天使で悪魔
黒蟲教団 〜VS四大弟子ファルカー〜
剣は心を鍛える。
剣は命を奪う。
様々な思いを秘めて剣は、様々な物語を作る。
そして勝者と敗者を分けるのだ。
「ここが俺の部屋だ。……正確には剣術の練習場だな。よく来た、歓迎しよう」
「ここで戦うつもりですか?」
「そうだ。不服か?」
「いいえ。ありませんっ!」
あたしはファルカーと名乗るミスリル製の鎧に身を包んだアルトマーの先導で広い空間がある場所にまでやって来た。もちろん相変わらず洞穴の中。
岩肌には無数の剣が立て掛けられたり飾られたりしている。
何本ある?
うーん。
正確には数えてないけどおそらく30振りぐらいはあるんじゃないかな。
「すぐにでも始めるか? それとも少し話でもするか?」
「時間はありません、すぐに始めましょうっ!」
すらり。
腰に差してある銀のロングソードをあたしは静かに引き抜く。
そう。
時間がない。その理由としては2つある。
1つは外の状況だ。魔術師ギルド、戦士ギルド、シャイア財団、この三つの組織の連合軍が死霊術師の組織である黒蟲教団の大軍団と対峙している。
ううん、現在既に戦争は開始されている。戦闘ではない、あれは戦争だろうと思う。
人間の数では連合軍が勝っているものの向うには3000体で構成されたアンデッドの大軍団がいる。
とてもじゃないけどまともにぶつかれば負ける。
数で押されたら勝てない。
地形が利用できればまだ分があるのだろうけど戦場の舞台になったのは見晴らしの良い雪原。利用出来る地形もないし身を隠す場所もない。
つまり数の差が出易い地形といえる。
だから。
だから早く決着を付ける必要がある。つまり敵の首脳部を潰す事だ。
幹部を倒す必要がある。
そしてもう1つの理由がフィッツガルドさんの援護。
あたしは魔術師系の伝説や物語はよく知らないけど、虫の王は伝説級の大魔術師であり死霊術師の祖、世界最古のリッチマスター。フィッツガルドさんは
強いけど相手は悠久の時を越えて今なお存在する神話級の人物。1人じゃ苦戦するのは必至。
早く幹部倒してあたしも合流しないと。
「死に急ぐか。面白いな」
「死ぬつもりはありませんっ!」
「元気が一杯で大変よろしい。しかしそういう者から淘汰されていくのだよ、この過酷で残酷な世界はな」
あたしは銀のロングソードを構えている。
相手はまだ剣を抜いてすらいない。
死霊術師の幹部だから凄い魔術師かと思ってたけどファルカーは見る限りでは剣士タイプだ。山彦の洞穴の入り口前にいた幹部も剣を使ってたから
必ずしも魔術師という決まりはないのかもしれない。だとしたらやり易いかな。
生粋の戦士であるあたしにしてみたら武器での戦闘の方が分があるからだ。魔法でこられる方が怖い。
もちろんあたしにはあたしで奥の手がある。
背中に差してある魔剣ウンブラだ。
魂を食らう魔剣。
おそらくはシロディールでも随一の魔剣なのだろうけど……あたしは少なくとも出来るだけ使わずにいる。
何故?
だって魂を食らうんだよ?
魂が失われれば輪廻転生が出来なくなる。幾らなんでもそれはあまりにも非道だと思うかせ使わずにいる。もちろん使う時には使うけどね。
クヴァッチ闘技場でも使ったし。
「もう一度改めて名乗るとしよう。俺の名はファルカー。猊下の高弟である四大弟子の一人だ。お前の名は?」
「アイリス・グラスフィルですっ!」
「アイリス……そうか、お前がか。お前の名は聞いているよ」
「そうですか」
静かにあたしは言う。
だけど内心では『ひゃっはーっ!』的なまでに舞い上がっていた。名が売れてきている証拠だもの、つまりはね。
確かに今まで色々な戦いに参加してきたから名が売れてきてるんだろうなぁ。
白馬騎士団。
クヴァッチ闘技場。
この2つの戦いは大きいと思う。特にクヴァッチ闘技場では最後まで勝ち抜き、現在のあたしはグランドチャンピオンだし。
知名度の点ではエンターテイメント性の高い帝都闘技場のグランドチャンピオン(フィッツガルドさんのこと)よりも低いだろうけど格式と伝統の上では
クヴァッチ闘技場のグランドチャンピオンの方が上。
あたしも名が売れたんだなぁ。
やったー☆
「お前の噂は聞いていたよ。モグラの中のモグラ、ナイツ・オブ・モグラとはお前の事かっ!」
「……」
こんなノリばっか。
こんなノリばっかーっ!
ナイツ・オブ・モグラって何っ!
モグラの騎士はただ馬鹿にされているだけだと思うのはあたしの被害妄想でしょうか。
はぅぅぅぅぅぅぅぅっ。
「お前がアイリス・モグラフィルか。なかなかの剣の遣い手と聞いている。ふふふ、実に楽しみだな」
「……無駄だと思いますけど一応訂正しますアイリス・グラスフィルです」
モグラフィルじゃないのにーっ!
「言っておくがモグラの騎士よ、俺は黒蟲教団随一の剣術を自負している」
「そうですか」
言葉の信憑性?
さあ。分からない。
実際に剣を交えてみない事には何とも言えない。同じように宣言した洞穴の入り口前にいた四大弟子のダンマーも同じような台詞を言ってたなぁ。
こいつはどうなんだろ。
口だけ?
それとも……。
「もう一度名乗ろう。俺は四大弟子の1人、虫の操者ファルカーだっ!」
「虫の……そうじゃ……?」
妙な称号だなぁ。
あたしはそもそも魔術師じゃないし魔術師ギルドとも何の縁もない。もしかしたらよくある称号なのかなぁ。
まあ、いいや。
そのままファルカーは高言を続ける。
「愚かなるトレイブンの支配はついに終わったっ! さあ、これより猊下の支配が世界を包むのだっ!」
「……えーっと。魔術師ギルドは今そういうクエストの途中なんですか……?」
「……空気読め、空気っ!」
「す、すいませんっ!」
魔術師ギルドと黒蟲教団の抗争の内情は分かりません。
そういう台詞を吐かれてもちょっと意味不明。
「愚かなるトレイブンの支配はついに終わったっ! さあ、これより猊下の支配が世界を包むのだっ!」
「あたしが必ず阻止してみますっ!」
「掛かって来るがいい。モグラの騎士よっ! 阻止したくば我が剣を越えてみろっ!」
「望むところですっ!」
……。
……意外にファルカー、良い人なのかなぁ。わざわざ展開やり直してくれたし。
さて。
「はあっ!」
「ほほうっ!」
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
刃を交える。
ファルカーが鞘から抜き放った剣は淡く光っている。何かの魔力剣らしい。あたしの銀のロングソードも元々は魔力剣だったけどクヴァッチ闘技場の
戦いで現在は魔力を失い普通の銀の剣。剣の腕に魔力は関係ないけど、やはり魔力剣は威力が高いし受け止めると重い。
「くっ!」
「どうした、モグラの騎士っ! 雷のように鋭い一撃でモグラを退治するという噂はデタラメかっ! それとも農民達に指導するばかりで最近は自ら
モグラ退治をしていないから腕が鈍ったのか? 実に期待外れだよ、そんな腕でモグラが退治出来るのかっ!」
「くぅぅぅぅぅぅっ!」
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
次第に押されていく。
相手の腕は高い。少なくともハッタリではない腕前だと思う。ファルカーの力量はあたしの知る限りでは……そうだね、ブラックウッド団の団長リザカール
というカジートと互角ぐらいの腕前だと思う。リザカールは凄腕の傭兵として名を馳せた人物。そいつと互角ぐらいの腕前だからファルカーは強い。
あたしはブラックウッド団との最終決戦の際にリザカールに勝てなかった。
つまりファルカーに勝てない?
さあ、それはどうかなっ!
腰を沈めてあたしは鋭い一閃を放つ。
「やあっ!」
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
ファルカーの剣を弾く。
自分でも鋭い、良い一撃だったと思う。ファルカーの魔力剣は宙を舞う。あたしはさらに次の一手の為に間合いを詰める。
ブン。
一撃を回避しつつファルカーは後退。
だけど。
だけどそれで詰みっ!
「ここまでですっ!」
「ほほう?」
銀のロングソードの切っ先はファルカーの喉元に突き付けられている。武器を失い、動きを封じられたファルカーは止まった。
動けば不本意だけどこのまま刺す。
あたし的には勝敗の決した相手を殺すのは好きではないけど……抵抗するなら仕方ない。その時は喉を突き刺すまで。
ファルカーは止まった。
だけど顔は敗者ではなかった。不敵に笑みを浮かべている。
何か策があるのだろうか?
「さすがはモグラの騎士、攻守を瞬時に逆転するとはね。ふっ、それがモグラ退治に役立つという事だなっ!」
「……すいません出来たらモグラ抜きにして貰ってもいいですか?」
あたし=モグラ?
死霊術師の大組織にもそれが浸透しているのであれば……あたしってもしかしてお笑いキャラとして確立されてるわけっ!
イジメ?
イジメなの、これ?
はぅぅぅぅぅぅぅっ。
「わずかな隙を衝いて反攻に転じるとはなかなかやるな。お前にその気があれば最後の一手で俺は殺されていたってわけだ。それで?」
「はっ?」
「それでこの俺にトドメを刺さずにどうするつもりだ? 命乞いでもして欲しいのか? それともサディスティックに嬲り殺すのか?」
「降伏してください」
「降伏? 随分と甘いんだな」
「無用な殺しはあたしの本位ではありません」
「面白いな、お前」
「そうでしょうか?」
「言っておくがな、モグラの騎士。俺はお前が思っているよりも……」
「……」
「お前が思っているよりも強いっ!」
「……っ!」
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
振り向き様に剣を振るったのは、無意識の行動に過ぎなかった。
ある意味で本能。
空気を裂いて向ってくる鋭い一撃を耳で感じ取り剣を振るったに過ぎない。
何を弾いたかは分からない。
ただ、金属の何かを弾いたのは確かだ。
そしてそれは……。
「剣?」
地面には1本の転がる剣があった。
ファルカーは悠然とした足取りであたしから数歩後退した。そして奴を見てあたしは絶句する。ファルカーの周辺には無数の抜き身の剣が浮いていた。
切っ先は全てあたしに向いている。
その数、30ほど。
そして気付く。
飾られていた、立て掛けられていた無数の剣は全て鞘だけになっている。
中身?
宙に浮いているのがそうだろう。
「黒蟲教団所属、それすなわち俺もまた魔術師という意味合いだよ。剣術の方が得意だが魔術が使えないとは一言も言っていない」
「……念動」
「ほうっ! 魔道には詳しくなさそうだが、そうだ、その通りだ。この剣は俺が念動で操っている。これこそが猊下から授かった力なのだよ。無数の剣を
同時に操るなど並みの魔術師では出来ぬ芸当。しかし四大弟子の一人であるこの俺は違うっ!」
「虫の操者とはそういう意味なんですねっ!」
「そうだ。さあ、死ねっ!」
「……っ!」
奴があたしを指差すと無数の剣があたしに向って突き進んでくる。
全てを捌くのは不可能っ!
「煉獄っ!」
ドカァァァァァァァァァンっ!
あたしはとりあえず1発だけ魔法を放つ。魔法は1本の剣にあたり小爆発。そしてそのまま横に飛んだ。念動という魔法で動かしている以上、ファルカー
の視界が命中率の要となっている。爆炎と爆風でファルカーの視界は一時的に奪った。横に飛んでゴロゴロと転がりながら体勢を立て直す。
そして間合いを詰める。
剣は爆炎の中を空しく通り過ぎた。
やっぱりだ。
剣を操るのに視界を頼っている以上、爆炎で一時的に奴の視界から消えたあたしに対する攻撃は空しく通り過ぎたのみ。
タッ。
走る。
走る。
走る。
ファルカーは剣の遠隔操作に絶対の自信があったのだろう、自身は剣を帯びていない。
今なら勝てるっ!
「剣を操るだけが念動ではないぞ、下がれ、モグラっ!」
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
あたしは吹っ飛ぶ。
奴が手のひらをこちらに向けた瞬間、あたしは吹っ飛んだ。
不覚っ!
念動は剣を操るだけではないのだ、簡単な話だ、あたしは奴の念動で吹っ飛ばされた。
それだけではない。
「自ら命を断て、モグラっ!」
「くっ!」
カタカタカタ。
手にしている銀のロングソードの刀身が揺れる。ゆっくりと、ゆっくりとその刀身をあたしの首筋に当てる。
自分の意思ではない。
奴の念動であたしの体が操られているっ!
体の意思が効かないっ!
両手で銀のロングソードを握る手を必死に開こうとするものの、抵抗しようとするものの、あたしの意思は無視されている。肉体が奴に支配されている。
死ぬの?
ここで……。
「あっ」
気付く。
奴は念動であたしの体を操っている。そう、『念動』だ。つまり体の意思を奴の魔法で操られているだけで、自由を全て奪われているわけではない。
口も利けるし魔法もきっと放てるっ!
「煉獄っ!」
柄を握っている手の中で爆発が起きる。
ドカァァァァァァァァァンっ!
あたしはダンマーだから炎に対して抵抗力がある。ソロニールさんに以前貰った魔力アイテムでさらにそれは強化されているものの……やはり手は痛い。
もっとも手が使用不能になったというほどではなく一時的な麻痺だ。
ともかく。
ともかく銀のロングソードの柄が吹っ飛んだ。柄を失った剣は当然地面に落ちる。あたしの手の中には何もない。
「ちっ!」
ファルカーは舌打ち。
瞬間、あたしに対する念動が解けた。しかし危機は去ったわけではない、宙に浮かぶ無数の剣は軌道修正して、あたしに向ってくる。
どうやら操る剣の群れに全ての力を注いでいるらしい。
的確に。
鋭利に。
それらの剣はあたしに向ってくる。
「死ね、モグラっ! 剣の舞っ!」
「死ぬのは断固として拒否しますっ!」
すらり。
背に差している鞘から魔剣ウンブラを引き抜く。
ぶぉん。
怪しい光を放ちながら、魂を食らう魔剣が周囲を威圧しながら引き抜かれる。ファルカーはギョッとした。
「ウンブラかっ!」
そこには動揺があった。困惑があった。
だけど。
だけどどこか歓喜もあった。
それは何故?
その間にも無数の剣はあたしに迫り来る、抜き身の刃はあたしに降り注ぐ。避けきれない。避けきれないのであるならばっ!
全部叩き落とすっ!
「やああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンっ!
刃を振るう。
力の限り刃を振るう。
何故だろう?
不思議と念動で操られた剣の軌道が分かる気がした。
魔剣ウンブラで弾き返す刃は全て粉々となる。これは別に魂を食らうとかは関係ない、粉々になったのはウンブラの威力の高さの証明だ。
無差別に降り注ぐ無数の刃。
あたしは精神を集中して的確に、明確に、刃を撃墜していく。
剣を握っていると不思議と心が落ち着く。
そう。
何故ならあたしは戦士だからだ。剣は自分の体の一部、精神さえ落ち着ければ……危険も危険ではない。あとは自分を信じるだけだ。
そして勇気。
今、必要な代物をあたしは全て持っていると自負している。
「はあはあ」
金属の音が途絶えた。
「……貴様、化け物か」
「はあはあ」
刃を全て叩き落した。ファルカーの操る全ての刃を叩き落した。自分でも信じられない、ほとんど無意識だった。
「面白いな、お前なら勝てるかも知れんな」
「えっ?」
「お前らの能力は把握しているつもりだ。お前なら猊下を……いや、あの悪魔を殺せるかもしれんな」
「どういう……」
「隙だらけだぞ、馬鹿めっ!」
「……っ!」
あたしの手から魔剣ウンブラが離れた。奴の念動だ。奴はそのまま魔剣ウンブラを自分の手元に遠隔操作する。
武器を奪われたっ!
ザシュ。
「……えっ?」
魔剣ウンブラはそのままファルカーの手の中に収まる事なく、ファルカーの胸元に突き刺さった。
あたしは何もしていない。
ファルカーのミス?
いや。
「どうして自分でっ!」
「お前に賭けてみる事にした。オッズ的にどうなのかは、分からんがな」
「えっ?」
「フィッツガルド・エメラルダの能力は知っている。そしてお前の能力も今、知った。残りの2人も強いんだろうな、きっと。何より魔剣ウンブラ、こいつがでかい」
「どういう事ですか?」
「お前らならあの悪魔を殺せる、そう賭けてみた」
「どうして?」
「俺は生き飽きたのさ、モグラの騎士よ。死んでも死んでもあの悪魔に復活させられる。他の弟子どもはそれで満足かも知れんが俺は真っ平なんだよ。
まあ、カラーニャはそもそも俺達とは別次元の存在だから、俺の感情など理解は出来ないだろうがな」
「魔剣ウンブラの特性を知った上で……」
「当然だ。くくく。魂さえなければ俺はもう生き返らない。……これでいい。これでいいのさ。お前達なら連鎖を終わらせれるだろう」
「……」
「終わらせろ、悠久の呪縛をっ!」
「……はい」
「す、少なくとも、人は不老不死など望むもんじゃあないよ。そいつは、ただの……悪夢でしか……」
ドサ。
ファルカーはそのまま崩れ落ちた。
この戦いはあたしに対する試験だったのだろうか?
ただ言えるのは彼はずっと待ち望んでいたのだ。虫の王から自分を解放してくれる者達の存在を。あたしがその存在になれるかは分からない、だけど
フィッツガルドさんの力となって戦おう。そしてそうする事でファルカーの願いを叶えられるのかもしれない。
敵だった。
彼とは敵だったけど、あたしは強く頷いた。彼の死体の前で。そして誓おう。
「必ず倒すと約束します」
四大弟子の1人、虫の操者ファルカー撃破。