語釈
ヒテ ニ ハク ト ハ レカ レルト
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子 謂 子 貢 曰、「1女 与 A回 也、1孰 愈 。」
ニ 一 レ
ヘテ ハク ゾ ヘテ マン ヲ
対 曰、「賜 也、2何 敢 2望 回。
レ
キテ ヲ テ ル ヲ
、回 也 3聞 一 以 知 十。賜 也、
4聞 一 以 知 二。」子 曰、「5弗 如 也。
6吾 与 女、弗 如 也。」(五公冶長九 女与回也)
(注)@子貢 姓は端木、名は賜。子貢は字。孔子より三十一歳年少。弁舌にすぐれてい
た。A回 姓は顔、回は名。字は子淵。孔子より三十歳年少。
一 書き下せ。
二 口語訳
孔子が子貢に言われた、「御前と回とはどちらが優れているか。」答えて、「賜などは、どうし
て回を望めようか。回は一を聞いて十を悟るが、賜などは一を聞いて二が分かるだけです。」
孔子が言うことに、「及ばないね。私と御前と一緒で及ばないよ。」と。
三 次の語の読みを現代仮名遣いで記せ。
1 子貢 2 孰
3 賜
4 弗 如
四 次の語の意味を辞書で調べよ。
如
五 二重線部の文法事項に答えよ。
1 孰 句法
2 何 句法
六 傍線部1〜6の問いに答えよ。
1 女与回也、孰愈
(1)「女」は誰を指すか。
(2)この質問の意図は何か。
2 望回 どういうことか。
3 聞一以知十 どういうことか。
4 聞一以知二 どういうことか。
5 弗如 これは「A弗如B」が省略された形である。A・Bに該当する人物名を
入れよ。
6 吾 誰のことか。
構成 孔子「回とどちら?」
子貢「回は一を聞いて十が分かる。」
孔子「私とお前は回に及ばない。」
主題 回=優秀
解答
一 子子貢に曰く、「女と回と孰れか愈れる。」と。対へて曰く「賜や何ぞ敢へて回を望まん。回や一を
聞きて以て十を知る。賜や一を聞きて以て二を知る。」と。子曰く、「及ばない。吾と女と如かざるな
り。」と。
三 1 しこう 2 いず 3 し 4 しかざる
四 及ぶ 五 1 疑問 孰れか どちらか 2 反語
六 1 (1) 子貢 (2)子貢が自信をどのように評価しているか試すため。
2 顔回をはるかに望み見る。回は彼方の存在。
3 初めと聞くと終わりの所までりかいする。4 初めを聞いてその次の段階までしか分からない。
5 A 子貢 B 顔回 6 孔子