はじめてのおつかい
氷虎「テンビン、ごはんまだ〜?」
テンビン「もうちょっとかかりますから、待ってて下さい」
氷虎「おなか減った〜〜手伝うから早く作って〜〜」
テンビン「う〜ん、じゃ付け合わせに使うウィップソルガムの実を13個持ってきてくれまへんか?」
氷虎「は〜〜い」
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テンビン「氷虎様遅いな〜? あ、タウ君、貯蔵庫に行って氷虎様の様子を見てきてくれへん?ウィップソルガムの実を頼んだんやけど・・・」
タウロス「ウィップソルガムの実なら在庫が無いから明日狩りに行くと言っていなかったか?」
テンビン「えっ・・・・・まっ、まさか!」
タウロス「急いで探そう!」
テンビン「どやった?」
カプリコーン「・・どこにも居ません」
レオン「剣も一つ見当たらない、自分で狩りに行った・・と見た方がいいだろうな」
テンビン「う、ウチがあんな事言ったばかりに・・」
レオン「凹んでいる場合か!とにかくいつもの狩り場に行くぞ、他の者は念のため他の場所を探してみてくれ」
カプリコーン「狩り場は・・氷懐エリア14です」
氷虎「う゛〜〜体が重い〜〜」
手ぶらでテンビンの所に戻るのもカッコ悪い、レベル30ならウィップソルガム位一人でも大丈夫だろう・・・と思って来てみたが、意外と大変だった。
ハーフテイル&ラストテイルのスキルの為、レベルが高くても簡単には倒せない。
ムーンアイも無いため敵の方が先に攻撃を仕掛けてくる上に向こうのほうが攻撃範囲が広い。
何より、ツヴァルドをしていない状態だと、ここまで武器が重いものだとは思わなかったし、傷の回復能力が無いのがここまでキツイとは思っていなかった。
氷虎「1こ、2こ、3こ、・・・・12こ・・・・あと1こかぁ」
正直あきらめて帰りたい、誰も文句は言わない、むしろ“ここまで出来れば上等”とほめてくれるだろう・・・・・その“子供扱い”は嫌だ。
ふと見ると、少し離れた場所に実が1つ落ちていた、やった〜これで最後だ!と駆け寄ったら・・
タウロス「氷虎様危ない!」
氷虎「タウロス?どうし・・・!」
いきなりタウロスがぶつかってきた・・・と思った・・タウロスの向こうに見た物は、角をこちらに向けて突進してくるフロストテリウム!戦いを仕掛けない限り逃げ回るのにどうして!
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レオン「ヒュー、間に合って良かったぜ」
氷虎「レオン・・・あ、ありがとう」
レオン「礼ならカプリコーンに言ってくれ、あいつが足止めしてくれなかったら間に合わなかった」
カプリコーン「・・・本当に足止めだけです」
レオン「まあ、ちびとタウロスに当てない事が大前提だからな、速射で敵を怯ませりゃ上等だろ」
氷虎「カプリコーン、タウロス、ありがとう」
タウロス「当然の事をしたまでです」
カプリコーン「・・・それより、不用意にフロストテリウムの縄張りに踏み込むのはいけませんよ」
氷虎「えっ、・・・そうだったんだ、ごめ・・」
テンビン「ひょう゛こ゛さ゛ま゛〜〜〜ご無事でしたか〜〜〜、あんな事言ったばかりにこんな目にあわせてしもうて申し訳ありません!」
氷虎「てっ、テンビン!泣かないで! ホラ、ウィップソルガムの実集まったから!」
タウロス「落ち着いて、テンビン、怪我も直ぐに治せる程度です」
テンビン「う゛っ・・ありがとうございます・・・腕によりをかけて作らせて頂きます」
氷虎「うん! じゃ、早く帰ろ?ホントにおなかぺこぺこ」
氷虎「ねえ、アリエス怒るかな?“危ない事した”から」
タウロス「そうだとしても、氷虎様を心配してのことですよ、それは分かってください」
テンビン「もしそうなったらウチらも一緒に叱られてあげますから、正座でもなんでもしますから!」
タウロス「私もご一緒します」
レオン「・・・・・おい、ウチ“ら”の複数形に俺達も入っているのか?」
カプリコーン「・・・・・多分、そうでしょうね」