Fishing Report

釣り場でのコミュニケーション/ショックとスマイル
上小漁協管区 D川


2007.6.10


土曜日は一日仕事だった。夜11時までかかった。プレゼン用のスライド作りである。ストレスフルである。ということで、ストレス解消したくてたまらず、本流に出た。が、濁り過ぎ〜。30分はキャストしまくったが、諦めた。さらに本流ヤマメにフられて、今週もブロークンハート。雨が降ったり止んだりの中、D 川の沢に行った。午前11時に現場到着。今週岩魚を放流したらしい。早速、大堰堤の下3段目の溜りにアップにキャストし、トゥイッチしながらリトリーブで思いがけず釣れた。この溜まりで釣った経験はなかったので意外性に驚く。そこからいつものように釣り下った。もうこの沢は50回は釣り下っているのではないか。10メートルもいかな行かない内に、ダウンで反応がないので、アップキャストでトゥイッチして1尾目の岩魚が釣れた。しばらく行く、再度アップキャストでトゥイッチして2尾目のイワナが釣れた。20メートルも行かないうちに笑顔になってきた。ところが....。


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本流視察、やや濁り過ぎ。
キャストすれども無反応
沢へ
大堰堤下の溜まりにて早々に1尾目
前方に遡上して来るベテラン風餌釣り師(ベテランではないのではないか?)を発見した。いつものように挨拶かわして釣り下ろうかと思ったのだが、その餌師に「どっから入った!ふざけるんじゃねえ!」と高圧的に言われた。「釣り上がり」原則にのっとって言っているのが分かったので「釣り上がりが基本ですか。すみません」と言ったら、釣上強制餌師が「ずっと釣り下がってきたのか!いいかげんにしろよ!冗談じゃねえ!」と高圧的に言われた。

ショックであった。確かに原則としてのマナーではある。でも、よ〜く考えてみるとかなり理不尽な輩である。この沢は、駐車スペースは大堰堤前が一番大きいので、立地条件からも、そこから釣り下ることは必ずしもマナー違反ではないはずだ。そんなに釣り下りに立腹するならば、この沢に来るべきではない。第一、餌師の間で「釣り上がり」がマナーならば、ルアーやフライの間での「キャッチアンドリリースが基本」はマナーである。キャッチアンドリリース以前に「必要以上に魚を持ち帰らない」は原則マナーである。強制はできないが。それぞれに意識の違いがある。ルアーではダウンの釣りもあるので釣り下りは必ずしもマナー違反ではない。一方、餌師が腰魚籠にいっぱいの釣った魚をどうしようと勝手と言えば勝手だ。あくまで原則としてのマナー。これらは、原則としては〜だけれども、必ずしもそうではないマナーではないだろうか。したがって、釣り下りも禁止事項ではなく、あくまで釣り上がりを好む方に配慮した原則としてのマナーである。「釣り上がりを強制する」は「キャッチアンドリリースを強制する。」に等価ではないだろうか。今度、腰魚籠つけた釣上強制餌師にあんな嫌な言い方されたら、この問題を一緒に考えることを提案してみよう。一方的に釣り上がりを強制するなら、一方的にキャッチ&リリースを強制してもいいですか?



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2尾目の岩魚
手の届くところに引っ掛かっていた仕掛け回収。
雨が降っているので不思議な写真。
3尾目の岩魚。なんぼでも釣れるような気配。

釣上強制餌師とすれ違って、なおも釣り下がるとすぐに、目立つ場所に餌師の残していったゴミを見つけ回収した。釣り上がりが基本の餌師が通過したすぐ後ろの淵で餌釣りの仕掛けが餌が付いたまま手の届くところにぶら下がっていました。さっきの釣上強制餌師め〜。捨てたのは彼じゃないかもしれないが、ゴミをみつけたら拾うべきでしょう。これらを拾うことなく釣り上がりなのか!と言いたい。 嫌な気分でしばらく釣り下ると、魚の付いている淵に出た。ダウンでは食い付かないので、少し下流側にまわって、アップで白泡帯やその際にキャストし小刻みトゥイッチングでリベンジすると淵尻の岩のところでバイト!三連発。同じパターンでキャストコースをずらして3尾目、4尾目、5尾目の岩魚が釣れた。こんなに釣れるのに....。なんで釣り上がり強制餌師は苛立っていたんだ?う〜ん、アップに反応が良いのか。5尾目の岩魚を撮影するためにしゃがんでいたら、地元餌師のおじさんが5メートルほど下流に入った。目があったので会釈したら、話が始まった。



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魚の溜っている淵を発見!
4尾目の岩魚は背っぱり。
アップストリームの小刻みトゥイッチで
同じく、淵際で5尾目岩魚、23cm。

地元餌師:「釣れたかい?」
私:「釣れましたよ、でも、さっき、堰堤から釣り下ってきたら、ある餌師にこっぴどく叱られちゃって。」
地元餌師:「ああ、そういうやついるんだよ。この沢じゃ、駐車スペースの都合で釣り下りもマナー違反ではないことが分からないやついるんだよ。この間、俺も言い返してやったんだよ、お前名前なんて言うんだ!立地条件を知らないでなんだ!こっちは地元だ!ここはお前だけの川じゃないんだぞ!名前覚えておいてやるから言ってみろ!って。ルアーだからって、しり込みすることはないよ!遊魚券かってんだから。今度言い返してやれ!」と慰められた。
私:笑顔で「それとも(釣上強制餌師は)釣れないからイライラしてたんですかね」
地元餌師:「そうだよ、きっと。でも、お前さんがしゃがんでたんで釣ってるのに気付かなかったよ。悪いな。俺は他に行くよ。」
私:「ここで3尾釣れたし、僕は釣り下がるから、ここで釣って下さい。まだ魚溜まっているし。」
地元餌師:「悪いな。じゃあ、分け前にあずかろうかな?」
私:「放流後だし、みんな釣れて楽しいはずなんですよね今日は。」
気分よくコミュニケーションできました。釣りしていて良かったなという会話である。 つまり、釣りは釣りだけでなくコミュニケーションも含めて釣りなのです。コミュニケーションは挨拶や会話だけでなく譲ったり許可を得たり、そして譲るということは気分よく我慢することでもあるし、忍耐力を鍛える。釣りとうものは心身の鍛練に通ずると私は思う。

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またまた6尾目。25 cm
今度はクロスでドリフト、7尾目。23 cm
同じく、8尾目。また23 cm。

その後、下流の橋まで釣り下った。中間以降は、バイトはあったけどフックアップせずで悔しい思いはしたが、車道に出て駐車地点に戻る途中、もう一度先ほどの淵に差しかかったが、地元餌師は釣り上がったようだったので、もう一度さっきの魚溜まりに入ってみたら、さきほどのヒットポイントよりやや上流側の白泡下に魚が付いている。アップキャストではじゃれつきながら追ってくるけれど食いが浅くフックアップしないので、クロスからダウンクロスで細かいトゥイッチングで誘ってドリフトで誘ったらギガバイト!!連続3尾で、23cm, 25cm, 23cm 。そしてスレてきたようなので、スプーンでボトムバンプするとお腹の黄色い綺麗な岩魚が釣れた。サイズダウンではあるけど。4尾ためて記念撮影。

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スプーンのボトムバンピングで
穴から出た9尾目。サイズダウン 20 cm
お腹が黄色い。鰭は綺麗で放流っぽくない。
6〜9尾めに釣れた岩魚合計4尾
をネットの中にためて撮影。

最後に、大堰堤に入ろうとするとフライの方2名。会釈して2段目の堰堤を打たせていただいた。チビ岩魚がバイトするもバラした。さらにフライの邪魔にならない堰堤端でタテの小刻みトゥイッチングで岩魚2尾追加した。パターンを掴めば数釣れるのは放流直後だからだろうか。 それにしても、あの釣り上り強制餌師、あんまり釣れていないから苛立っていたのかもしれない。同情する面もある。だって、あの後、もう一人の地元餌師とは入れ代わりで譲り合いながらも、餌師3尾、私7尾と同じ淵で計10尾も釣れたんですから。釣りだけではなく、会話も楽しかったな。釣りはメンタルなスポーツです。また、大堰堤のフライマン2人組のおじさま方も品位があって、挨拶程度でも会話していて楽しかったです。釣り師としての技術は釣りだけでなく、品位や心もレベルアップを心掛けたいものです。帰り際、地元餌師のおじさんに再会したので釣れたか聞いてみたら、「譲ってくれたあの淵で3つ釣れたよ。ありがとうな。」譲った場所で、「釣れて良かった。」本当にそう感じました。満面のスマイル。

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薫製用に3尾のみキープすることにした。
私もたまにはキープする。
大堰堤で。10尾目岩魚。
大堰堤で追加。11尾目。

使用タックル

ロッド:ブンスイレイ 60SL/TRBX-C57
リール:トーナメントエアリアル 2500/プレッソベイト
ライン:トラウトアドバンス VEP 4 lb
ルアー:D-コンタクト63, D-コンタクト 50, ヘブン 7g


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