終兵器がこの国に独占的にあるべきではない。アメリカで原子爆弾が開発 されたときも同様に、敵国ソビエトに情報を流し独占を阻んだセオドア・アルヴァン・ホールらの英雄達がいましたが、我々もそういう者なのです。今日、あな たを外星政権に引き渡します。もうすぐこの屋上に宇宙船が到着するでしょう」
ケイはその学生を睨んだ。そんなことは許さないと言った怒りの表情。
「あ、怒りました?恐いですねえ……でも、変身出来なければ何も出来ないでしょう。我々が開発した特殊手錠です。悔しかったらその手錠を壊してみなさい。人間には無理ですがね。さあもっと近づいて、サンプルを採取したまえ」
気弱そうな太った学生が大きなワゴンを押して、寒天培地の施されたシャーレをたくさん運んで
来た。
「ケ、ケイさんよろしいですか?あなたの、体表の細菌を、採取して、培養します」
えっ?という変質者を見るような不快な表情のケイ。
このコスチュームは昨年から使用しているお気に入りだが、使用感の目立つ状態で、そろそろ新調しなければと思っていた。レッド、 シルバーのメタリックカラーでキラキラと輝く派手なカラーリングのレオタードも、最近は汗シミがすぐに黒々と浮き出てしまう。ニーハイブーツは同じカラー で、膝から上が派手に尖って太股の力強さを強調するセクシーな特注品だが、タイトで通気性が無いため、内部の汚れ方が酷く、そろそろ限界。外側も傷が多 く、所々微妙に色がはがれ、手入れをしているのだが重い使用感は隠せない。でさらに午後の後半ともなれば今日一日の汚れも溜まってきてもいた。
「きゃ!」
脇の下の汗ばんだところに、寒天培地を押し付けられた。
「ああ、あ、あ、汗も、たっぷり採取できました。ここここれはすぐに分析しましょう」
ケイは脇毛を処理していない。
「うおお!け、毛も一本付いている!毛根が新鮮なうちにすぐにスラ、スラ、スライサーにかけましょう!」
「宇宙船がもうすぐ到着するから、時間が無いぞ!まずは採取に専念しろ!」
「えええ、ええもちろんです!では、どんどん、いきます。皆も手伝ってください」
トレイの上にはシャーレが数十と用意されていた。数人がそれを取りあげる。
「じゃ、じゃあ次は股間の、菌類がたっぷりいそうな、数カ所を採取しますので、大きく脚を左右に開いて下さい」
レオタードが食い込んだケイの股間を指さして屈託無く願い出る。オタク研究者独特の無遠慮な態度。
ケイは当然従うはずもない。はあ?と、あきれた表情。
「ごご、ご協力いただきたい。だめなら、強制的に採取します。ささ、ひ、一人ずつ足首のとこ持って」
ブーツの踝を左右二人ずつが掴んだ。
「ちょっと!やめないと後悔するわよ!こんな手錠、簡単に引きちぎれちゃうわよ!」
「はははは、さあ、早く採取してしまえ」
ここで、ケイの体内感知システムが大きな反応を示した。この建物の上に多数の地球外の飛行体が接近してきた。この学生達が本気なのがよくわかった。
「ただの悪戯かと思っていたけど、どうやら本気でこの星を裏切るつもりなのね」
「ふん、何その恐い顔。我々に抵抗できないのがそんなに悔しい?」
「許さないわ!」
ギュワッ!
異様な音が響いた。足首を持っていた学生がゆっくりと顔を上げてゆくと、荒く息をしたケイの体が少し大きくなっている。身長が2メートル程に、目の前に破壊された手錠が降ろされてきた。
「変身ポーズは変身を加速するため。巨大化は心でやるの。あなた達、研究が足らないわよ!それに巨大化の膨張エネルギーを使えば何でも破壊できるのよ」
「ひい〜、、マ、マズいんじゃない?」
シャーレを床に落としながら硬直する学生達。
「慌てるな!拘束台の留め金が外れただけだろう、、」
ビュルル!
さらに巨大化、身長は3メートルを超え頭が天井に押し付く。膨張する手首が手錠を完全に破壊していた。
ビキッ!
手錠を手首から引きちぎって、リーダー格の学生の前に放り投げた。
学生達が全員アアッ!と声を上げる。
「許さないわよ、覚悟しなさい!」
「ま、まま、待って下さい。これにはもっと説明が必要です」
ケイはゆっくりとリーダーの前に歩み出る。そして大きく脚を開いて仁王立ちになった。
「ヒ、ヒイイ!す、すみません!数々の御無礼、お許し下さい!これには学術的根拠が…」
「さあ、戦ってあげるわ!かかってきなさい」
「わ、我々には意見の多様性が必要で、現に他の学生達は全員あなたを応援しているじゃないですか?我々は7人、確かに少数派です、でも…」
早口でまくし立てつつ横の学生に目配せ、その学生は素早くガスマスクを付け、小さなボンベを握った。あの、催眠ガスだ。
「とう!」
バゴン!
ケイはそのガスマスク学生をハイキックで蹴りつけた。只背が伸びたわけではない。容積や体重が数10倍の巨人だ。脚の太さは巨大 恐竜並み。学生の体は美しいブーツに一瞬こびりつくように抱きつき、あり得ない角度で身を折られ、ガスマスクの中を吐き出された血で真っ赤にしつつ、天井 に激突して数枚の天井板を吹き飛ばした。
「ハッ!」
ドゴオッ!
落ちてきたその学生を空中で横に蹴り飛ばす。
ゴッバアァン!
学生の体はぶち当たった本棚の本を吹き飛ばしながら突き抜け、スチールロッカーの隙間にめり込んで見えなくなった。
ビュルルルッ!
ズズンッ!
さらに巨大化、身長は6メートルに。膨張した容積はその研究室の空気をガラスを振るわせながら廊下に押しだした。ケイにとっては 小さな箱に押し込められたよう。脚を大きく開いてガニ股でしゃがみ込み、両腕を横に広げて柱を掴んで押す仕草。筋肉質で肉付きのいいケイの腕は、その柱な ど簡単に押し倒してしまいそうだ。
「さあ、次は誰?この柱を押し倒して、部屋ごと退治してあげましょうか?」
しゃがみ込んだケイの太モモの間に固まって震える学生達。目の前にはレッドにシルバーのラインの入った光沢布ハイレグTバックレ オタードに包まれた巨大な女体が股を開き、荒い息をして、その頭で天井板を押し破りつつ恐ろしい怒りの表情で見下ろしている。ムッと鼻をつく、汗と熟した 女の臭い。若い学生達は恐怖しつつも目の前に曝された正義の味方の陰部に目を奪われている。Tバックの光沢レオタードは薄く、伸縮性があり、陰部の形を クッキリと浮き上がらせ、その中心に、汗なのかイヤらしい粘液なのか、楕円形にシミを作っていた。そしてそのハイレグクロッチの幅は狭い。黒々とメラニン が沈着する股の奥はおろか、秘部の粘膜質までギリギリの幅しか無く、湿り気を帯びた陰毛が当然のごとくに多くはみ出ており、淫靡なエロスと同時に、強烈な 暴力を秘めたの野性的エネルギーを放っている。そのフェロモン粘液で満ちた赤黒い匂い袋に顔を押し付けて嗅いでみたくなるが、それまでも無く、そこの匂い が全員の鼻腔に濃厚に漂ってきた。
ビキビキッ!
体重も数トンに達しており、コンクリートの床にひびが入る。
「ままま、待ってください!ここは6階ですが、この下には、、こ、この建物には大勢の研究生や学生が、おります。さっきも見たでしょう?この学科は349人ですよ!床が抜けたら、下の者達が押し潰されてしまう!」
「知らないわよ!そんなこと!」
ケイは彼らを挟むように太股を閉じた。
メリメリ!ズッ!
革製のニーハイブーツが軋み、その巨大な太モモが力強く、彼らを押し潰す勢いで閉じられた。
「ヒエッ!」
ぎりぎりで伏せて難を逃れた学生達、だが一人だけ、股間に見とれていたために、間に合わなかった。
ボキボキッ!
「ムウッ!」
ポキポキッ!ボキッ……
腰から上がケイの太モモに挟み込まれている。脚が痙攣し、失禁している。
「うわああ……本当に、俺達を全員殺す気だ!」
ふたたび股が開かれると、伏せていた者達の上に、上半身が潰され、クシャリと腰から二つ折りになった犠牲者が倒れてきた。
「ヒヒイ〜ッ!」
突然リーダー格の学生が駆け出し、出口に向かった。
「あ!逃げた!ケイさんあいつ逃げましたよ!」
「俺達を利用してケイさんを奪取する計画などゆるさん!責任を取れ!待て〜」
自分達を騙していた主犯格の者を追いかけるというせこい演技。だが命のかかった必死の演技ではある。悲鳴を上げながら駆ける者、失禁している者もいる。あっけにとられるケイ。
「廊下で捕まえてやります!待て待て〜!」
全員まんまと廊下に出てしまった。
「フウ……まったく…。逃がさないわよ!」
ドュルルルッ!
ズシイッ!
部屋の中からケイがまた巨大化した音が響いてきた。
廊下を走る学生達、白衣をはためかせ全速力だが、その廊下にはまだ睡眠ガスで眠っている大勢の主催者側の学生達が倒れ折り重なっている。
ズシシーン!ドガンッ!バリバリッ!!
廊下の壁が赤いブーツで次々と蹴破られてゆく。巨大なブーツがすごい早さで突き込まれ、廊下に倒れている者も瓦礫と一緒に蹴り込 まれ、廊下の反対側の教室までも蹴り潰される。後には何も残らない。階段シャフトにたどり着いたのは3名、廊下で手間取っていた者はことごとく絶命した。 バリバリッ!
ブーツが引き込まれた後は赤い長手袋が廊下をまさぐる。手に当たったモノは何であろうとすぐに握り潰してゆく。何体か主催者側の 遺体も握りつぶされた。そして廊下には何も残っていないことを確かめると。ぬうーっとケイの頭部が現れ、黒髪を揺らしながら階段シャフトに顔を向けた。
「ふう。まだそこにいるわね。」
「屋上に逃げるぞ、宇宙船が来た!」
そう叫びつつ階段を駆け上がってゆく。
「待ちなさい!逃げられないわよ!」
そして、外から異様なエンジン音が響いてきた。宇宙船の襲来だ。
「仕方ないわね。裏切りを許すわけにはいかないわ!」
狭い部屋の中で、身をそらすと、胸の上に両手をクロスさせた。
まばゆい緑色の光の粒がケイの周りに渦巻き、フラッシュのように瞬く、そしてその光の粒がケイの肉体に吸収されて消えた、と、次 の瞬間、ケイの体が爆発的に膨張した。粉砕される床板、打ち抜かれる天井。体全体で建物を破壊する震動を感じながら、砕かれる建材の中、右の拳を高々と振 り上げた。
ズビュルルルルルルー!
6階の中央からケイの体の形に上下左右へと次々と部屋が押し潰されていった。建物を破壊すると言うことは内部の大勢の人間も共に押し潰すということ。ケイの体の膨張によって次々と押し潰されてゆく。
加速された巨大化は凄まじい膨張速度だ。3階の研究室では顕微鏡を覗いたまま顔を上げる間もなく数十人の学生が頭からケイのブーツで押し潰された。
赤いブーツのヒールは強大な体重によって次々と下の教室を踏み潰してゆく。そこにいた学生達も天井板と床板の間にテーブルや椅子に混合されながら次々と押し潰されてゆく。
資料室では書架の間にいた学生達が、本を開いたところをケイの臀部で押し潰されて、閉ざされた本と同じ厚みになり、ケイの股間で 貴重な書物の入った本棚が学生諸共引き裂かれ、粉々の紙くずとなり、まるでトイレットペーパーのように汗ばんだ股間とレオタードの先端の湿った部分にこび りついた。
ケイは少し身をよじりながら上へと拳を突き上げてゆく。身をそらせ、めいっぱいに胸を張る。巨大なバストでいくつもの教室が破裂してゆく。試験管を持ったままケイのバストに潰されて試験管の中の液体と交じる学生達。
ケイの美しい背中が教室を押し崩してゆくと、砕かれてゆく床の穴へ、次々と椅子に座ったまま学生達が吸い込まれてゆく。瓦礫と共 に割れた床の間から背中の湾曲が作る空間の中をケイの尻の割れ目に向かって転落するが、そこは尻が後ろの建材を押し砕いている凄まじい破壊のルツボ、一瞬 汗ばんだ尻の臭いを感じ、直後、粉砕される瓦礫の中に没してゆく。
太モモのボリュームは左右に際限なく容積を増してゆく。赤いニーハイブーツと汗ばんだ肉塊が爆発的に破壊を演じる。壁材が次々と 外側に向かって押し寄せてきて機材やテーブルを挟みつつ、その間にいた者達を押し潰して行く。10階から上はより大きく震動した。下からの突き上げるよう な震動の後、破壊される建物の震動で内部にいた人間は転倒。上下左右に振り飛ばされ、その後に床板を破ってせり上がってきたケイの顔に睨まれながらケイの 肉体と瓦礫の間を大勢の学生が落下していった。最上階のラウンジにいたケイ案内会参加者達は凄まじい震動にパニック。割れる窓を背景に床に這いつくばる学 生達。まず一部の床が爆発的に破られて、縦に暴走するダンプカーのように赤い拳が天井を打ち抜いていった。そこにいた数人が跡形も無く消滅している。窓の 外にコンクリート片と共に肉片となって落下する人体を見ながら、ラウンジにいた数十人のうち数人は、ケイが巨大化してこのビルを破壊しようとしているとい う結論に達した。直後、せり上がる床板に押されてそこにいた全員が天井にプレスされ、その複数のフロアーのサンドイッチが次の屋上の床板を押し上げてゆ く。
午後四時の大学はまだ授業中である。そこに多数の円盤が降下してきた。密集する多くの建物の教室の窓から多くの者が顔を出し、そ れを指さして部屋の中の者達に何か叫んでいる。と、そこに大音響が轟いた。そして12階建ての防衛技術研究棟が大きく揺さぶられているのが、その周囲の者 達の目に飛び込んできた。恐ろしい破壊音を轟かせながらそのビルは紙の袋のように激しく揺すられて、窓という窓から埃が吹きだしてくる。
ズボボボーン!
屋上を突き破って赤い手袋に包まれた拳が現れたかと思うと、もうもうと破砕塵を吹き上げながら屋上の床板を吹き飛ばし、身長八十 メートルの巨大なケイの肉体が、突き出してきた。ショートカットのサラサラな黒髪、意志の強そうな目、成熟し凜とした美しい女性の顔は、少し怒りの表れた 戦いの表情だ。半裸のコスチュームに身を包み巨大化を果たすと、二つの腕を振り上げて力こぶを作り、怒りの表情で下を見下ろす。タイトでハイレグのレオ タード、赤とシルバーのカラフルなヒーロー然としたカラーリングだが、股間部は汗染みで黒ずんでいる。少し食い込みすぎて陰毛が多くはみ出ている。はみ出 し放題の黒い陰毛は力の象徴であり、意図的にはみ出させているのだ。同様に脇毛も処理していない。ビルの上に強大な戦闘の象徴が現れた。
「フウーッ」
深く息を吐くケイ。
股のすぐ下までが、まだビルの中だ。が、巨大な太モモはビルの断面とほぼ同じ。多くの学生で溢れていたビル内部はほとんどケイの下半身で押し潰されている状態。
「ふん!」
窮屈そうに腰を少しくねらせると、ビル内で脚を摺り合わせる。中で足踏みをしているようだ
スドン!ドドバアーン!スドン!ズシン!ズシンッ!ズシンッ!!
腰をくねらせながら素早くガニ股になる、ビルは破裂して左右に弾け飛んだ。
グバアアアアアアアアアンンン!!!!!!
「うわあー!」
見ていた者達が一斉に悲鳴をあげた。
眉間に皺を寄せ、口を一文字に結び、怒りを露わにするケイ。崩れた瓦礫の上を執拗に踏み潰し、粉々にしてゆく。もうもうと上がる 破砕塵。それは粉砕圧力で熱く加熱されており吸い込むと喉が焼ける。風下の校舎は窓を閉めようとパニック状態。脚を振り上げて思いっきりブーツを振り落と す度に衝撃波と轟音が響き、正義の味方の怒りの恐ろしさに震える学生達。
「フウウーーーッ!」
深く息を吐きながら拳をにぎり、空手の型のように両腕を腰の高さに水平に降ろす。
ギリギリギリッ!
と力を入れた握り拳から、革の軋む音が響く。
通常の大きさであるなら7頭身で170センチ前後の背の高い女性。鍛え上げた筋肉の量は戦士然としているが適度に脂肪に包まれ て、Gカップの砲弾型の巨乳も相まって、全身が張りのあるエロティックな女性の肉体そのもの。ヒップも大きく豊かで、太ももの太さは殺人的。この正義の戦 士は、均整の取れた美しくも官能的な肉体を持っている。それを強調するようにすぐに汗ばんでしまうヌラヌラと輝く肌。おなじくヌメルように体に張り付き、 そのボリュームを強調するコスチューム。特にニーハイブーツは、太もものパワーを限界まで強調している。張り裂けんばかりにタイトなそのデザインは、履き 口を大きく尖らせ、鋭い暴力の宣言をしている。美しく尖ったトウは蹴りつけられるモノをことごとく粉砕する強靱な衝角、かかとを支えるハイヒールに踏まえ たら、ダイヤモンドでさえもその圧力で蒸発してしまう。
美しく妖艶で力強い正義の巨大ヒロインの姿に、周囲の者全員が見とれた。
ブーツで踏み潰し、粉々にされた防衛研究棟ビル。中にいた大勢の学生達も全員、跡形も無く踏み潰されたはずだ。風下に流れてゆく 大量の粉砕埃が薄れると、ケイのブーツの靴底が踏みしめる瓦礫が見えてきた。そこにはコンクリート片に混ざって様々な柄の布が見える。それに包まれたモノ はかつて人体であった物の一部だ。
それを見た者が悲鳴を上げ、あまりの光景に失神する者もいる。
「みんな校舎から出ないで!これからここで戦うわ!」
上空から数機の円盤が降下中だが、町の中に林立する多数のビルを狙っており、すでに数機がその屋上に着陸している。ここのビルの ほとんどが頭脳資源の詰まった大学関連の学術施設である。良く見ると、円盤の底が開いている。そして何か妙な音が響くとそのビルにいた人間達が、一斉に屋 上に向かって殺到するのだ。その音波は瞬時に催眠に陥らせ、屋上に駆け上がれという宇宙人の命令を実行させてしまうようだ。宇宙人はこの大学の人間資源を 吸収しに来た。屋上から効率よくどんどん円盤内に収容してゆく。100人も収容すると浮き上がり空に上がってゆく。次々と入れ替わって学生達、研究生達、 教授達を収容してゆく。
「ああ!だめ!そうはさせないわよ!」
足の踏み場無く乱立するビルを踏み潰さないように、狭い道路に、慎重に脚を差し込もうとする。
ガリガリバリバリッ!
道路の両側のビルの外壁を、どうしても破壊してしまう。歩道になだれ落ちるガラス片に次々と負傷する歩行者。
ズシッ!
走行中の車を踏み潰してしまった。ケイに踏まれたそれは平たい鉄板となって厚みがほぼ無くなっている。何人乗車していたかは判らないが、全員助からないだろう。
「だめね!仕方ないわ!間に合わない!」
片脚の太モモを高く引き上げると、その狭い道路に沿って、まるで新体操で平均台の上を進むように駆けだした。
ズシンッズシンッズシンッ!
足元の被害は甚大だ。逃げ惑う歩行者と渋滞中の車達が次々とペシャンコにされてゆく。潰される車は中から血潮を飛び散らせ、踏ま れた人体は瞬時に挽き肉状になり飛び散って色々なところに飛散しこびりつく。大量の血や肉片が吹き上がるが、赤いブーツに付いても目立ちはしない。
大きな犠牲を払いつつなんとか目的のビルに到着。ビルの屋上から上昇し始めた円盤の真下に来ると、素早く腕を上げてそれを掴んだ。捕まるまいと出力を最大にする円盤だが、ケイの強大な腕力には叶わない。
「エーイッ!」
大勢を乗せた宇宙船は両手でしっかりと掴まれ、ケイの美しい胸の前で、まるで胸筋のトレーニングのように、巨大な掌でプレスされ て行った。バリバリと破片を撒き散らしながら押し潰されてゆく円盤。あっという間に粉々に粉砕されてしまった。中には多数の宇宙人が操縦していたかもしれ ないが、それよりも船内に捕らわれていた100人近い大学関係者が一瞬で絶命した。
素早く周囲を見渡すと、屋上に着地して人々を収容中の円盤が、すぐ近くにある。ビルの屋上は人でごった返している。ケイはそれを見下ろすと、道路から脚を引き抜いて、そのビルの上に跨がった。丁度股の下に円盤とビルが挟まれた。
クシャ!
太ももを閉じるとあっけなく潰れてしまう。宇宙船もその下のビルも何の抵抗もなく太モモの間で砕かれて、容積を失ってしまった。
再び股を開くと、大量の埃を上げながらブーツの間に崩れ落ちていった。
少し先、数棟のビルを隔てたの向こうに着陸したての円盤があった。しかしすぐにそこに行くには、やはり障害物が多い。狭い道路はビルの谷の底にあり、その形状も見えないほど狭いのだ。このままでは全く身動きが取れない。
「トウ!」
手前のビルにキックを2回、崩れるより早く真上からブーツのヒールを打ち下ろす。そして一歩進んだ。次のビルには跨がって、腰を 落とし、股間で押し潰した。瓦礫が太股の間や尻の下から激しく吹きだして、乾燥した砂の城を押し潰すような弱々しい物を破壊する奇妙な感触が、股間一杯に 広がる。立ち上がるとまた一歩進む。足の踏み場の無いことにあきらめて、ビルを破壊しながら進んでゆくケイ。
低いビルは一踏みで押し潰す。円盤の発する音波は周囲のビルにも影響を与えているらしく、屋上に大勢が上がってきている。その上 に容赦なくブーツを踏み下ろし、蹴り潰し、跨がっては股間で押し潰してゆく。そして円盤が着地したビルにたどり着くと、その上に太モモを高く大きく回しな がら脚の間に挟み込み、巨大な尻の下に円盤ビルをがっちりと捕まえた。巨大な肉体を誇示するように胸をそらせ腰を引きながら、円盤ビルが股と尻の間から漏 れないよう両手で前後から押さえる。そして下半身に円盤ビルをがっちりと挟みつつ、ブーツの爪先から腰をねじるように一気に体をひねった。
ギュバアアッツ!
脚の間に挟まれていた物はその動きにねじりあげられて、ドリルのように変形する。そのまましゃがみ込むと、漏れまいと両手で押さえ込んでいた為に縦に圧縮されて、爆音を上げつつ股間の中でビル一つが小さな固まりとなった。
ケイが立ち上がると、ブーツのハイヒールに挟まれて現れたそれは、ビルの瓦礫がケイの股の鋳型となって、10メートルほどの奇っ 怪なモニュメントとなっていた。その中には多数の人体が練り込まれている。少し間を置いてから大量の血液が至るところから溢れ出し、その基部に池を作り始 める。
すぐ横に飛び立つ円盤がある。良く見るとそれは半透明で、乳白色の磨りガラス越しに中に収容されている人々が見えている。狭い船 内に押し込められて、身動きが取れないながらも必死に両手を振って、何か叫んでいるようだ。ケイに助を求めている。それは催眠にかけられているようには見 えない。恐怖におびえる被害者達だ。だが、このまま誘拐を許すわけにはいかない。ケイはそれを両手で掴むと、太ももで真っ二つに打ち割った。そして煙を上 げるその二つをクシャクシャに握りつぶした。
次の円盤に向かうために、またビルに跨がる、そのビルの屋上にも大勢の人々が上がってきていた。跨がって押し潰そうと、レオター ドを食い込ませた股間をその上に降ろしてゆく刹那、その屋上を確かめると、まだ若い学生達が多く含まれている。しかも女生徒が多い。英語か何かの教室が あったのか。若く美しい女学生達が恐怖に震えながら見上げている。破廉恥に汚れたレオタードに包まれた股間部、きっと酷い臭いだろう。陰毛がはみ出し黒々 とメラニンの沈着した陰部はヌラヌラと汗で光っている。彼女達の美しい顔がその汚れた陰部に隠れてゆく。ケイの心は良心の呵責で押し潰されそうになるが、 正義の責任感でなんとか立て直し、他のビルよりも力強く屋上に股間を押し付けた。メリメリと多数の人体が砕ける感触が丁度レオタードの中心部、前陰部の陰 裂も露わな濡れた膨らみに感じられた。
「う…ん!」
バリバリバリバリバリーッツ!!
一気に地面まで股を押し付けると、ビルは跡形も無く地表面と同じ高さに圧縮されてしまう。立ち上がるとケイの股間、赤いレオター ドの陰部にははっきりと濡れたシミが出来ていた。楕円形だったそれは黒々と大きな面積となって陰唇の形を浮き出させ、レオタードの股布の両脇から溢れだし て内股を潤し、尻の割れ目にまで染み込んで肛門のあたりで糸を引いている。
「ハアア…」
続けざまに5つのビルに股間を押し付け押し潰す。それぞれのビルの屋上にも大勢の人々が上がっており、ケイの汚れた股間部に舐め 取られるように処理された。円盤のビルにたどり着くとその上に片脚を振り上げてその向こうのビルを踏み付ける。屋上の者達が赤いブーツで踏み潰されたが、 ビルは何とか倒壊を免れている。片膝を立てて円盤ビルに股の臭いを嗅がせているようなポーズだ。片手で屋上に着陸している円盤を掴むと裏返した。大きな開 口部があり、捕らわれている人々がその奥でひっくり返っている。入り口付近に数人の異星人の姿が見える。人々の乗船を誘導しているのか。ケイはその開口部 を陰部に押し付けるように腕を回した。掌を大きく開いて、円盤を股間に密着させ、その上で円運動させた。円盤の構造も辛うじてその乱暴な動きに耐え、ケイ は円盤で自慰をしているような格好になった。腰をくねらせながら、乱暴に円盤を股間に擦りつける。
「アアンッ!許さないわよ!宇宙船は全部破壊してやるわ!」
手をグッと股間の奥へ押し込むと、円盤は掌に押されてぬるりと股の下を滑り、尻の割れ目の上、肛門のあたりに押し込まれた。脚を 開いているので、肛門は丸見えの状態であった。レオタードは糸のように引き延ばされており、その両側から黒々と肛門がはみ出していた。その上に円盤を手で 押し付けると、中指に押されて尻の割れ目に沿って円盤は真ん中から二つに折れて変形し、尻の割れ目に食い込んだ。肛門はケイの性感ポイントだ。酷く汚れて 強烈に臭いそこは羞恥の極み、そんな所を使って攻撃するなど、正義の味方としてあるまじき破廉恥。だが、敵に対して力を誇示するなら、これほどまで敵に とって屈辱的演出はない。力ある側の誇示として、戦意喪失を誘う心理作戦として、ケイはこれまでもこの技を多用してきた。少し運動してイヤらしい汗が尻の 割れ目に溜まって、歩く度にヌラヌラと肛門あたりにぬめりを感じてきたらこの必殺技の頃合いだ。
「フウッ!アアン」
腰を前後にくねらせて肛門への刺激を促す。掌を器用に操作して円盤を尻の割れ目の中に折り畳まれるように圧縮してゆく。そして円 盤は姿を消し、尻の上に掌を押し付けているだけに見える状態。割れ目の中は超高圧。肛門に強烈な刺激がかかり、直腸から内臓にまで熱い快感が響いてゆく。 宇宙船を熱い肛門で溶かしてゆくよう。尻から手をどかすと、黒い割れ目の奥に細く短い白い線となって肛門あたりにくわえ込まれているのが見えた。円盤を屋 上から取り払われたビルには収容待ちの大勢が屋上に出てきている。その全員がケイのその尻の状況を放心状態で見つめていた。ケイはそのまま下のビルに尻を 落としてゆく。M字開脚で、肛門を中心にビルの中にめり込ませる。屋上の者達が瞬時に引き潰れる。コンクリート片がさらに肛門に突き込まれ、腰の動きが激 しく、滑らかにローリングする。凶暴な怪物の口のように肛門を開閉させながらビルを食い尽くしていった。モウモウと砂埃をあげ粉々にすると、ゆっくりと立 ち上がり、尻の割れ目に指を差し込んで、濡れたちり紙を細く丸めたようになった宇宙船を取り出して、尻を拭いた汚れたトイレットペーパーのように後ろへ、 見ずに捨てた。
「フウ…あら、やだ!」
町の中心部分で円盤のほとんどを破壊していたが、ふと見上げると、大学の中心、さっき講演していた付近の、大学の純正施設屋上にも数機の円盤が着陸しており大学生達をどんどん収容中であった。
「なんてことを!」
大学に向かってビルの密集した町並みを一直線に移動する。凄まじい大音響。
「うわあ!こっちに来るぞ!」
大学生達はパニックだ。町の中でケイが何をしたかを見ているので、円盤付近は非常に危険な状態なのだと全員が理解していた。が、催眠音波にはかなわず、どんなに抵抗しても屋上に上がってしまう。ケイはビルを破壊しながらどんどん近づいてくる。
人々で溢れたビルを乱暴に蹴り上げて粉砕し、跨がっては尻で押し潰し、飛び上がってはビルの上に両脚をそろえて着地、粉々に粉砕 してしまう。最後の大学付近の数棟は、思いっきり太股をあげて力を込めて、ビル一つに付き一踏みで踏み潰していった。それを破壊するには過剰な破壊力を持 つ爆弾を直撃させたかのような有様で、高空に瓦礫を吹き上げつつ6棟のビルを粉々に粉砕してしまった。もうもうとキノコ状に立ち上がる破砕雲の中から、そ れを押しのけて恐ろしく巨大な女体が現れ、大学の外周に植えられたケヤキの並木をまるで雑草の茎のように踏み倒しつつ、大学の敷地内に侵入。球形に整えら れていた植え込みの列を、エロティックに光沢を放つ巨大なスカーレットのニーハイブーツのハイヒールで踏み潰し、仁王立ちになった。息をあらげ、大粒の汗 を滴らせ、レッドとシルバーのレオタードコスチュームは汗染みで胸や背、尻の割れ目が黒く濡れ、股間部は粘性のある愛液でべっとりと浸み汚れている。ニー ハイブーツは粉砕したビルの埃で爪先やすねの一部が薄く白くなっていたが、猛烈な破壊行動の割には綺麗なままだ。腰に手を当てて下を見下ろしながら、ゆっ くりと数歩進む。
ズシーン!ズシーンン!ズシシーンン!
あまりにも巨大、もの凄い迫力。脹ら脛、太股、尻、胸、それぞれが凶暴なまでのボリューム。歩く度に健康な肉体の持つ張りのある 弾力が各部の肉を揺らす。それを見た全員が踏み潰される恐怖を感じた。ケイは正義の味方だが、そのあまりに巨大な肉体は大瀑布や大氷山を目の当たりにした ような危険なスケールの差を持っているのだ。そして文字通り今日のケイは人間に対して容赦ない戦いを展開している。
「ひゃあー!」
「やめて下さい!僕達は大丈夫!」
「おねがい!ゆるして!」
「ごめんなさ〜い!」
ケイを見上げながら、学生達は一斉に叫び始めた。それほどケイの姿は絶望的なまでに学生達を圧倒した。
激しい戦闘で体を熱くし、まだなおエネルギーをほとばしらせている巨大な美女が、大学の構内に戦うために進行してきた。腰に手を 当て、大きく脚を開き、汗ばんだ美しい顔を上気させて見下ろしている。ブーツのヒールが講堂前の植え込み花壇を踏み付け、深くめり込んでゆく。アスファル ト道路もその体重には耐えられずグチャーッと、踏み潰されたケーキのように靴底の両脇から押し出されてゆく。
「可愛そうに!学生さん達に酷い事を!連れて行くなんて許さないわ!」
すっと腰を落とし、両手を構え、ファイティングポーズ。一番手前の校舎に狙いを定めたようだ。屋上に上がっている大勢の学生達はパニックだ。
「だめ!やめて!」
「間違いです!僕達を攻撃しないで!」
「ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!」
「ちょっとまって〜!この建物は宇宙船とは無縁です!」
「気が付いて!宇宙船はここに着陸していないです〜!」
「屋上には僕達しかいないでしょう!」
ここには円盤は着陸していませんと何度も叫ぶが、ケイには大勢の叫び声が重なって聞き取れないよう。
「ハッ!」
ズズウーンッ!
地面を蹴って高くジャンプした衝撃でその隣りの管理ビルが倒壊。そして、両膝を立ててM字開脚の姿勢で、狙いの校舎ビルの上に巨 大な肉体を落とした。大音響と爆砕されたコンクリート粉が飛び散る。大きく股を開いて立ち上がると、学生諸共ビルが一つ消滅していた。次のビルに早足で近 づく。屋上から悲鳴が上がる。駆け込む勢いでそのビルの前に片膝を立ててしゃがみ、さらに上体を倒すその勢いで、屋上に巨大な拳を打ち下ろそうとした。巨 体を凌駕した異常なスピード。屋上の学生達が一斉に頭を抱えてしゃがみ込む。その仕草にはっと我に返った。
「可愛そうで見ていられないわ…」
顔を後ろに背け、立ち上がると、すっとその前で後ろ向きになる。腰を後ろに突き出して校舎の上空に尻を回した。後ろ向きであれば 見ないですむと言うことか。そして、少し脚を開くと、まるで和式便器に跨がるように、ビルの上に乱暴に尻を落とした。屋上の者達は床板ごと尻の割れ目に集 まるように瓦礫と共に圧縮され押し潰されたが、ビル自体は最上階から数階のフロアーを押し潰されたところで耐えた。その下の窓からは顔を出して上を確かめ る大勢の姿があった。だが、ケイが上半身を起こし、胸を反らせるように尻の下に体重をかけてゆくと、ゆっくりとビルが押し潰されてゆく。腰に手を当て、尻 をくねらせながら、ゆっくりと押し潰す。かき回すように尻をくねらせる度にビルは粉砕され、周囲に瓦礫を撒き落としてゆく。ビルから逃げようとしても降り 注ぐ瓦礫で外に出ることが出来ない。ケイは冷静に確実にビルを粉砕するように腰をくねらせて、強大な体重をビルの構造にかけて、全てのフロアーを粉々にす り潰してしまった。立ち上がるとその足元には粉々になった瓦礫による大きな尻型ができあがっていた。
その奥のビルには宇宙船がとりついている。ゆっくりと余裕を持って歩み寄ると、屋上に着陸していた円盤を引き掴み、少しがに股に なって股に挟み込んだ。バレリーナのように姿勢を正し、太ももを摺り合わせるように下半身を躍動させると、まるで紙箱が潰れるようにあっという間に平たく 太モモで挽き潰されてしまった。クッと股を開くと、ボロボロと砕かれた部材が地面に振り落とされてゆく。表面の部材が落ちると内部の構造がそれに続き、そ の中には大量の人体だった物が含まれていた。がに股になって人体混じりの埃を内股から払い落とすと、その潰された宇宙船が乗っていた無傷の校舎に、脚を振 り上げてゆっくりと跨がる。ヌラヌラと光るレオタードの股間部を目の前に突き出され、学生達は悲鳴を上げる。
「ヒヤヤ〜ッ!」
「なんで〜?敵の宇宙船は退治したじゃない!」
「僕達をつぶす必要は無いでしょう!」
「助けて下さ〜い!」
股間で屋上を被うように少し前傾姿勢で、腰を引き、ビルの側面を手で押さえつつ尻を後ろに突き出すようにすると、生徒達の顔にや さしく陰毛が絡みついた。股間の汗の匂い。少し小水のアンモニア系の匂いもするかもしれない。その強烈な股の淫臭に包まれている学生達。匂いを嗅いで戸 惑っているのだろう、叫び声は止み静かになった。後ろから片方の腕を回して尻の割れ目に指をはわす。肛門に赤いグローブに包まれた中指を滑らせて刺激する と、学生達の上に降ろされた前陰部の膨らみから愛液が溢れ、屋上に滴った。大勢の頭のいい学生に酷い醜態を見せていることに興奮してしまう。下の階からど んどん生徒が上がってきて屋上が人で溢れてくる。人の上に人が乗る状態。ついに一人屋上から押し出されて転落していった。
「アッ!危ない!」
ケイが危うくそれを手で受け止め、助けた。男子学生がころりと掌に転がる。それは肛門を擦っていた方の手であった。きっとその指 には肛門の臭いが染み込んでいるに違いない。それに気付くと、腰の中心がグッと熱くなった。ケイは何の迷いも無く、その学生を尻に持って行くと、肛門の襞 に押し付けた。押し潰さないように中指でそっと押し付けて、肛門を激しく開閉する。肛門を開く度、苦しそうなうめき声が短く漏れてくる。顔を肛門に飲み込 まれ、肛門を閉じたときには耳のあたりまで高圧で咥え込まれてしまうのだ。肛門とレオタードが擦れてキュッと微かに音がする。このままやさしくしてあげら れたらと思う。潰さなくても良いかも、と思う。彼は指を離しても尻に張り付いたままだった。このまま屋上にいる大勢のお利口さん達に汚れた脚の間の匂いを 嗅がせ続けていられたら、どんなに幸せか。上半身を起こして、屋上の四方を両太股と両手で囲うと、その学生達の固まりを汚れた股に閉じ込めて、匂い責めに している状態となった。凄まじい悲鳴が上がっている。きっと酷い臭気で息も出来ない状態だろう。泣き声もする。女生徒の悲鳴が狂騒的になってくる。凄まじ い罪悪感、その裏腹の快感。こんどはもっとここを汚してみよう。何日も股間部だけ洗濯しないとか、おしっこをわざと染み込ませるとか、ウォシュレットを使 わないとか。入浴時も股間部は洗わないとか。
を試してみようと思うケイであった。
悲鳴が弱ってきたのを察知すると、容赦なく股間を屋上に押し付けた。ボキボキと肉体が粉砕される感触が股全体に響いてくる。太股を一気に閉じて、ビルを一撃でクシャリと平たく潰してしまう。腰を上げ、股の間に板状に立っている瓦礫をブーツで蹴散らした。
その他数棟の校舎ビルを尻で押し潰し、瓦礫を乱暴に蹴散らすと、講堂の前に仁王立ちになった。ここには大勢が避難している。さっ き自分が講演しているのを聞いた学生もまだ残っているだろう。しゃがみ込んで覗くと確かに大勢の学生が確認できた。入り口の前に仰向けに腰を下ろすとその 狭いエントランスにブーツの爪先をねじ込んでゆく。ゴリゴリとブーツを講堂の中へとねじ込んでゆく。中では入り口とは反対の演台の方へと学生達が追いやら れてゆく。講堂のエントランスホールを崩して押し広げつつ、中で大きく開脚しながら腰までをねじ込んだ。股の間に学生達を集めようとしているのだが、その 外、脚と壁との間に大勢隠れているのも感触で伝わってくる。大きく開いた脚をさらに広げて講堂の壁を内側から圧迫した。其所に隠れていた者達はこれで圧死 する。外壁が内側からの圧力でひび割れて所々崩れてきた。この圧力では何者も生きていられまい。演台側に押し込められた学生の集団からは、恐ろしく倒錯的 な光景が展開されている。友人達が太股で押し潰されると同時に、快楽で汚れた股間を大きく広げて見せつけられているのだ。それを想像すると、めまいがする ほどの羞恥。脚を広げたまま、さらに体をねじ込んでゆく。ついには講堂の向こう側の壁にブーツのヒールが突き抜けて出てきた。ヒールの動きは何人かを押し 潰しながらであったらしく、突き出たヒールには衣服に包まれた体の一部が多くこびりついている。中には相当の人数がいるらしい。
胸まで体を講堂に押し込んだとき、内股から股間にかけて充実した容積を感じた。太股に挟まれた3角形の空間に大人数が押し込めら れているのだ。先ほどと同様に凄まじい臭気にどよめいているのが講堂の屋根を通しても響いてくる。まるでレオタードの中に閉じ込めたようだ。汚れた股間に 大人数を密着させて、蒸れた陰部の汗やイヤらしい夥しい汚れを染み込ませてゆく。この国の明日を担う優秀な人材を、溌剌とした若者達をそんな破廉恥なとこ ろに閉じ込めて、圧迫しその圧力を陰部の敏感なところの刺激にしている。
「あん…かわいそう!」
いったんは胸を反らせて腰を引き、圧迫を解いてあげた。そして、少しの間出来た空間を利用して、手を差し込み、きつく食い込んだ レオタードの股布をずらして陰部を露出させる。グチャグチャに愛液で潤った陰部を大きく広げると、再びその哀れなとらわれの群衆に押し付けた。直接押し当 てるとその感度は段違いに精度を増して、学生一人一人の体、動き、その腕や足や頭など、部位までもが判別できる。先ほどとは比べものにならないほど激しい 動き。腰の中心は溶岩が溶けるように臨界に達し、さらなる刺激へと坂を流れ落ちてゆく。ついには躍動する巨大な陰獣の大口として、一人一人下の口で飲み込 んでゆく。彼らに陰部を押し付けると、そのあまりの圧力でズルリと数人がめり込んできてしまう。暴れながら奥へと食い込んでゆく。そんな圧力で人間の体が どうなってしまうかなんて考える余裕は無い。
メチャメチャに激しく腰を動かしている。前陰部の上側の中心、敏感な肉棒は赤々と粘液でテカりつつ刺激で震え、その股間に築き上 げた人間の固まりの中で、自らが分泌した愛液と人体から絞り出された体液で滑りに滑り、快楽の求めるまま暴れる。ケイはそれのみに集中した。当然彼らの体 は壊されて、バラバラに引きちぎられ挽き潰され丸められ、よじられてゆく。
外側から見えないのをいいことに、何度もエクスタシーに達した。巨大化すると、快楽の感度とモードが変わるのか、何度も逝ってし まう。きりがないぐらいに何度も逝く。気持ちいいのだが、本当にきりがない。この大学の校舎もこれで最後だ。一旦その巨大な脚を左右にめいっぱい開いた。 バリンという一撃の大音響が響くと講堂の外壁が吹き飛んで大屋根が落下し始めた。それよりも早く、こんどは思いっきり早く股を閉じた。股の中で風船が弾け るような柔らかい抵抗。そのあと赤く美しい艶のあるニーハイブーツに包まれた長い脚をメチャクチャに躍動させて、講堂の部材を粉々に粉砕し内部から破裂さ せた。

その後も降下してきた円盤を破壊するのに町の中を転げ回って、ほとんどのビルを破壊してしまった。

まだ壊すモノが無いかと辺りを見回す。と、大学の駐車場にまっさらな車。最後にそれを踏み潰そうと近づいてゆく。
「あら、いきていたの?ヤダ、あたしったら、あなたまで踏み潰そうとしていたわ」
大学の駐車場で車に乗ったまま動けなくなっていたあの科学防衛省の担当官を発見した。車道が粉砕されてしまったために帰還するこ とが出来なくなっていたのだ。町のほとんどが地盤ごと掘り返されている状況。奇跡的にケイのブーツに潰されないでいた車。これまでの破壊の中で一瞬、この 彼も踏み潰してしまっただろうなと諦めていたのだ。担当官の悪運の強さに感心するケイ。そこでようやく破壊の手を止めた。
彼を車ごと持ち上げて手の平に乗せて帰還してやろうかとしたとき、
「これはやり過ぎですね。円盤が着陸していないビルを破壊する必要は無かった。円盤だけを捕らえて動力系だけを破壊して飛行能力を奪うだけで良かった、中に捕らえられた人々は無傷で救出できた。住民の犠牲を大幅に押さえられた」
臆面も無くそんなことを言い出した。すごく怒っている。
「催眠がかけられていたのよ。仕方ないわ」
「意味がわからないな。催眠には害は無い。」
「催眠は危険でしょう?退治しなければならないわ」
「はあ?馬鹿か?意味がわからん」
「ば、馬鹿?」
「私は全て見ていたんですから。あなたは楽しんでいたでしょう?快楽に溺れて暴走した」
「見ていたって、何を?」
「私が講堂に残って書類を整えていたとき、あなたの戦闘が始まって。その後、連絡のために無線機のあるこの車で待機してました。ここからも見えましたよ一部始終。とても破廉恥な腰の動きでした」
「イヤらしいわね…あれはそういう戦い方なのよ」
「そんなわけないでしょう」
省の本部に報告するという。
「誤解しないで!私が快楽のために、馬鹿みたいにこの町を破壊したって言うの?私、馬鹿?」
「馬鹿です。頭悪すぎます」
「馬鹿じゃ無いわよ!ちゃんと大学も出ているわ」
「関係ありません。強烈な馬鹿です。作戦には高度な知能が不可欠で、今後は指揮系統の整備が必要でしょう。とにかく上に報告します」
「へえ〜…」
一緒に帰還しようと何歩か歩き出していたが、少し頭にきた。ケイは顔色一つ変えずに、掌に乗せた車を、乱暴に握ると、そのまま車ごとクシャリと担当官を潰して、瓦礫の中にぽいと捨てた。
死者は3万人、行方不明者7万人。町は壊滅してしまったが、敵に頭のいい人達が盗まれることは無かっただろう。奪われるなら破壊してしまえと奮戦したケイだったが、少し肉体の声が先行したのも自覚している。こんな猛烈な破壊行為は初めてだった。

つづく


AKAFUJI2018/09/03