タイトル | : 電流伝送DCプリ(シンプル回路)VICのFETを交換してみたら!? |
記事No | : 2567 |
投稿日 | : 2021/07/10(Sat) 07:54:18 |
投稿者 | : 直入 <
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レコード再生用のカートリッジは、無論DCプリのリファレンスであるDENON DL-103を使用しております。音質的には不満はないモノの、このカートリッジのトラッカビリティの悪さに辟易することもあります。内周部に行くほど音が歪む感があり、カッティングレベルの高いピアノの録音では、FFでビビっているようにも聴こえます。そこで、サブに使用するのが、無垢の楕円針で軽針圧のオーディオテクニカのAFーT3シリーズです。現在は、ATーF3Vを使っておりますが、廃品となりマイナーチェンジされATーF2と型番が変わりましたが、これも昨年廃品となりました。昨年ビックカメラで最後の残りが16000円で売られていたので予備に買いました。 さて、金田式電流伝送DCプリ(シンプル回路No215)に使用した際のATーF3Vの音質ですが、期待通りのトラッカビリティで前述したDL-103の欠点はありませんが、中低音が薄く音質も軽く総合的には103より劣ります。楕円針で左右独立コイルで高純度PCOCC線を使用していながら、103と聴感上のf特とレンジの広さとステレオ音場が殆ど変わりがありません。それに音量感が無く、103よりワンステップ、ボリュームを上げないと同じ音圧にならない感じです。DL-103は公称0.3mVですが、実測値は0.4mV以上あり、一方ATーF3は公称値0.35mVですが実際はそれより低いのではないかという気がします。そこで、カートリッジの根元に設置する電流伝送DCプリ特有のVICのFETを指定の2SK97(2SK43)から、2SK117に換えてみました。K97のGm/順方向アドミッタンスは10ですが、K117は15ですから其の分だけ増幅率が大きくなりATーF3の音質も改善される筈です。此処で注意しなければならないのは、FETや半導体はスペックだけでは選んではいけないことです。スペック的に優れた半導体でも、いざオーディオ機器に使用してみると音質が異常に悪いモノがあり干からびた音しか出ない事があります。物理的特性とオーディオ性能は必ずしも一致しないのです。その点、K117は以前からDCアンプに多用されており音質的な信頼性があります。 さて、早速、VICのFETを2SK117に交換してみました。未だ数時間しか試聴していません。御存じのように半導体もエイジングあり暫し鳴らすことで音質が変わることがあります。ATーF3Vの中低域の音質と音の軽さは改善され103並みに音が張り出して来ましたし、f特とレンジの広さとステレオ分離の良さも明瞭になりました。反面PCOCC線捲きのコイルの音質が顕著で清澄であるモノの艶が足らないような気もします。此れは使い込む事で変わるかもしれません。空芯コアの低出力MCカートリッジを使われる際は、2SK170のようにGmの大きいFETをVICに使用した方が良いような気がします。いずれトライしてみるつもりです。
ATーF3Uのスペック(ATーF3Vは見当たりませんでした) hhttps://audio-heritage.jp/AUDIO-TECHNICA/etc/at-f3ii.html AT-F2 hhttps://www.audio-technica.co.jp/product/AT-F2 hhttps://av.watch.impress.co.jp/docs/news/651298.html DL-103のスペック hhttps://audio-heritage.jp/DENON/etc/dl-103.html
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