兎我野寄席

口上

菊の節句やというのに、まだまだ暑い中、なんと!兎我野寄席史上初めてお客様が50人を超えました。定員50人限りと申しておりましたが、お詰め合わせいただいたら55人くらいまでいけるかしらん、とご無理申しまして、55人、びっしりと入っていただきました。ご来場の皆様にはお窮屈様でございましたが、演目、お弁当、寄せ運営一同、獅子奮迅の奮闘公演に相努めましたので、お帰りがけには「また来ますね」と、お優しい言葉を沢山にいただき、皆様には心より感謝申し上げる次第でございます。

ありがとうございました。

まずは、本日の演目、さらにお領地のお品書きをご紹介いたします。

敬具

浪花・上本町     
御可笑拵処「東雲堂」
亭主 狐狸窟彦兵衛 敬白

なお、次回は12月2日開催。お楽しみに!

次回は林家竹丸さんの番組編成でお楽しみいただきます。
さて、年の瀬の落語会、どんな趣向でたのしみましょうかねぇ・・・。
旭堂 小二三旭堂小二三さん 講談「応挙と花魁の幽霊」

幽霊画で、最初に足を描かなかったのは円山応挙と言われます。
全国を歩いてえの修行をしていた円山応挙が、長崎の遊郭で会った、病み衰えた花魁。幼い頃に人さらいにあって、苦界に身を沈める結果になった身の上話を聞いたあと、その死を知らされます。
預かった「匂い袋」が秘めたその縁を明かします。

ほんまにあったかもしれないような、哀感と妖気が漂うお話でした。
涙ぐんでいる人もいてはりました。
日本妖怪研究所 所長 亀井澄夫さん 幽霊画の解説亀井澄夫

日本各地の怪談、妖怪の逸話、エピソードを採集している妖怪研究家。純瓶さんとよく「妖怪ライブ」なるイベントでコラボレーションしてはります。

いわいる「怖がらせる怪談」ではなく、民俗学の解説のように淡々といろいろと語り、聴き終わったら「うーん、世の中には不思議というものがあるのか」と、惹き込まれる座談の名手。

今回は、幽霊画のあれこれを盛りだくさんのスライドで紹介していただきました。
笑福亭純瓶笑福亭純瓶さん 「応挙の幽霊」

落語ワールドと講談ワールドが、こんだけ違います、という聴き比べ。
異種格闘競技でございます。

あんまり違うので、勝ち負けは分かりません。ジュリーに聞いてみよか?

道具屋が市で見つけてきた二束三文の幽霊画。「応挙が描いた幽霊画」と、得意先で高値て売りつけて、よくよく見るとなかなかの物。商売の成功を祝って鰻を肴に一杯やっていると、その幽霊が掛け軸から抜け出して・・・。

・・・あ、そう落とすのか・・・。演目としても、なかなか「珍品」の部類です。お客様、これ、掘り出し物でっせ。
兎我野せよ お弁当 お楽しみの弁当はこちらでsございます。

幽霊にちなみまして、椀の物が、とろろ汁にごま二粒濁点に落としまして「どろろ汁」
うずら卵は一つ入って「ひとだま」
幽霊の持っていたのが「匂い袋」ですから、薄揚げの「巾着」
掛け軸に見立てて「鰊の昆布巻き」
落語の道具屋が食べる「鰻」を使って握り寿司一貫
巻き寿司は裏巻きにしまして「うらめし」。


足立板長に差し入れの純米酒は、蔵元が「ハクレイ」で、霊に関係おまっしゃろ。
ということで、今回も「おなかいっぱい!」

今回から板長のお品書きも添えてもらいました。

ありがとうございましたぁ。
 兎我野寄席 演者

二次会は、てんまへの道の姉妹店「たぬき」にて。
左から、純瓶さん、亀井さん、小二三さん・・・ご機嫌です。


浪花・上本町 御可笑拵処「東雲堂」 狐狸窟彦兵衛 謹製
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