光カートリッジ
    を    
STudyする

 




・届いた箱を開けるとハガキ大のカード。
・箱の側面にモデル名やシリアルナンバー。
・DS Audioの光カートリッジには、最高級のGRAND MASTER EXからGRAND MASTER、DS MASTER3、DS W3、DS 003、DS E1とある。



・高級になるほど音は良いという噂もあるが、勿論手を出せない。



・これらの中で一番価格の低いDS-E1でもおいそれとは手が出ないが、なんとかやってきた。



・適正針圧:1.6g〜1.8g(標準1.7g)
・自重:8.1g

・で、光カートリッジのStudy。

・DSオーディオのHPで光カートリッジとはいかなるものなのかをStudy。

光カートリッジについて - DS Audio|Creating the future of analog music (ds-audio.biz)

・光カートリッジ用フォノイコライザー回路についての技術情報をStudy。

2fd18e0924ee712ca728300098fd1762.pdfへのリンク

・先生の作例をStudy。

・DS−E1の模式図と内部配線図。

・中央の太線で描いた長方形がDS-E1を出力端子面から見たつもりの図。中央下の三角形は上下を間違えないための針のつもり。

・その下に書いたLEDやPD等が内部電子部品で、これらに繋がる線が内部配線。

・左右に伸びるのはイコライザーアンプへ引き出すピンコード。

・光カートリッジの動作原理はシンプル。

・赤外線LEDの光をPD(フォトディテクター)で受け出力電流に変換するだけのことだが、LEDとPDの間に遮光板を置いて、その遮光板をカンチレバーに接続し、針で拾うレコードの音振動で振動させることにより、PDが受ける光の量が音振動と同様に振動するので、PDの出力直流電流に音振動が乗った電流となるというもの。直流電流はその後Cで阻止して音振動電流だけ取り出せば良い。

・DS-E1はDSオーディオの光カートリッジとしては第2世代ということで、動作に使用するLEDは左右共通の1個のみ。図にはもう1個LEDがあるが、これは動作中を示すパイロットランプ。DS003等の第3世代では、もう1個LEDが増えて2個のLEDが左右独立に使用される。

・これらの内部LED、PDの動作には電源が必要なので、左右のピンコードで繋がるR−chの±、L−chの±の計4端子を上手く使って、電源を供給し、音振動電流も取り出さなければならない。
・なるほどという訳で、カートリッジを良く見ると、カンチレバーの中間部に、黒い遮光板が取り付けられているように見える。が、正しいかは知らない。
・で、所要の外部配線図。

・ピンジャックをわざわざ書いてあるが、接続すれば点線の通り電気的に繋がると見れば良い。

・先ずはLEDへは、R-chのコールド側に8V電源から68Ωを経由して供給され、L-chのコールド側に繋がるアースに流れて行く。

・68Ωとアース間のHZ5、47uF、0.1uF、及び内部回路のRは、過剰電流が流れないようにする保護回路。

・カートリッジ動作時はこの点の電圧は5V以下になり、HZ5は不動作であるし、8V電源は安定化しているので、パラの47uFと0.1uFの意味は良く分からない。DSオーディオの技術情報ではこれらが3,300uFと10uFととんでもない容量になっているのだが、どういうこと?

・PDへは、両チャンネルともホット側に−10V電源から10kΩを経由して供給され、どちらもL-chのコールド側に繋がるアースに流れて行く。(電流的にはその反対に流れていくと言うべきか。)10KΩは過剰な電流を防ぐ保護回路でもあるし、PDの音振動を含む電流を電圧に変換するI/V変換抵抗。なので−10V電源の安定度と10kΩの精度は重要。

・これらの配線を間違うと動作しない。R−chとL−chの接続を反対にしてはいけない。R-chのコールド側はLEDへの電源供給端子に過ぎないので、他のプリアンプのつもりでR−chのコールド側をアンプのアースに繋いでしまってはいけない。
光カートリッジ用フォノイコライザー回路についての技術情報に「光カートリッジ内蔵のフォトディテクター(PD)は、溝の動きをそのまま追従して出力しますので、ステレオ出力信号も逆位相となります。ステレオ信号の位相を正しく揃えるためには、フォノイコライザー内部で右か左のチャンネルの信号を反転させる必要があります。」とある。

・ので、
光カートリッジのイコライザーは、左右の一方が非反転アンプ、他の一方は反転アンプとすることになる。

・イコライズのためのCRの組み合わせ等は先生に習って、

・まず、非反転イコライザーの回路はこんな感じ。

・入力の10kΩは上記のPDへの電源供給用で、正しくは−10Vに繋がるものだが、電源はAC的にはショートなので、ここではアースに繋いでいる。

・なお、2SA726と2SC1400という、ありえないLTspiceモデルを使用している。

・iruchanさんが、Craftな毎日というブログの、“金田式DCアンプ用Spiceモデルの作成”というページで公開されているものを活用させて頂いたものである。


iruchanさん、誠にありがとうございます。
・そのゲイン−周波数特性。



・赤がオープンゲインで、低域で68.3dB。



・青がループゲインで低域で54.6dB。



・緑がクローズドゲインで、10Hzで△0.2dB、50Hzで10.8dB、100Hzで12.9dB、500Hzで16.3dB、1kHzで19.6dB、5kHzで24.9dB、10kHzで25.4dB、50kHzで25.5dB、100kHzで25.5dB。
・反転イコライザーの回路はこんな感じ。
・そのゲイン−周波数特性。



・赤のオープンゲインは、低域で68.2dB。



・青のループゲインは低域で54.7dB。



・緑のクローズドゲインは、10Hzで△0.4dB、50Hzで10.7dB、100Hzで12.7dB、500Hzで15.9dB、1kHzで19.1dB、5kHzで24.9dB、10kHzで25.4dB、50kHzで25.6dB、100kHzで25.6dB。
・非反転イコライザーの歪率を観る。



・負荷は10kΩ。
・100kHzも表示しているのでそんなに良いように感じないが、結果は、素晴らしい低歪率。



・100kHzの歪率は、ループゲイン≒NFB量が1kHzや10kHzより20dB少ないので、1kHzや10kHzの10倍になっている。のは理屈。



・最大出力としては、9Vと言ったところ。

・ラインアンプ兼ヘッドフォンアンプはこんな感じ。



・終段2SC959と2SA606のアイドリング電流は10mAに設定。
・そのゲイン−周波数特性。



・パラメトリック解析で、赤のオープンゲインと青のループゲインは、下から負荷が30Ω、60Ω、120Ω、240Ω、480Ω、100kΩ(負荷オープン相当)の場合。



・緑のクローズドゲインは低域で20.8dB程度。



・赤のオープンゲインは、負荷30Ωで57.7dB、60Ωで63.6dB、120Ωで69.3dB、240Ωで74.9dB、480Ωで80.0dB、100kΩ(負荷オープン相当)で93.7dB。



・青のループゲインは、負荷30Ωで36.9dB、60Ωで42.8dB、120Ωで48.6dB、240Ωで54.1dB、480Ωで59.2dB、100kΩ(負荷オープン相当)で72.9dB。

・LTspiceでその100kHz方形波応答を占う。



・入力は±0.1V



・負荷を30Ω、60Ω、120Ω、240Ω。480Ω、100kΩ(負荷オープン相当)にした場合のパラメトリック解析。
・下が出力波形。



・上が終段Q12 2SC959とQ13 2SA606のコレクタ電流波形。



・綺麗。
・位相補正C1の適正容量を観るため、C1=5pF、10pF、15pFにした場合の100kHz方形波応答を、LTspiceで占う。
・結果。



・位相補正容量が5pFでは、オーバーシュートとアンダーシュート、そしてその後多少のリンギングが出る。



・位相補正容量が10pF及び15pFでは、オーバーシュートもアンダーシュートもない、綺麗な方形波応答である。



・勿論10pFの場合の方が立上り、立下りの速度は早い。



・位相補正C1の容量は10pFで良いようだ。
・ラインアンプ兼ヘッドフォンアンプの歪率を観る。



・負荷は10kΩ。
・これも、素晴らしい低歪率。



・100kHzのループゲイン≒NFB量は10kHzの概ね20dB少ないので、歪率はほぼ10倍になっている。



・最大出力は8Vといったところ。
     
・基板が出来上がってきた。






・R-CHANNEL 非反転イコライザー基板。






・裏側の300pFは表が6,500pFなので。






*SE20pFの取り付けの方向性が反対になっています。後で直しました。
・L-CHANNEL 反転イコライザー基板。






*SE20pFの取り付けの方向性が反対になっています。後で直しました。
・ラインアンプ兼ヘッドフォンアンプ基板。






*SE20pFの取り付けの方向性が反対になっています。後で直しました。
・プラス8V、マイナス10Vレギュレーター基板。
・30Vバッテリーチェック基板。

・という訳で、回路図はこう。

  

・アンプは増やしたくない。
 
  
・丁度よく、10年前に作ったCDラインアンプ兼ヘッドフォンアンプが残っていた。



・これを廃用にして基板を撤去し、今回の光カートリッジプリアンプのケースとしよう。



・前面、後面パネルには必要な穴加工がほぼ出来ているので、都合が良い。



・元はと言えば、このケースは20年前のNo−168CDラインアンプに使用していたもの。



・時は容赦なく過ぎ去る。
・ケースに穴加工を追加するなどし、



・基板を取り付けて、所要の調整をしながら配線作業をすれば、
・出来上がり。



・ラインアンプ兼ヘッドフォンアンプの出力には1kΩのスケルトン抵抗を取り付けて、電流出力も可能としているが、先生も電流伝送は止めてしまわれたようだし、穴開けもそれなりに大変なので、電流出力用ピンジャックは取り付けていない。
・組み上がったところで、とりあえず動作確認。



・イコライザー入力に0.1Vp−p100kHzの方形波を入力し、ラインアンプ兼ヘッドフォンアンプ出力における応答を観る。



・先ずはRチャンネル。



・下が入力波形(50mV/div)、上が出力波形(5V/div)。横軸は2uS/div。



・ボリューム最大付近で測ったので、出力は入力の19×10=190倍程度になっている。




・入力波形にもノイズが乗っているが、観測環境のせいなので気にしない。



・トータルゲインが大きいので、ほぼ20Vp−pの出力波形はこんなものだが、問題はなさ気だ。
・同じくLチャンネル。



・Lチャンネルはイコライザーアンプが反転アンプなので、トータルでも出力は入力に対して反転している。



・結果はRチャンネルと同様で、問題はなさ気。



・良いのではないかな。
   

・早速音を出して、本当の動作確認。

初めての光カートリッジ。

・電源オンではちょっと緊張する。
 
・電源オンで即パイロットLEDが点灯。



・一安心。



・何だか、良い音がしそうなライトグリーン。


















・肝心の音はどうか。


















・なるほど、これはちょっと違う。


















・端的に言えば、これはレコードの音という感じではない。


















・とても明瞭で克明、かつ柔軟で美しく、伸びやか。


















・素直で本当の音。


















・これまでのMCプリではどうしても感じられた、レコード再生の限界のようなものを感じない。


















・安易に使いたくはない言葉だが、要は別次元。

















・DS-E1で再生する音は、レコードの外周から最内周まで変わらぬクオリティだ。

















・これは良い。












・「マーラーの交響曲の真髄を味わえるまでになった」に嘘はない。












・これほど実在的な空間は聴いたことがない。












・何を聴いても音と空間が本物で楽しい。
 












・時空を超えて演奏が蘇る。






・巨匠の二人が私の目の前で演奏している。






・ただただ、感動。
 












・全く夢を見ているようだ。
   

・駄耳なので、信じてはいけない。




2024年2月20日







その2



・DS-E1に続いて、DS 003までやってきてしまった。



・かなり高級そうな(アルミ削り出し?)ケースに収められている。



・DS−E1がやってきて、それ用のプリアンプの製作に4月程を要してしまい、その音を聴くまでしばし掛ってしまったのだが、聴いてしまったら、DSオーディオの第三世代の光カートリッジにも来ていただかざる訳にはいかなくなってしまった。



・第三世代の光カートリッジも、ダイヤモンドカンチレバーの超高級品から、アルミカンチレバーのスタンダート品まで、幾つか選択肢はあるが、聞くところによれば、第三世代の光カートリッジは、それらの素材の違いを除けば、光カートリッジの根本となる構造部分には違いがないとのことらしい。



・そうならば、宝石には手が出ないので、第三世代として一番価格の低い、DS 003に来て頂く以外にない。これとて私には清水の舞台。
・第三世代の光カートリッジとなって、違いはまず、内蔵の赤外線LEDの数が1個から2個になったこと。



・第二世代までは、赤外線LEDは1個をR-ch用及びL-ch用の2個のPD(フォトディテクター)で共用していたのだが、第三世代では、赤外線LEDもR-ch用とL-ch用の専用のものになった。



・また、これら赤外線LEDに電流を流すための右図左上の68Ωの抵抗に掛ける電圧がプラス8Vからプラス10Vに増えている。



・さらに、PD(フォトディテクター)にマイナス10Vから電流を供給するとともに、PDの音楽信号の乗った出力電流をI/V変換するための抵抗でもある、マイナス10VとPDの間に置かれる抵抗の抵抗値が10kΩから8.2kΩに変更されている。
・右はDS-AUDIOのHPにある構造図だが、下の図の左側が従来世代の光カートリッジの構造図。

・赤外線LEDがカンチレバーの上方前に1個あり、その後ろにカンチレバーに取り付けられた遮光版、さらにその後ろに2個のR-ch用及びL−ch用のPD(フォトディテクター)が縦に密着して取り付けられている。

・これに対して、上の図が第三世代の光カートリッジの構造図。

・上の左の図のとおり、赤外線LEDがカンチレバーの上方左右45°方向にR-ch用及びL−ch用と2個取り付けられ、その後ろに、ちょっと隠れて見にくいがカンチレバーに取り付けられた、右45°左45°に分かれた遮光版、更にその後ろに右45°左45°で取り付けられたR-ch用及びL−ch用のPD(フォトディテクター)2個が取り付けられている

・上右の図は、カンチレバーに取り付けられている遮光版の構造図。

・また、遮光板の素材がアルミニウムから純度99.9%の無垢ベリリウムに変更され、質量が1.56ミリグラムから0.74ミリグラムと50%以上軽量化されているとのこと。 

・なお、針はDS-E1の楕円針に対してDS003はラインコンタクト針。

・適正針圧:2.0g〜2.2g(標準2.1g)
・自重:7.7g
   
・さて、光カートリッジDS003用のプリアンプだが、これ専用に新たにプリアンプを拵えるのは、アンプが増えてしまうので否だ。



・となれば、DS−E1用に拵えたプリアンプに多少手を加えて、DS−E1とDS003で共用出来るプリアンプにするのが妥当。



・で、所要の作業をし、



・その結果、右のようにバッテリーチェック兼パイロットランプであるLEDがGREENにも光るようになった。



・勿論バッテリーの電圧が規定値を切ればREDに光る。3色LED(フルカラーLED)の色を全て活用。

・で、回路図はこう。

 

・何が変わったか?

・下のプラス8V電源の240Ωに750Ωをパラにする、あるいはパラにしないスイッチを設け、パラにしなければ出力電圧が8V、パラにすれば出力電圧が10Vになるようにしたもの。

・あわせて、これに連動するスイッチで、バッテリーチェックの、バッテリーが所要電圧ある際に発光する方のLEDが、出力8Vの際はGREEN、出力10Vの際はBLUEに光るようにした。

・勿論これはDS-E1とDS003のパイロットランプの色に合わせたもの。これによって間違いも防げる。なお、GREENのLEDは効率が良く明るすぎるので、その電流を決める2SA798のエミッタ抵抗を1.2kΩから12kΩに変更。

・さらに、マイナス10V電源とプリアンプ入力間の抵抗についても、DS E1を使用する際には10kΩ、DS 003を使用する際には8.2kΩとなるように、これらと連動するスイッチで切り替えるようにした

・先生はこの抵抗はDS−E1では10kΩ、DS003では8.2kΩが最適値なので、必ず守るべしと仰っている。私もDS 003で8.2kΩと10kΩを試してみたが、仰るとおり。

・以上のための4連双投トグルスイッチは、目立たないように本体側面に設置し、スイッチを上にすれば出力は10VでDS 003用下にすれば8VでDS E1用と、間違えないようにしてある。
 
   












・早速聴いてみる。


















・一聴DS E1とあまり違わないような気がする。


















・そもそもDS E1が次元の異なる音を出すのだから、DS003から更に次元が異なる音が出たら、DS E1は光カートリッジではなくなる。共に光カートリッジ。


















・ここからは微妙な差かもしれない。が、その微妙な差が、我慢出来ない差になる、と言う耳の優れた人もいる。


















・駄耳の私はそうではないが、多少は分かる。


















・静かだ。その静けさの中からダイナミックに音楽が湧いてくる。明瞭で明快なだけでなく、音それぞれがそれぞれの雰囲気を持ち何かオーラを放っているようだ。


















・定位が明確。横方向だけでなく、奥行き方向の定位も深くなっている。だから自然な空間がそこにある。


















・先日テレビで小田和正氏を観た。75歳となっても50年前と変わらぬ歌声。光カートリッジで氏の50年前のレコードも蘇る。


















・触発されて、これらの古いレコードにも何十年ぶりかに針を下ろす。参る。命と情。光カートリッジでレコードから真の記録が蘇る。





















・光カートリッジ、素晴らしい。





















・宝石にも手を出してしまいそうだ。






























・プラシーボ効果。信じてはいけない。



2024年3月3日