私は天使なんかじゃない
宣戦布告
それは新たな動乱の始まり。
要塞。
国防総省である旧ペンタゴンは現在はBOSが本拠地としており、要塞と呼ばれている。
私を迎えに来たベルチバードはここに向かう……はずだったのだがそのまま作戦展開の現地への直行便と化した。
……。
……それが狙いか？
ありえる（泣）
空中では逃げようがないし。
そして付いた先が……。
「はぁ」
バニスター砦。
旧タロン社の本拠地で、現在はBBアーミーの本拠地。組織の主軸は旧タロン社みたいだけど、ジェファーソン決戦の際に各部隊は勝手に撤退し、各部隊の指揮官はそれぞれにタロン社の肩書を
今だに名乗っていたり、全く別の集団になっていたりで、全員が全員BBアーミーに鞍替えしたわけではない。となると大半は現地採用組か。
「よっと」
着陸したベルチバードから降りる。
ここがバニスター砦か。
上空から見た限りでは周囲は金網フェンスに囲まれた敷地で、敷地内にある戦前の建物は全て枠組みしか残っていない。軍用のテントが幾つか設置されていたけど、それでは兵員の収容が出来ない。
となると地下に大規模な施設があるのか。
着陸したベルチバートは3機。
鹵獲したのは5機だから、3機とは結構な投入だ。
それぞれの機には6名搭乗。
パイロット以外が降りる。
「展開」
『了解しました、センチネル・リオンズ』
BOS兵士が展開する。
当然ながらBBアーミーも展開はしているけど、攻撃の準備ではない。ここに来ることは既に通達済み。別に不意打ち、というわけではない。
あくまで話し合いの為の来訪だ。
表向きは。
「ふぅ」
弾丸はBOS持ちで補給してあるけど、体力がなぁ。
空輸は疲れます。
「サラ、どうするの？」
今回指揮を執るのはサラ・リオンズ。
表向きは視察だけど、全員が完全武装。
そう。
あくまでも表向きなのだ。
核発射が事実ならBBアーミーも今回のBOS介入は望まないだろう。かといって現在は共同体に深く入り込んでいるし、共同体とBOSは既に切っても切れない仲。視察を無碍には断れないし、断れない
のであれば表向き平和的に終わらせたいだろう。私としてはここに核があるという証拠は何も知らない。
あくまでサンディ大尉がそう言ってたからであり、また見ぬSEEDとかいう連中がここにあると断定したという話を聞いただけ。
SEEDに関しては移動中にサラに聞いた。
核解体の組織、らしい。
正確には世界を今度こそ完全に吹き飛ばしかねない大量破壊兵器を解体している組織。
まあ、今度核戦争したら今度こそ世界は終わるわね。
何でも駒の世界にはいまだに核が発射準備状態のままの施設も多々あるらしい。BOSの系統組織、というわけではなく、ある意味で共存関係の模様。
BOSが戦前の施設を焦り、テクノロジーを確保する、その際に核が作動、それを解体する為にSEEDが現れる、ということを何度か続けている内に今の関係になったようだ。
……。
……BOSヤバくね？
ピットの街を見る限りでも……まあ、BOS批判は別にいいか。
ともかくSEEDに関しての予備知識はゲット済み。
ただ、私たちとは同行せずに別行動でここに向かっているようだ。
メガトンの核に関しては発射可能状態ではなかったこと、コンスタンティン砦という場所に大量の核があった為優先順位が低かったこと、ルーカス・シムズが市長になる前でメガトンでカルト教団が
力を持っていた為に解体できなかったこと、などの理由でずっと後回しになっていたようだ。
あっ。
そういえば要塞で会おうとサンディ大尉たちは行ってたけど、こっちに直行してしまった。
私の意志は皆無でしたけどねー。
要塞にいるのかな？
要塞に行けば会えたんだろうけど、そのままここに直行したからなぁ。
「サラ、それで、どうする？」
「代表に会うわ」
「でしょうね」
「仕切るのは私がするから、ミスティは黙っててくれていいわ」
「どうも」
楽でいいですね。
だけど。
「私は私で用があるんだけど」
「オラクル、だっけ？」
「そう」
移動中にベリー家のことは話してある。
オラクルは仕留める。
それが妙なことに巻き込まれた私のけじめのつけ方だ。
「サラ、戦闘は想定してる？」
「ベリー家のことで？」
「さすがにそれだけのことで核ミサイル発射はないでしょ。核発射は別の思惑がある。そう、エンクレイブの。その上で戦闘はあると思う？」
「可能性はあるわ」
エンクレイブが背後にいる。まあ、戦闘になるだろうけど、相手はどこまで化かそうとして来るかな？
だけどとりあえずは話し合いだ。
罠？
かもね。
私らを招き入れて一問答無用で網打尽にする？
可能性はあるけど、話し合いはあるだろ。例え騙し討ちにして私らを皆殺しにしても、あくまで私らは少人数であって、BOS本隊でも何でもない。殺すメリットはそんなになさそうだけどなぁ。エンクレイブ
的にはありだろうけど、BBアーミー的にはあんまりメリットない気がないんだよなぁ。
「主、元気出してください」
「今日一日の日程が濃すぎて辛い」
長い。
長い一日がぁっ！
①オアシスのハロルドの元にザ・マスターやスパミュの成り立ちを聞きに行ってた。
②ガルシア関連でギルダー・シェイドからの呼び出し。私が着いた時にはガルシア逃亡済み。
③シドニーから和解の申し込み。メガトンに着いたらデリンジャーとガンスリンガーが争ってた＆12の刺客の1人のイーターが出現したっぽい。
④オラクルを誘拐したシドニー＆エマラインに呼び出されてクライスラスビルへ。
⑤ベリー家との戦い＆BBアーミーの乱入。
⑥ロケットマンの介入。
つ、疲れる。
それが1日の間の出来事とか疲れるだろ働き過ぎだろ。
それに今から、その⑦が開始とか酷使し過ぎだろ。
神様の馬鹿ーっ！
ごろごろ。
「うー」
お腹痛い。
何か変な物食べたり飲んだり……してないとは……言えないなー。基本この世界の食べ物は放射能入りだったり200年前のものだったりだし。
でも今日は何も……ああ、青いコーラ飲んだか。
ヌカコーラ・クアンタム。
青い兵士の一団がこちらを遠巻きに見ているが銃口は向けていない。
サラが叫ぶ。
「代表に会わせて欲しいっ！ 私はサラ・リオンズ、精鋭部隊リオンズ・プライドの隊長よっ！」
バニスター砦内部。
私たちは中に招き入れられる。思っていた通り砦は下に下に伸びている、地下施設だ。かといってボルトのような作りというわけではない。
ところどころ錆び掛け、朽ち掛け、古びた穴蔵だ。
壁は鉄、かな。
BOS兵士たちの大半は外で待機。
内部の通路を歩くのは私とサラ、グリン・フィス、パワーアーマー兵士2人と少人数。
ここはBBアーミーの本拠地。
駐留している兵隊はごろごろしてるだろう。
その気になれば？
まあ、皆殺しは出来るでしょうね。
ただBOSも馬鹿ではない。
あくまで話し合いを前提としているから少人数でここに来ているけど、サラたちはあくまで先遣隊に過ぎない。現在陸路で部隊が向かっているとのこと。その数100名近く。増援がただの兵士ならとも
かく、向かっている増援全てがパワーアーマー着用の兵士100名だから例え数の上でBBアーミーが勝っていても喧嘩にはならない。
さて。
「ここでお待ちください」
「どうも」
案内してくれた兵士が退室する。
ここで、ねぇ。
がらーんとした部屋。
元々ここが何の施設かは知らないから何とも言えないけど、運動系の部屋だったのか？
ここも材質も鉄、扉もだ。
めちゃめちゃ広い。
部屋の端にはブルーシートで被われた何かがある、無数に。
扉は1つだけ。
つまり出入り口は私らが入ってきたところだけ。
……。
……あれ、これってヤバくね？
カチャ。
あれ、鍵閉まる音がしてね？
BOS兵士がノブを回すものの回らない。
「主、これはフラグ成立では？」
「言わないで」
「主、これはお約束……」
「シャラップっ！」
「ぎょ、御意」
「……はぁ。ミスティがいるとろくなことにならないわ」
「私を見てため息つかないでサラっ！ 大体私は、立候補してここに来たわけじゃないしーっ！」
「はいはい」
くっそ。
面倒な展開は私の所為かよ。
だけど別にここまで武器没収ってわけでもない。これだけ広いんだから離れて扉にグレネード弾叩き込めば簡単に脱出できる。相手も武装を解除させずにここまで通したんだから何らかの意図が
あるにしても、一応は話し合いが出来るだろう。解決に向かわないにしてもある程度の情報は引き出せる。
武力行使はその後だ。
とはいえムカつく展開であることは事実だ。
わざわざ閉じ込めるんだ。
何らかの催しがあるんだろうなぁ。
あー、嫌だ嫌だ。
「主」
「何だーっ！」
八つ当たりです。
お腹はごろごろ、痛いです。
原因はクアンタムか？
「その、あれは何でしょうか。血の匂いがします」
「血？」
指差された方はブルーシードの方。
サラが兵士たちに指示して覆われたシートを剥すように言う。ゆっくりと兵士たちは近付き、シートを引き剥がした。
死体。
死体。
死体。
そのシートの下にあるのは全部死体。
白衣だったり軍服だったり裸だったりと恰好はまちまちの死体。白衣は白衣だし、裸は裸だけど、軍服の色は見覚えがある。その形状も。
これは……。
「サラ、これってエンクレイブの死体じゃない？」
「私もそう思う」
死体に近付いて検視する。と言ってもざっと見るだけだ。
見た感じ死後数時間と言ったところか。
出血死なのかもしれないけど、その原因は銃創。
どういうことだ？
「実はBBアーミーは核発射をしたくない？」
「それは分からないけど、ミスティ、SEEDはミスをしないわ。連中が嗅ぎ付けたんだから確実に核発射の兆候はある」
「BBアーミーは脅されてた、という見解は？」
「ないわ。ここは連中の拠点よ。エンクレイブのじゃない。脅されていたにしても、発射直前まで手を打たないのは意味が通らない」
「SEEDを評価してるのね」
「彼らには実績がある。SEEDという機関を我々BOSは高く評価している。今も、潜入しているわ。まだ連絡はないけど、きっと何かを掴むわ」
「ああ、これはフェイクか」
時間稼ぎの会談、ね。
なかなか手の込んだことをする。そして豪胆だ。
私を呼んだのもその為か。
招かれてはいれるのは少数、だからサラは私らを指名したのか。もちろん私は私でオラクル絡みの用がここにあるから、入り込めたのはある意味でラッキーではある。
こういう状況でない限りは易々と入れないだろうし。
その時……。
「突然の来訪だけがミーはユーたちを歓迎してるザンス」
室内に響く声。
声は男。
聞いたことのない声だ。
声はするけど、どこにもいない。
「スピーカーか」
「赤毛のお嬢さん、若干違うザンスよ。ちゃんと声も聞こえているし……」
「姿も見えている、ね」
赤毛だと言い当てた。
どこかにカメラがあるのか。
だけどこの歓迎の仕方が分からない。
罠？
罠だとしても、エンクレイブの死体をここに並べる理由は何だ？
お前たちもこのようにしてやるぜという脅しというわけでもないだろう。いや、その意味もあるのか洩れしないけど、何故核発射の後押しをしていたエンクレイプを殺しているんだ？
「私はリオンズ・プライド隊長のサラ・リオンズよ。何をするつもりなの？」
「来訪を歓迎するザンスよ。ミーはブルー・ベリー大佐、BBアーミーの最高権力者ザンス。カール大佐が馬鹿やってエンクレイブに付いたお蔭で四散した組織を復興するのは大変だったザンス」
カール大佐、か。
そういえばカールのことをすっかり忘れてたな。
ジェファーソン決戦の際にタロン社を捨てて姿を消したあの権力大好き男はどこで何しているのやら。
「率直にお訊ねするわ」
「良いザンスよ、サラ隊長」
「核の発射をしているとか」
どストレートだな。
だけど相手も来訪の理由は分かってる、核発射直前とも言われるタイミングで来ているんだ、分からないわけがない。
はぐらかすか？
それとも……。
「エンクレイブに脅されていたザンスよ。科学者を後れこまれたザンスけど、そこにいる連中ザンス。勇気を振り絞って反逆したザンスよ」
白々しい。
本当？
嘘？
私たちと直接面会せずにここに押し込め、鍵を掛けられ、スピーカー越しに話しているだけの相手だ。白々しいと言うしかない。
だけどエンクレイブに反逆したというのは本当だろう。
ここに死体があるのだ。
フェイク？
それはないと思う。
私には関係ない死体をエンクレイブだと称し、その上で私らをここに閉じ込める理由が分からない。
「大佐、聞きたい答えじゃない。核発射準備はどういうつもり？」
「知らないザンスよ」
「SEEDが入ってる、それはない」
よほど信用できる連中なんだな、SEED。そして潜入を隠そうとせず、わざわざ公言しているということは……サラは一悶着を既に想定した上での発言だ。例えSEEDを知らないにしても、大佐は砦に
部外者が入り込んでいるのも今ので知った。情報漏洩がサンディ大尉のような大佐に付いて行けない層の密告だけでないことを知った。
さて、どう動く？
「知らないザンスよ」
ふぅん。
白を切るんだ。
でも悪い手じゃない。言い訳考えてペラペラ喋るよりはよっぽどマシだ。もちろん疑惑は消えないんですけどね。
「私からも話があるんだけど。別件で」
サラは手詰まりだ。
私が話しても問題ないだろ。
大佐は完全に白を切ってる、言い訳をするつもりもない、会話にはならないんだから私が話してもいいだろ。
完全に相手は何かを待ってる。
時間稼ぎ、そうね、これは時間稼ぎだ。だとしたら私の話には付き合ってくれるはずだ。まともな回答があるかはまた別だけど、核発射に比べたら些細なことだ。そんな些細なことではBOSもさすがに
強行には出られないと大佐も分かってるはず。今のところはまだ敵対までは行っていない、だからBOSも疑わしいからといって攻撃には動けない。それは大佐も分かってる。
でもこのまま帰すつもりもないんだろうな。
そうじゃなきゃ閉じ込めない。
何かを待ってる。
何かを。
大量の兵隊を乱入させるのか、それとも滅茶苦茶強い誰かをここに送り込む時間稼ぎなのか。
さてさて、どっちだろ。
「大佐、質問いい？」
「別件の話とはなんザンスか？」
「オラクル・ベリーについて」
同じベリー姓。
偶然？
クライスラスビルにBBアーミーが来たのは、まあ、依頼で来ただけと言えば通じるけど……さすがに出来過ぎてる。ここなら私の脳摘出＆オラクルの脳移植手術を出来るだけの電力もある。何しろ
核発射の準備できるぐらいだし。そしてポイズンが移植手術が出来るだけの腕もあるの話だったし、これだけの規模の砦だ、手術室ぐらいあるだろ。
最後の手術室に関しては憶測だけど、残り2つの条件は揃ってる。
ここで当たりのはずだ。
「オラクル？ ああ、あのチャイルドのことザンスか。ミーのワイフのブラッドの祖先らしいザンスよ」
「ワイフ？ 奥さんか」
ブラッド・ベリー、か。
どうやらまだベリー家はいるようだ。
「オラクルはどこ」
「あいにくミーは婿養子ザンス。殺し屋稼業、知ってるザンスよ。オラクルも知ってるザンス。部下を送った……ああ、それで怒っているザンスね。そうザンスか、赤毛の冒険者とはユーのことザンスか」
「どうも」
私も有名になったものだ。
だけど、今の発言から憶測するとオラクルとは別に面識はあったけど仲間というわけではなく、ましてや暗殺一家としての立場ではないようだ。あくまで婿養子として、縁続き的な繋がりというだけで
支援していたというだけか。本音かどうかは知らないけど、ニュアンスとしてはそう匂わせている。
さらに突っ込んでみる。
「仲良し一家、というわけではなさそうね。彼はどちらに？」
「分からないザンスよ。ワイフほど、ミーはベリー家との繋がりがあるわけではないザンスからね」
「ふぅん」
ここにはいないのか？
だとしたら奴はどこに行ったんだろう。
分からない、か。
「心当たりは？ 奥さんに聞いた？」
「残念ながらワイフも行方不明ザンスよ」
「これは失礼。じゃあ別の質問。ここって手術室ある？ 滅菌された場所は？」
頭を開いて脳を入れ替えるんだ。
滅菌された場所が必要だ。
「……？ ないザンスよ」
嘘、ではないのか？
となるとオラクルには別の巣があるのか。
どこだろう。
ガチャ。
その時、扉が開いた。
そして大佐の声が室内に響き渡る。あくまでスピーカー越しだけど。
「残念ながらタイムオーバーが決定したザンス。あくまでクライアントの要望であって、ミーは別に敵意はないザンス。強いて言うなら金額に心動かされただけザンスよ。悪く思わないで欲しいザンス」
キャップで動く守銭奴か。
警備会社として色々と黒い噂もあったけど、メガトン共同体と連携して最近は目覚ましい働きと、信頼を勝ち得ていた。
それを捨てる、か。
何を考えているかは知らないけどこれだけは言える。
私らを殺したところでBOSはこの件を知っている、つまり全面対決も辞さないということだ。
そして開いた扉の先。
そこにいたのは……。
「こいつっ！」
思わず私は叫んだ。
知ってるぞ、こいつら。
忘れられない相手。
無敵病院の頭上半分がメタリックの機械の超兄貴と、私を半殺しにしてくれた医療型タコロボットのMr.スティールっ！
こいつらBBアーミーなのか？
「そこの紳士はマッド・マッスルという異名で呼ばれている紳士ザンス。人狩り師団との協定により今回助っ人に来てくれたザンスよ。精々楽しむザンスねぇ」
「人狩り師団？」
連中はラストレイダーとも呼ばれている、キャピタルで最後のレイダー組織とされている。
最後と呼ばれる理由、それはキャピタルが復興したら確実に淘汰されるからだ。
BOS、いや、アメリカの手によってね。
まさか人狩り師団が今回の核発射を企んでいるのか？
……。
……いや、そうだとしたらエンクレイブがここに科学者たちを寄越すわけがない。
時系列的にはエンクレイブが最初に目を付けてBBアーミーと取引し、それを人狩り師団がBBアーミーを懐柔することによって核の主導権を奪おうとしているのか？
あり得る話だ。
だけどそうなると人狩り師団は何なんだ？
各街々に攻勢を強めているとの話もあるし各地で軍事行動もしてる、ただのレイダーではなく、キャピタルの覇権でも狙っているのか。
そして響く人工音。
「タダ今ヨリ、核発射ノ最終シーケンスニ入リマス」
くそっ！
急にやることが増えたぞっ！
こいつらをまず倒す必要がある、でも時間制限がある、その後で核発射を阻止だけど……私たちにそれが出来るだろうか、技術的な面でだ。いやSEEDとやらがしてくれてるのか？
「ふしゅるるるるーっ！」
だけどまずはこいつらを倒すところから始めるか。
マッド・マッスルは妙なポージング。
手にあるのは……。
「マッチョエキースっ！」
やはりそう来るか。
飲んで爽快筋肉倍加のマッチョエキス。
Dr.ホフ曰く、人間では分解できない成分があるらしい。まあ、こんな時代だ、あの筋肉ダルマが何ミュータントだろうと別に驚きはしない。
頭半分は機械だし。
この間のボルト108のクローン人間のイヴたちは人狩り師団なのか。だけど、イヴはレイダーのマダムのクローンのようだけど……いや、いい、考えている暇はない。
「ミスティ、来るわよっ！」
「分かってるサラ。さあ、グリン・フィス、全力で行くわよっ！」
「御意」
VSマッド・マッスル＆Mr.スティール戦、スタートっ！