カブトエビ

カブトエビ


 
(全体写真)

 
(口吻部の拡大)

 
(卵嚢部の拡大)


Weichangops trianglaris(tadpole shrimp)
背甲目カブトエビ科
体長88ミリ
白亜紀前期
中国・遼寧省

*熱河生物群からの産出で腹側に面した標本である。エビという名だがミジンコと近縁。
2億年以上前の化石が知られ、現在までほとんど姿を変えず「生きた化石」と呼ばれる。
その先祖はカブトガニと同様、三葉虫から派生したものと考えられている。
現生種は多くが体長30〜40ミリ程度だが、この標本は2〜3倍の体長を有している。

背甲上部の周辺に散乱しているのは現生のカブトエビにも見られるヘラ状の歩脚で、
歩行や遊泳や泥にもぐる時などに使われ、また触角器の役割も果たしていた。
背甲最下部には、尾節付け根の両側に楕円状の卵嚢が残っている。卵は乾燥に強く、
現生種では10年以上にわたって乾燥状態のまま生き続けることが知られている。
卵嚢部分には、卵の痕跡らしき丸粒状の凹み(直径約0.5ミリ)が多数みられる。



             
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