鰭脚類の化石 竜の口層

鰭脚類の腕骨など



Pinnipedia
(Walrus or Steller sea lion?)
鰭脚類
左手前の腕骨163ミリ
中新世最末期〜鮮新世初期
宮城県仙台市竜の口
(竜の口層)

*上腕骨と橈骨(?)の2点の大型の骨と椎骨など数点である。
おおむね写真のような配置で発掘されたらしい。
某川の河床表面から増水後に採取されたため破損がある。
すべての骨が同一個体のものかどうかは分からないが、
腕骨2点は同一のものであろう。
 
(腕骨。右は漸新世後期の鰭脚類Imagotariaのもの)

発掘した旧蔵者のお話によれば、仙台市科学館の見解は
「骨の密度の粗さなどにはクジラ類の特徴がみられる」
であったそうだが、上腕骨の彎曲と稜の発達のしかたや、
関節部の可動性からセイウチなどの鰭脚類とみておく。
同地では今までアシカの化石が複数発見されているが、
アシカの腕骨にしては大きいか。

竜の口層は福島県の太平洋側から岩手県中部まで分布し
竜の口動物群と称される軟体動物の化石を多様に産出。
そのうち仙台市周辺から岩手県中・南部にかけて、
陸海の哺乳類の化石が採取されるという。


             
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