リサーチ?
デザートラヴ、渋谷×ヒロイン話です(多分エンド後)
はるか「いらっしゃいませ、どういう商品をお探しですか?」
客「えっ・・・どれにしようか考えている所で・・」
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・・・このお客さん、さっきから随分考え込んでいるみたいだけど・・・
はるか「この黒豆のチーズケーキはいかがですか?美味しいんですよ」
客「ええ、どれも美味しそうで・・」
拓人「お〜い、ちょっとコイツを出してくれ」
あ、拓人さんが厨房から呼んでいる。
はるか「はーい、あのすみませんが・・」
客「はい、お気遣いなく」
はるか「店長!わあ、美味しそうですね!」
拓人「おう!頼んだぞ!それとな・・あのお客さんはしばらく放っといてやってくれ」
はるか「?お知り合いですか?」
拓人「ん〜何ていうか・・ま、頼むわ」
はるか「?(何だろう)了解です」
はるか「結構色々買ってくださいましたね、あのお客さん」
拓人「おう、まあ、良かったな」
はるか「ところで、お知り合いだったんですか?」
拓人「知り合いって言うか・・ありゃ同業者だな」
はるか「同業って・・ひょっとしてリサーチ?どこの店の人ですかっ?」
拓人「知らん」
はるか「知らないって・・じゃ何で分かったんですか?」
拓人「見ればわかるさ、雰囲気と言うか“ケーキを見る熱視線が食欲と直結していない”というか」
はるか「・・・分かりませんでした」
拓人「まあ、慣れもあるわな」
はるか「それにしても、拓人さんてリサーチに寛大なんですね?本当に嫌じゃないんですか?苦労して作った味を盗まれるんですよ?」
拓人「ん〜、“俺のレシピを盗めるもんなら盗んでみろ!”と言えりゃいいんだろうが・・・まあ、俺自身『あの店の〜みたいなケーキが作りたい!』って思ったことは何度もあるわけだし、誰だって何かの影響は受けるモンだしな、逆に誰にも相手にされない・・となるとこれまた寂しすぎる」
はるか「誰にも相手にされない・・って『売れない商品』って言いませんか?」
拓人「そういう事だ、人気があるから真似もされるってことだ、まあ、実際には真似したとしても材料や作り手の好みで微妙に味は違ってくるし、同じ商品に見えても『やっぱりこっちの店の味が好み』って言ってくれるお客さんもいる訳だからな」
はるか「本当に拓人さんは“良い人”ですね〜」
拓人「オイオイそれは言いなさんな、だいたいリサーチは向こうから来るもんだし、今のは大人しいもんだ、いちいち腹を立てるほうが体に悪い」
はるか「?大人しくないリサーチってあるんですか?」
拓人「あ〜俺が見たヤツでは
『スーツ姿の男二人で来て、携帯片手に「今例の店です・・はい、〜と・・と」って話しながら複数づつ買った』
『何も言わず携帯片手に全商品写真撮った』
とかだな」
はるか「・・・・・凄い心臓ですね」
拓人「まあ、あそこまで堂々とされると、呆然と見てるしかないがな(苦笑)」
はるか「そういえば、前に一条さんとリサーチに行った時に、“スーツ姿の男が昼間からケーキを大量に買ったらリサーチとばれる”って私服で行ったけど、あれもばれてるのかな?」
拓人「・・・仕事中に、私服で、二人で?・・デートみたいだな」
はるか「あっ、それ私も思いました、『女性社員皆に恨まれそう』って」
拓人「・・・・・・今度の休み、リサーチに行ってみるか?男女二人でならデートで通るかもしれんぞ」
はるか「わあ、二人で出かけるのも久しぶりですね!いいですよ」