シーラカンス

シーラカンス


 
(全体写真)

 
(頭部)

 
(鱗の拡大)

Caridosuctor populosum
肉鰭類・ラブドデルマ科
体長200ミリ
石炭紀中期
アメリカ・モンタナ州(Bear Gulch)

*カリドサクター、またはカリドスクトールとも表記される。原始的な
シーラカンスの一種で、モンタナのBear Gulchは著名な産地。
体のほぼ全面が細かい鱗で覆われているのが見える。
シーラカンスはデボン紀後期に出現。古生代のものは傾向として
この標本のように小型の種類が多い。標本には特徴である
尾びれ先端のふさがみられ、背骨と肋骨もない。
この標本の産地は閉鎖されていて新出標本の流通はないという。
他の産地・時代も含めてシーラカンスは産出量が少ない。

肉鰭類は両生類へ進化したとみられ、爬虫類・鳥類・哺乳類の
ルーツとされている。シーラカンスは白亜紀末に絶滅したと
考えられていたが、1938年に生存が確認されて学界を騒がせた。
以来、「生きた化石」の代表格として一般に認知されている。
現生種はラティメリア科の2種で、南アフリカの北東海岸沖と
コモロ諸島、インドネシアのそれぞれ深海部に棲息している。
ワシントン条約の第T類に指定されている希少種。

古生代と中生代のシーラカンスは淡水域にも広く分布していた。
時代が進むにつれて大型種が現れ、白亜紀には4メートルに
達するものも出現した。淡水と浅海域では白亜紀末に絶滅したが、
深海域は古生代から環境の変化が少なかったために絶滅を
まぬがれたのではないかと推定されている。
新生代の地層からはまだ化石が見つかっていない。


             
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