夢の中で
(実弟独白)
「姉上・・・」
『カイン? カイン・・・なの?』
・・・よかった、もう会えないかと思った・・・
「約束・・・守れなくてごめん。・・・でも大丈夫・・・」
・・・そう、姉上には“新しい僕”がいる、だから寂しく無いよ、“今までの僕”とは違ってもやっぱり“僕”だから、・・・まあ、今は少し・・・かなり頼りないだろうけれど、姉上がどんどん鍛えてあげてね。
『カイン!・・・貴方が死んだこと誰も知らないわ!』
「いいんだ。姉上は僕のために泣いてくれた・・・・だから・・・」
・・・本当はね、新しい僕のことは良く思って無かったんだ、僕が存在しなかったことになってしまうって・・・でも、姉上は僕のために泣いてくれた、凄く嬉しかった、誰もが僕の事を忘れても、姉上だけは覚えていてくれる、ふふっ“姉上を泣かす者は絶対許さない”って言っていたくせにね・・・
「いつまでも僕の好きだった姉上でいてね」
もちろん今でも大好きだから、
いつまでも笑顔でいて欲しいから、
だから
貴女が“こちら側”に来るのが少しでも遅いことを願う。
どうか、幸せに・・・。