『落語鰍沢の舞台』を歩こう       本文へジャンプ


あらすじ
  身延山参りの旅人が,法論石霊場から鰍沢の船着き場に出ようとして雪道に迷い,ようやく見つけた山中の一軒家に一宿を請う。


そこにいたのは美しい女「月の兎お熊。」のどには刃物で突いたような月形の傷がある。見覚えがあるがと話をしてみると、吉原にいたが心中をしそこない雪深い鰍沢に逃げてきたとのこと。

しばらく言葉を交わし、お熊のすすめる玉子酒に酔った旅人は隣の部屋へ。

お熊が酒を取りに出たところへ亭主が帰り、残っていた玉子酒を飲むとにわかに苦しみ出す。

お熊が戻り「なんてことを胴巻きがずっしり重そうだから逃げられないように玉子酒にしびれ薬を仕込んだんじゃないか。」


それを聞いた旅人「このままだったら殺される。」しびれた体にむち打って外に出て、小室山で授かった毒消しの護符を雪で飲み込むと、不思議に効いてくる。

部屋に戻り、荷物を取って逃げ出す、物音に気づいたお熊は、鉄砲を持って追いかける。

懸命に逃げる旅人が行き着いたのは、そそり立つ絶壁。眼下には、富士川の急流。降り続いた雪で水勢を増し、いきり立つような流れ。
振り返れば「亭主のかたき」と鬼の形相のお熊が迫ってくる。

あせった旅人の足元が「ずずっ」と崩れ、崖下にあった筏の上に滑り落ちた。落ちた弾みで抜けた道中差しが縄を切ったか、筏はばらばらに。

一本の材木にすがって流れる旅人の目に、崖の上から、片膝ついたお熊が鉄砲を向ける。「南無妙法蓮華経」思わずお題目を唱えた直後、『ズドーン」と響く銃声。弾は旅人の髷をかすめ傍らの岩に「カチーン」と跳ねる。

「ああ、この大難を逃れたのも祖師のご利益、一本のお材木(お題目)で助かった。」

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 天戸道

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