Pravitoceras sigmoidale
ノストセラス科
長径270ミリ(欠損部を含む)
白亜紀後期
兵庫県南あわじ市西淡町
(和泉層群 西淡累層)
*日本で採取される異常巻きアンモナイトの代表格のひとつ。
海外ではまだ発見例がなく、国内でも和泉層群が分布する
近畿地方と北海道の上部白亜系に限られるが、北海道では
極めて僅少なため、多産する和泉層群の特産といえる。
幼殻時のらせん塔状の巻きに始まり、ダクティリオセラスを
思わせる平準な巻き方を経たあと、逆向きに3/5回転あまり
巻いて終わるという特異なS字殻を形成する。ちなみに、
シグモイド(sigmoid)はS字形の意。
淡路島の産地は土壌がとても柔弱で発掘時にバラバラに
崩壊するものが多く、良質な標本の採取はめったにない。
この標本も風化と崩壊により住房部と気房部が大きく欠損
しているが、ゆがみや割れが見られず肋もほぼ明瞭なので
保存状態は良好な方だといえるだろう。1996年4月13日に
木場海岸で採取されたノジュール。
和泉層群は北海道についで多様なアンモナイトを産出し
国内有数の産地として知られているが、中でも異常巻きは
プラビトセラスとディディモセラスが双璧を成す。
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