天使で悪魔




たゆたう平穏



  世界は常に新たな流れに移行している。
  決して留まる事のない流れ。
  この世界は、微妙な均衡とたゆたうような平穏と争いに満ち、溢れている。
  私の名はフィッツガルド・エメラルダ。
  私の中にも、絶えず流れはあった。
  死霊術師達の一斉蜂起(未遂ではあるものの)である『ファルカーの反乱』。
  帝都軍総司令官アダマス・フィリダによる逮捕。
  深遠の暁による皇帝及び皇族の暗殺。

  闇の一党ダークブラザーフッドの内部抗争、そして夜母の権威と象徴としての失墜。
  様々な出来事があった。
  しかし決して世界は留まる事はない。
  ……新たな局面は始まりつつある。
  ……このたゆたう平穏の向こうで、私を待っている。






  闇の一党ダークブラザーフッドの壊滅から三日。
  ブラヴィルからスキングラードの自宅ローズソーン邸に戻って以来、私はベッドから離れられないでいた。
  風邪が悪化した為だ。

  考えてみれば当然。無理が祟ったのだ。
  聞えし者ウンゴリム暗殺の指令状入手の際に風邪を患い、次の日の聞えし者ウンゴリム暗殺、アンヴィルで裏切り者の
  足跡を探し、ブルーマ郊外にあるアップルウォッチでの会合、そして再びブラヴィルに舞い戻り決戦。
  ……疲れますって。
  高熱で私は寝込んでいた。まあ、もう大丈夫そうだけど。
  「……」
  ベッドでうつらうつらしながら、私はそろそろ夕方だろうなぁと考えていた。
  ずっと寝てる。
  いや、意識はあるのよ。
  ただ前述に戻るけど大抵はベッドで転がってる。
  そろそろ寝飽きたなぁ。
  ギュッ。
  冷たい手が、私の額に触れる。
  ……気持ち良いなぁ……。
  眼を開くと……。
  「……」
  「あっ、フィー大丈夫? 起こしちゃった?」
  「……」
  「フィー?」
  「だぁれ?」
  「誰って……フィーの大好きなお姉ちゃんじゃないの」
  「お姉ちゃんっ!」
  ガバッ。
  私は跳ね起きて、まじまじと金髪の女性の顔を見る。
  「ママが本当にお姉ちゃんくれたぁー♪ お姉ちゃん好きぃー♪」
  むぎゅー。
  抱きつく。本当にママ、お姉ちゃんくれたんだぁー♪
  「お姉ちゃんはフィーが好き?」
  「もっちろん♪」
  「じゃあお嫁さんにしてくれる?」
  「くっはぁー♪」
  「お姉ちゃんのお嫁さんになるぅー♪」
  むぎゅー。
  抱き合う。くすくす、私は大きくなったらお姉ちゃんの……お姉……はい?
  「あ、あんた何してるのっ!」
  「何って、フィーがあたしを押し倒そうとしたくせにぃー♪ いつも主導権を離さないのがフィーの信条です♪」
  「いや意味分かんないから」
  引き離し、私はベッドに腰掛けたまま額に手を当てる。
  熱で脳が腐ってるらしい。
  ……ちくしょう。
  「フィー、大丈夫?」
  「まあ、多分。……ごめんね、さっきは。熱にうなされて思考がぶっ飛んでたみたい」
  「じゃあ一生フィーは風邪でもいいよ」
  ガンッ。
  「フィーがぶったぁ」
  「うるさいっ!」
  自己嫌悪。
  はぁ。熱って怖いわぁ。まさか自分があんな風に、一時的とはいえ自分を見失うとは……。
  ふと考える。
  ここ最近風邪だったけど……まさか他の人には変な事してないでしょうね……?
  アンに聞く?
  ……。
  い、いや、やめて置こう。
  さらに自己嫌悪しかねない。聞くのはやめて置こう。
  おおぅ。

  「そ、それよりアン、前から聞こうと思ってたんだけど……どうして私なわけ?」
  「……?」
  「だから、妹なら誰でもよかったわけ?」
  「あっ、もしかして本当に愛されるのか不安になったの? フィーってば可愛いー♪」
  「絶対違うっ!」
  「ちぇっ」
  「で、何でなの?」
  「フィーならあたしの傷み、理解してくれるなって……会った時に分かった。多分、あたし達……ううん、少なくとも
  あたしはフィーに傷を舐めて欲しかったんだと思う。でも純粋にフィーの事好きだよ?」
  「そっか」
  そう言われると……弱いなぁ。邪険に出来ないじゃないの。
  計算してるとしたら、この娘かなり凄いわね。
  「そしてあたしとフィーは体を舐め合うのー♪」
  「言動がエロいわーっ!」

  結局オチはこれか。
  ……ちくしょう。

  コンコン。
  ベッドの上でアンとじゃれ合ってると扉をノックする音がしたので、私はどうぞと言った。

  ガチャリ。
  「あの、風邪は大丈夫ですか、フィーさん」
  フォルトナ。
  種族はブレトン……のはずだけど……どうも実はそうではない気がする。まあ種族はどうでもいいけど。
  もう一つの人格は自身を『アイレイドの人形姫』と称していた。
  少なくとも普通の人間ではない事は確か。
  アイレイド王家の特権である魔力を指から糸状に発し鉄すら切断する能力と、アイレイドの戦闘型自律人形マリオネット
  を意思のみで操れる能力。それは『人形遣い』と呼ばれる、能力者。
  ……。
  今現在は能力は霧消し、従えていたマリオネットのフィフスも消息不明。
  ちょっとした経緯から、今は一緒に住んでいる。
  本当はクヴァッチに行ってフィフスを探したいのが本音なのだろうけど……クヴァッチに行けばフォルトナは捕まる。
  民衆と衛兵をかなり殺してるし。
  どうもよく分からないけど、フォルトナとアイレイドの人形姫の人格は別物らしい。
  フォルトナには虐殺の記憶がないのだ。
  昔の自分のような子だから、対応は分かってる。性格的にも似てる気がする。
  本当は誰よりも怖がりなのだ。
  ……フォルトナも、私もね。
  おそらく真実を付ければフォルトナは壊れる。だから、言わない。
  能力がない事、監獄を脱獄した事、それを盾にして私はフォルトナのクヴァッチ行きを禁じた。
  例え虐殺の事実がなくてもこのご時世だ、街道を行くとはいえ能力ない子供では危険過ぎる。
  そこはフォルトナにも理解出来た。
  結局、彼女が書いたフィフスの似顔絵(特徴を捉えているだけで似てるとは言えないものの)を持ってテイナーヴァと
  テレンドリル、ゴグロンがクヴァッチに飛んでいる。
  さて。
  「おはよう、フォルトナ」
  「おはよう、って時間帯ではないですけど……その、おはようございます」
  「もう大丈夫よ」
  「よかったです。……その、エイジャさんが呼んでますけど」
  「エイジャ……ああ、そうか」
  今夜はお城で晩餐会。
  正確にはハシルドア伯爵とサシで食事するだけ。
  響きとしてはそっちの方が凄いじゃん、と思うだろうけど実際は伯爵が吸血鬼だから。必要最低限の、それも信頼出来る
  使用人しかその事実を知らない為、そして性格も手伝ってあまり派手な事がお嫌いなご様子。

  二日ほど前にお城の使いがやって来た。伯爵が食事に誘いたいと使いは言った。
  私は熱で死んでた。
  なのにエイジャ、私の容態無視して受けやがったぁー。
  それまでに治ると踏んだのか?
  伯爵と懇意の女主人、それがメイドにとっての喜びなのか?
  よくは分からないけどそんな感じで今日の晩餐は決定されたわけよ。
  概ね治ったからいいけど。
  「フォルトナ、暮らしに慣れた?」
  「ええ、まあ」
  「別に私に気を遣う必要ないからね。……まあ、この先一生私の言う事聞けば、チャラにしてあげるわ。下僕一号決定」
  「はぅぅぅぅぅぅぅっ」
  「……冗談よ。毎日楽しんでる?」
  「はい。遊びにも行ってますし、でもどっちかというと勉強頑張ってます。ヴィンセンテさんやオチーヴァさんに勉強見て
  もらってます。何かを覚えるって楽しいですね」
  「頑張り屋さんね」
  「えへへ」
  私もそうだったなぁ。
  勉強が好き、ではなかったけど……勉強すれば嫌な思い出を、思い出さなくて済む。
  それが本音だった。
  「あの、フィーさん」
  「何?」
  「あたし、恋に性別関係ないと思いますからっ! 応援してますからっ!」
  「はっ?」
  勢いで捲くし立て、そのまま早足に部屋を出て行く。
  ……あの子、思いっきり誤解してる?
  ……ちくしょう。
  「フィー祝福されちゃったね♪」
  「う、うるさい」
  「そんな照れたフィーがあたしは好きぃー♪」
  むぎゅー。
  抱き締められるのはもはや年中行事。抵抗なんてなっしんぐ。
  いや正確には抵抗が無意味なのを理解した、というだけなんだけど。

  防御体勢をかいくぐり私の胸やお尻等をセクハラ三昧のアントワネッタ・マリーに抵抗なんて言葉は意味を成さない。
  ……ただ私の名誉の為に言わせてもらうなら喜んではないです。
  おおぅ。









  やたらハイテンションのエイジャは、私に正装を着付けると大手を振って見送った。
  ……いつも冷静沈着な彼女にしては異様よね。
  スキングラード城は、スキングラード市の外にある。他の都市のように、都市の中に城が内包されているわけではない。
  道中、というほどの大げさなものではないけど兵士の護衛と先導で私は城に到着。
  城に入ると既に馴染みのトカゲの女性執事が恭しく頭を下げる。

  「こちらです」
  「ありがと」
  トカゲの執事に案内されスキングラード城の食堂……ではなく、通されたのは伯爵の私室。
  給仕されるのも煩わしいらしい。
  普通に考えれば食堂とはいえ衛兵も侍立してるし給仕も何人も侍るだろう、それが嫌で私室なのかな。
  極端な人間嫌いなのか。
  吸血鬼としてバレるのが嫌だから極力人目を避けてるのか。
  ……。
  まあ、多分どっちも当てはまるのだろう。
  さて。
  「座りたまえ」
  既にテーブルには食器が並べられており、伯爵はしたたかに酩酊していた。
  ワイングラスに半分満たされているのは真紅。
  芳醇な、高価なワイン?
  元はそうでしょうけど……あるものが混ぜてある。あれは血酒だ。
  「座りたまえ」
  もう一度勧めてくる。
  私は一礼。
  「本日はお招き頂き光栄ですわ、ハシルドア伯爵閣下」
  優雅に振舞え、とエイジャに言われてるけど……私が伯爵と懇意になると彼女に何かメリットがある?
  メイドの心情は分からない。
  私が栄達し、伯爵とも親しくなると嬉しいのだろうか?
  トカゲの執事が椅子を引く。私は座り、トカゲの執事に会釈。
  「君はワインは……いける口だったか?」
  「頂きますわ」
  ハチミツ酒の方が好きだけど。
  執事が私のグラスにワインを注ぎ、食事を並べていく。

  「それで伯爵、どうして私をお誘いに? ……まさか私の体目当て? このエロ伯爵め」
  「君は馬鹿か」
  「……いえ、ただの冗談ですけど……」

  「まったく」
  忌々しそうにクロワッサンを千切り、口に放り込む伯爵。
  そ、そこまで私は魅力的ではない?

  ……ちくしょう。
  「食べたまえ飲みまたえ」
  「抱かせたまえ。……こ、このエロめっ!」
  「だから君は脳味噌がプリンなほどに馬鹿か」
  「すいません一応は大学に研究室を持ってますし学位も最年少で全て取得してますので脳味噌はプリンではないです」

  「まったく」
  相変わらず口の悪い奴。
  人を寄せ付けないのは人嫌い&吸血鬼、というだけではないようだ。
  そもそも口が悪いから人が寄り付かない、のが現状だろう。
  1人給仕に撤するトカゲの執事を見る。

  ……苦労してるんだろうなぁ、彼女も。
  「くしゅんっ!」
  「寒いのか?」
  「いえ、そうではないです。治りかけですし」
  「何だ病か。ははは、馬鹿は風邪ひかないのは迷信か。ははは、そうか迷信か、ははは」

  「……すいません馬鹿にしてます?」
  「……? ただの世間話のつもりだがそれが何か問題か?」
  「……何でもないです」
  こ、こいつ完全に口悪さ全開ね。
  それも日々悪くなっていく。
  親しくなるにつれて伯爵は私に心を許しているのか……し、しかこんな心の許し方はどうよ?
  おおぅ。
  「食べたまえ」
  「ええ、お言葉に甘えて……そして今夜、伯爵に甘えちゃお♪」
  「……」
  「……あの、伯爵?」
  「……ふっ」
  「……っ!」
  ムカつくムカつくよーっ!
  馬鹿と言われるより鼻先で笑われた方がムカつくーっ!
  ……ちくしょう。
  それからしばらく会話は成立せず。
  伯爵は食べろと勧める割には食事よりも血酒の方がいいらしく、延々と飲んでる。
  カチャカチャ。
  私はナイフとフォークを駆使して鶏肉さんを食べ、スープを口にする。
  おいしい。
  おいしいけど……少し薄味かなぁ。伯爵は薄味好きなのかな?
  エイジャは私の好みに合わせて料理してくれるし……なるほど、自分のとこのメイドの方が優れている。
  さて。
  「それで伯爵、今夜の晩餐の趣旨は?」
  「趣旨は君と話す為だが」
  「へっ? それだけ?」
  「何か問題か?」
  「いえ、別に問題はないですけど」
  問題はない。
  ただ予想としては何か頼まれるかと思ってた。
  私トラブル招くの得意だし。……いや別に自慢出来るスキルじゃないけど。
  ただの食事。
  ただの晩餐。
  そこには何の他意もないらしい。何だ、少し拍子抜け。
  伯爵は少し照れ臭そうに、呟いた。
  「私には友人がいないからな。たまにはリラックスしたいのだ。……それが趣旨、だな」
  「うっわ伯爵ってばヒッキーだから友達いないんですね。駄目ですよたまにはアウトドア満喫しないと」
  「君は空気も読めない馬鹿か」
  「そ、その口の悪さが友達出来ない原因じゃないですか?」
  「やれやれ」
  意味は、分かる。
  立場は伯爵であり領主、隠している事は吸血病に感染し吸血鬼として生きている事。
  友達は出来ないでしょうね。
  立場。
  疫病。
  それらが他人を遠ざける。
  執事のトカゲの女性とかは理解者ではあるものの、部下。
  ハンニバル・トレイブンとは同盟相手。
  生来の人嫌いと口の悪さが合わさって、友人という関係を築けないでいるのかもしれない。
  少し伯爵が不憫な気がした。
  「ところでお前は吸血鬼になる気はないか?」
  「はっ?」
  「実は私の眷属が皆殺しにされてな。少々心許ない」
  「でも私、抗体持ってるから……」
  「そうかそうだったな。それより『月刊吸血通信』に掲載されていたのだが最近吸血鬼が襲われているのだ」
  「……」
  「どうした?」
  「いえ別に」
  こいつ話するのすげぇ下手。
  脈絡もなく話題変えないで欲しいし、何の興味もない……以前に殺伐とした会話。
  ……なるほど。話術のお粗末さも孤高を際立たせているのか。
  ……難儀なお人。
  「吸血鬼が襲われる、もしかして伯爵は吸血鬼狩られると不快ですか? 私も結構退治してますけど」
  「構わんよ。大抵の吸血鬼は獣だ、駆除の対象でしかない」
  伯爵やヴィンセンテや以前倒したヒンダリルのような高位吸血鬼は基本的に数が少ない。
  大抵は自我の崩壊した下級吸血鬼が一般的だ。
  獣。
  そう、伯爵が言うように大半の吸血鬼は血への渇望に支配されている獣に過ぎない。
  そこは既に同情の対象ではない。
  病気だから、ではもう済まない。躊躇わず殺す。
  「それで伯爵、吸血鬼が襲われてる……それって珍しくはないでしょう?」
  「襲われ方が珍しいのだ。吸血鬼が吸血されて殺されてる。ミイラ化しているのだ」
  「共食い?」
  「そうなるな。まだ詳しい事は分からんがな」
  「ふーん」
  世の中、色々な事が起きてるらしい。
  闇の一党関連が終わったから、これからはどんな冒険をしようかな?
  「ところで伯爵、新しい皇帝って決まらないんですか?」
  「皇族は暗殺騒動で根絶やしにされたからな。皇帝は殺され、三皇子も殺され、世継ぎもいない。……今現在は
  元老院のオカート総書記が治世の権を振るっているが今後どうなるかは私も知らん。それに興味もない」
  「ふーん」
  皇帝死す。
  私も当事者。脱獄の際に、皇帝とその取り巻きである帝国最強の親衛隊ブレイズと遭遇した。
  しかし皇帝は『深遠の暁』と呼ばれる集団に殺された。
  深遠の暁は、ヴィンセンテ曰く『カルト集団』らしい。オブリの魔王を信仰する連中。
  皇帝は最後に言った。
  自分の後継者であるマーティンを探せ、それが運命だ。
  ……はっ。ふざけんな。
  思うように動いてやる義理はない。
  それに、おそらくは愛人の子供で、政争避ける為に赤子の時に放り出したであろう『マーティン』の為にも探さない方
  がいいのだ。後継者全部死んじまったから仕方ない、お前に帝位を譲るよ……という腹積もりでしょう?
  マーティンの為にも探さない方がいい。
  ……。
  まあ、この広い世界、名前だけで探せる道理はないけど。
  もしかしたらすれ違うぐらいはしてるかな?
  まあ、いい。
  「ところで伯爵、先程私を友人と仰いましたけど……私はお友達?」
  「不服か?」
  「……その上から目線と口の悪さなかったらね」
  「ふむ。お前のように吸血鬼に偏見もなく、トレイブンの養女であり、私の性格も嫌うでもない。それに妻の為に尽力してく
  れたしな。私はお前を友と認識している。君のような馬鹿に心許すとは、私はどうかしてるかな? ははは」
  ……微妙に誉めてない気がしますけど。
  ……ちくしょう。








  世界は平穏に回っている。
  ……例え皇帝なくとも。
  ……例え誰が死のうとも。
  世界は絶えず動き続ける、人の死を飲み込んで世界は時を刻み続ける。
  たゆたう世界。
  たゆたう平穏。
  皇帝の、ダゲイルの預言した未来は訪れていない。
  戯言?
  いや、もしかしたら胎動は続けているのかもしれない。不穏と混乱、動乱と混沌の日々はゆっくりと胎動し続け、いずれ
  来るであろうその日を待ち続けているだけなのだろうか。
  世界は回り続ける。
  世界は回り続ける。
  世界は回り続ける。
  ……例え誰が死のうと、どれだけ死のうと回り続けるのだ。預言された日が来ようとも過ぎようとも回り続ける。
  ……ただ、それだけの事。
  ……ただ、それだけ……。