シノプテルス

シノプテルス


 
(全体写真)

 
(頭骨)

 
(肩甲骨と上腕骨)

 
(骨盤と尾骨)

 
(足首・中足骨・指骨)

 
(左翼の中手骨と翼指〈第4指〉の表面)


Sinopterus sp.
翼竜類 プテロダクチルス亜目 タペヤラ科
母岩縦39センチ 翼長推定88センチ
頭骨11.6センチ
白亜紀前期
中国・遼寧省

*数々の翼竜類が発見されている熱河生物群の標本で、ブラジル以外から初めて
発見されたタペヤラ科。Sinoは中国を意味しラテン語のSinaeから来ている。

歯のない種類の翼竜である。中国名を中國翼龍という。最古のタペヤラとされ、
タペヤラの起源は中国と見られていたが、2012年にヨーロッパ初となるタペヤラの
新種化石が紹介され、Europejaraと命名してこれが最古種に位置づけられた。
タペヤラ類の化石はブラジルで多数発見されており、大きく奇怪なとさかを持って
いたことで知られている。くちばしの形から植物の種子や魚を食べていたとされる。

この標本の頸椎3本と右翼の下腕中央部から先は補修である。足首の足根骨が
未発達なようなので、まだ子供だったのだろう。董氏中國翼龍(dongi)と
顧氏中國翼龍(gui)が知られるが頭蓋骨の形などが多少異なり、これらとは
別種の可能性もある。もしくはシノプテルス以外の翼竜だろうか、今のところ不明。

翼竜は史上初めて空を支配した脊椎動物で三畳紀に出現、中生代後期に鳥類が
台頭するまで長く制空権を維持した。白亜紀末期に恐竜や首長竜たちとともに
絶滅した。空飛ぶ恐竜と言われるが恐竜とは別種の爬虫類である。



             
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