Mesoproctus sp.
サソリモドキ科
頭部から尾針付け根まで27ミリ
白亜紀中期
ブラジル・セアラー州
(Crato Formation, Brazil)
*クモやサソリに近い陸生類でメゾンクリークの石炭紀層などからも産出している。
現生種も多くいて太古から姿がほとんど変わらず、生きた化石として知られる。
尾から強い臭気と毒性のある酢酸を噴射して身を守る特性を持っている。
そのため英名をVinegaroon(ビネガロン、酢を出すの意)ともいう。
日本にも九州南部と沖縄と八丈島(八丈島は人為的)に生息している。
この標本は風化で破損していて保存はあまり良くないが
頭部の側眼(lateral eyes)の痕跡が両側とも明瞭に残っている。
サソリモドキの化石は世界的に僅少なため市場での流通はほとんどない。
琥珀に入ったドミニカやミャンマー産の標本がごくまれに見られるが
いずれも高額で売買されている。
〔episode〕
池袋のミネラルショー(2011年)でヨーロッパの業者から購入したが
業者が添付したネームには「Dragonfly larvae」(ヤゴ)と記され
ヤゴと間違えて売られていた。
値段も「あまり保存の良くないヤゴ」に見合う額だった。
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