六月 茨木のり子
語釈
1どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の2黒麦酒
鍬を立てかけ 3籠を置き
4男も女も大きなジャッキを5かたむける
1どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き 6すみれ色した夕暮れは
7若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
1どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうした8怒りが
鋭い力となって たちあらわれる
一 次の語の読みを記せ。
1 黒麦酒 2 鍬 3 籠
二 傍線部1〜8の問とA、B、Cの問に答えよ。
1 この繰り返しの効果を記せ。
2 どういう感じを出しているか。修辞法は何か。
3 何を象徴しているか。
4 どういうことが分かるか。
5 修辞法は何か。
6 何を感じさせるか。
7 どのようなものか。
8 どのような「怒り」か。
A この詩の題はなぜ「六月」か。
B この詩の形式は何か。
C 修辞法を記せ。
三 構成
一 二 三 |
連 |
美しい村 黒麦酒 鍬 籠 美しい街 街路樹 夕 談笑 美しい人の力 共に生きる |
要旨 |
具象的 具象的 抽象的 |
特色 |
主題 理想の村の存在を望む
六月 解答
一 1 黒ビール 2 くわ 3 かご
二 1 男性的直截な表現。 2 異国の感じ。体言止め 3 男女の耕作や収穫の仕事。
4 男女の平等。5 連体止め。6 やさしさ。 7 若者達の健康なやさしさ。
8 お互い共通の理想のための義憤。
A 六月=乾いた盛夏。日も長い。力強い。作者の理想の「美しい村」と一致する。
日本の六月=梅雨。
B 口語詩 自由詩
C 体言止め。連体止め。