久我山昔話




   久我山の洪水

昭和 20 年代のことだった。大雨で神田川が増水し、久我山橋で水 が吹き上げたんだ。
人見街道踏切際の岡西さんの玄関に、流されてきた板造りの橋〔約50×15×500㎝〕が突っ込んだ。ガチャポン井戸は、取っ手を動か さなくても、水がジャァ・ジャァ噴き出してた。 井の頭池から、大 きな鯉が流れてきたんだ。(関口征夫さん談)(平成29 年9月 103)

  流し鉤(はり)
  
 
昭和 20 年代の頃までの神田上水の事 じゃ。
流し鉤にミミズを付け、岸に短い杭を 差し、翌朝、引き上げると、大きなう なぎが採れたんだ。子供が仕掛けた流 し鉤は早起きの大人に獲物を取られることが多かった。(平成24年4月 39)

ザリガニ
神田川の水は、澄んでいた。
するめ を凧糸でしばり、竹竿の先に吊るし、川に入れる。水草の陰から、大きな鋏でザリガニは、するめ をつかむ。静かに引き上げる。 バケツに半分くらいで、持ち帰り味噌汁にした。 真っ赤な尾の中の白い身を食べた。頭と腹は、鶏の餌にした。昭和20年頃の話なぁ んだ。
〔ザリガニは、食用蛙の餌として、昭和2年 鎌倉市大船にアメリ カから輸入され、後に全国へ分布した。 〕 (平成28 年3月 85)




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