記事No | : 2230 |
タイトル | : WM61A 電流伝送方式DCマイク・アンプ |
投稿日 | : 2014/08/14(Thu) 17:25:41 |
投稿者 | : 直入 < > |
パナソニックのマイク・ユニットWM61Aに依る 電流伝送方式DCマイクを作って1年半になりました。この間に、10回ほどコンサートの生録音に使用しました。WM61AはECM:エレクトレット・コンデンサーマイクですが、電極出力がSE.1000pFを介せずアンプ初段のFETのゲートに直結出来、正に完全DCマイクです。SE.1000pFを省いた効果は顕著で、金管と打楽器と鍵盤楽器と木管の音の立ち上がりの良さと鮮明さは従来のDCマイクより格段良いです。この音に馴染んでしまうと名器とうたわれたショップスら依る従来型DCマイクの音はモヤついて聴こえるばかりか音のダイナミックさにも抑圧を感じます。ただパナソニックWM61Aは使った当初は高域にクセを感じました。それが、エージングが進んだせいか、先日、室内楽を生録音してみると、これまであった弦の音に癖が無くなり滑らかでナチュラルな音に変身しました。このマイクユニットはエージングにしばらく時間がかかるようで、しかも急に音が変わります。
電流伝送方式DCマイク・アンプは今年に出た単行本に掲載されてますが、ADCと一体型になっています。たしかに、こうした方がライン入力用のGCAを省けるので音の面では良いはずですが、記録するデッキはローランドR-44しか使えません。214頁の図6 IVC(マイクアンプ)をADCから独立して、±4.8V 単三4本2組で動作させても問題ないはずです。こうすると、わざわざADCを作らなくても他のデッキのライン入力端子に接続して録音出来て、アナログ録音のDC録音アンプにも接続出来て便利です。ただ調整時にTR3のRbを調整して、215頁.図8のSAOC回路のTR4のREの電圧降下を2.4Vくらいになるよう抵抗値を換えれば良いはずです。私は、このようにマイクアンプを独立して、更に故あって電圧を±9Vに上げて使っていますが今のところはと前置いてトラブルはありません。おそらく214頁の図6のTR4の位相補正Cpも10pFのままで良いはずです。
Kontonさん、お暇でしたら、マイクアンプを独立させて電圧を換えた際の位相補正Cpの適正値をシミレーションで占って頂けないでしょうか。
それにしても従来のDCマイクは±30V前後の電圧が要り、更に成極電圧用の高い電源も要りました。それが単三8本だけで良いとなると、生録音の技動力も増し、より簡便になりました。