[リストへもどる]
一括表示
タイトルSiC-MOSで DRIVER UNIT for STAX EARSPEAKERS を製作
記事No2487
投稿日: 2019/02/14(Thu) 18:01:17
投稿者TAKA < >
kontonさんこんにちは
"No.248風EQ"で大変お世話になりましたTAKAです。
SICを使用したSTAXドライバーの完成、おめでとうございます。

近年、2SC3675,2SA1486,2SA1967,2SA1968等の高耐圧半導体の入手が難しくなりましたが、
SIC FETは高耐圧で入手性も良く終段ドライバーに適している思います。
真空管を終段にするのに比較してゲート入力容量は大きくなりますが、gmが大きい分、駆動回路は簡単になるようですね。
ROHM SCT2H12NZはSICの中では小入力容量で使いたくなります。

私は4年ほど前にSICを使用したSTAX ドライバーを製作し、現在でも愛用しています。
当時はSCT2H12NZは無く、SCT2450KEを使用しました。
SCT2450KEの欠点は入力容量の大きさと直線性の悪さだと思います。
私の回路はkontonさんの回路とは異なりますが、
SCT2450KEの欠点を無くすためにSICを定電流駆動させています。
SICのドレイン抵抗を25Kオーム(5W)、ソース抵抗を120オームにしています。
SICをドライブする回路は至ってシンプル。
OP-AMP(OPA2604)を使い120オームを定電流駆動しているだけです。
入力電圧に応じてSICのソース電流が変化します。
イヤースピーカの出力は(25Kオーム / 120オーム)倍されてSICドレイン側から取り出します。
後は差動で定電流回路を考えれば良いのです。
電源は+700Vの片電源、出力コンデンサー0.15uF/1000Vでイヤースピーカをドライブしています。
LT-SPICEのシミュレーションでは容量負荷120PF時、660Vp-p 時の歪は0.02%
f特性は1Hz〜200KHz(-3dB)となりました。

皆さんがkontonさんの回路に興味を持たれ、製作していただければと思います。
くれぐれも感電にはご注意を(汗)

タイトルRe: SiC-MOSで DRIVER UNIT for STAX EARSPEAKERS を製作
記事No2488
投稿日: 2019/02/15(Fri) 21:16:06
投稿者konton
TAKAさん、こんにちは。

> SICを使用したSTAXドライバーの完成、おめでとうございます。

ありがとうございます。STAXドライバーは既に2台作ったので3台目を作るモチベーションは上がらないままだったのですが、純正のSRM-T8000ほかを研究しているうちに余り製作例のないSiC MOS-FET起用のSTAXドライバーを作ろうかという気になりました。

> 近年、2SC3675,2SA1486,2SA1967,2SA1968等の高耐圧半導体の入手が難しくなりましたが、
> SIC FETは高耐圧で入手性も良く終段ドライバーに適している思います。
> 真空管を終段にするのに比較してゲート入力容量は大きくなりますが、gmが大きい分、駆動回路は簡単になるようですね。
> ROHM SCT2H12NZはSICの中では小入力容量で使いたくなります。

その通りだと思います。
STAXドライバーに限らずアンプの自作は厳しい時代になりました。

TAKAさん製作のSTAXドライバーも面白そうですね。
皆さんのためにどこかで回路図など公表して下さい。

タイトルRe^3: SiC-MOSで DRIVER UNIT for STAX EARSPEAKERS を製作
記事No2490
投稿日: 2019/02/16(Sat) 00:48:21
投稿者TAKA < >
kontonさんこんばんはTAKAです。

> STAXドライバーに限らずアンプの自作は厳しい時代になりました。

> TAKAさん製作のSTAXドライバーも面白そうですね。
> 皆さんのためにどこかで回路図など公表して下さい。

現在のSIC FETドライバーは6号機になります。
製作の意図は入手可能な現行部品でSTAXドライバーが作れないかということでした。

ついでに2〜5号機の資料もPDFで作りました。
私宛てに空メールを頂ければ返信でデータ転送いたします。
現在、病気療養中で直接公表することはできませんが、
私の回路が間違っていないか、kontonさんに検証して頂ければと思います。

タイトルRe^4: SiC-MOSで DRIVER UNIT for STAX EARSPEAKERS を製作
記事No2493
投稿日: 2019/02/16(Sat) 23:08:39
投稿者konton
TAKAさん、こんにちは。

> 現在のSIC FETドライバーは6号機になります。
> 製作の意図は入手可能な現行部品でSTAXドライバーが作れないかということでした。
>
> ついでに2〜5号機の資料もPDFで作りました。
> 私宛てに空メールを頂ければ返信でデータ転送いたします。
> 現在、病気療養中で直接公表することはできませんが、
> 私の回路が間違っていないか、kontonさんに検証して頂ければと思います。

ありがとうございます。

最近は、ネット上でもSTAXドライバーを自作された例を殆ど見ませんので、参考にさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。

お体の一日も早いご回復をお祈りいたします。

タイトルRe^5: SiC-MOSで DRIVER UNIT for STAX EARSPEAKERS を製作
記事No2494
投稿日: 2019/02/17(Sun) 17:00:08
投稿者TAKA
kontonさんこんにちはTAKAです。
返信で回路図をお送りしました。
細かいミスプリはありますがご勘弁を。
回路は公開しても全然かまいません。
むしろ皆さんにチェックしてもらったほうが良いかも。

> 最近は、ネット上でもSTAXドライバーを自作された例を殆ど見ませんので、参考にさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。

高耐圧トランジスタが入手出来なくて自作出来ないのかも
しれません。
自作する場合、オール真空管で製作したほうが良いかもしれません。
昔、森川忠勇先生が設計された6BX7 SRPP OTLアンプが
ありました。
若い方もSTAXのイヤースピーカに関心をもっておられます。
一人でも多く自作されることを願っています。

タイトルRe^6: SiC-MOSで DRIVER UNIT for STAX EARSPEAKERS を製作
記事No2495
投稿日: 2019/02/18(Mon) 11:00:40
投稿者TAKA
kontonさん みなさん こんにちは
32年前までは市販のSRM-T1や自作6FQ7ドライバーで満足していました。
その後、STAX創業者の林 尚武さんからSRM-T type2をお借りしました。
オール半導体DCアンプ構成の音を聞き真空管では出ない低域のすばらしさを実感しましたが、
1998年発売のSR-007を購入しましたが、能率が低いせいか従来のドライバーではうまく鳴ってくれません。
これが自作ドライバー製作の始まりでした。
その後、SR-009を購入しましたがSR-007とは別物ですね。
すばらしい!即、SR-007は売却しました。
去年、ヨドバシカメラでSR-009Sを短時間ですが聴きました。
SR-009と比較してさらに滑らかなで良いですね。高価で手が出ませんが。
ただしこれにつながっていた純正ドライバーには不満を感じています。
充分にイヤースピーカの能力を生かしていない様な気がします。
手前みそになりますが自作のドライバーとSR-009の方が躍動感を感じます。
SRM-T2のような最強のSTAXドライバーが必要か解りませんが,
6BX7 SRPPを製作する前はSRM-T2を意識してEL34を片側4本、合計8本でSRPPを考えていました。
設計途中、発熱が凄そうなので断念し、6BX7に変更しました。
SIC FETは高耐圧が特徴で電源電圧を1000Vまで上げればSRM-T2の最大出力630Vrmsが実現できそうです。
私はここまでは必要ないと思っています。むしろ電源電圧はほどほどにして、
SIC FETに大きい電流を流し、出力インピーダンスを下げたほうが良いかもしれません。
真空管SRPPも出力インピーダンスを下げる効果は大きいと思います。
以上です。

タイトルKGSSに関して
記事No2496
投稿日: 2019/02/19(Tue) 23:03:45
投稿者TAKA
14年前に製作したKGSSを久しぶりに鳴らしてみました。
どうも躍動感に欠け、ノッペリした音の印象です。
聞いても楽しくありません。
ただし純正のKGSSと抵抗値は異なるのでKGSS風とします。
この印象は当時も同じでこの後、6BX7 SRPP ハイブリッド・ドライバーを製作しました。こちらの音は問題ありません。
なぜ音が悪いのか、当時はオシロで発振していないのは確認しましたが、
すんなりあきらめてお蔵入りし、現在に至ります。
当時からKGSSの出力段のエミフォロには懐疑的で、2SC3675の定電流負荷回路に疑問でした。
イヤースピーカの容量負荷に対して出力TrがONのときは良いのですがOFFのときは
溜まった電荷はどうなるか疑問に思っていました。
コンプリメンタリ・エミフォロなら問題は少ないでしょうが、
2SC3675(三洋電機)のコンプリになる高耐圧PNPトランジスタは無いようです。
2SA1967(三洋電機)はhfeが10程度で低すぎます。
金田先生の書籍”最新オーディオDCアンプ”昭和53年版の69ページにエミフォロの解説が
詳しく書かれています。
”エミッタフォロアは容量負荷に対してオン方向のドライブは強いが、カットオフ方向の
ドライブが弱い”と述べています。

以下先生の解説文です。

”出力TRのベース・コレクタ間にCobを書き足して考えると、Voの正進行では、
TrのCobを放電しなければならないので、Trのエミッタ側の正進行がCobにより遅れても、
ベースが正方向にドライブされ、Trのバイアスが増え、その電流が増加するので、
Trをドライブできる。Cobの放電電流はTrを流れる。
Voの負進行では、Cobは放電されなければならないが、Cobによる遅れは、Trを逆バイアスし、
入力の変化速度が速ければTrがカットオフしてしまう。”

2SC3675のCobはデーターシートから2.8PFです。
Trに高電圧の逆バイアスが印加したら恐ろしいことです。
発振ぎみの不安定状態なら即、故障になります。
イヤースピーカの容量成分120PFも負荷にぶら下がっています。
14年前はLT-SPICEは在りませんでしたのでシミュレーションしていませんが、今なら解るでしょう。
推測ですが、エミフォロをSTAXドライバーに使うのは止めたほうが良いようです。
姉妹機のブルーハワイはエミフォロではないので問題ないと思います。
以上

タイトルRe: KGSSに関して
記事No2497
投稿日: 2019/02/20(Wed) 07:03:18
投稿者TAKA
kontonさん、みなさん こんにちは

金田先生の解説文で1箇所記入ミスしました。

× ”Voの正進行では、TrのCobを放電しなければならないので、”
○ ”Voの正進行では、TrのCobを充電しなければならないので、”

エミフォロTrの逆バイアスを防ぐには、E-B間に信号用ショットキーダイオード(40V,200mA)程度を
入れれば良いかもしれません。

ネットで調べてみると。
KGSS逆バイアスの件は2008年12月07日の”Ear_Speaker_&_Driver”さんのホームページでこれをフォローした方からの指摘がありました。
以上

タイトルRe^2: KGSSに関して
記事No2498
投稿日: 2019/02/20(Wed) 10:21:23
投稿者konton
TAKAさん、こんにちは。kontonです。

ケビンギルモアさんのKGSSの回路は、STAX純正のSRM-717系ドライバーと殆ど同じだと思いますが、現行純正品のSRM-727AとSRM-T8000も、2段差動+定電流負荷エミッタフォロアという構成で、KGSSと同じです。

その構成の場合でのエミフォロの逆バイアスについては、私もシミュレーションでE-B間のダイオードで解決できることを観ましたが、実際、SRM-727AとSRM-T8000のエミフォロにはダイオードが挿入されているようです。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~konton/STAX%20Driver%20Ver7.htm#その5の補足


リンクが”その5の補足”につながりませんね。
お手数ですが、”更新記録”のページから”その5の補足”に飛んでください。

タイトルRe^3: KGSSに関して
記事No2499
投稿日: 2019/02/20(Wed) 17:55:05
投稿者TAKA
kontonさん TAKAです。

>ケビンギルモアさんのKGSSの回路は、STAX純正のSRM-717系ドライバーと殆ど同じだと思いますが、現行純正品のSRM-727AとSRM-T8000も、2段差動+定電流負荷エミッタフォロアという構成で、KGSSと同じです。

そうですか、前からKGSSとSTAXのドライバーは近い音だと思っていました。
割とおとなしめでひっそり鳴る印象で、私はあまり好きではありません。
いずれ、KGSSを解体し、SIC MOS FETで作り直すつもりです。

STAXドライバーに向きそうなSIC MOS FETは現時点ではSCT2H12NZ,SCT2450KE,C2M1000170Dの3種類ですが、
Cissの一番小さいのがC1M1000170Dの1.3PFなので第一候補です。
また、次世代パワーデバイスにSICより高い性能を有している酸化ガリウムが注目されているようです。

>その構成の場合でのエミフォロの逆バイアスについては、私もシミュレーションでE-B間のダイオードで解決できることを観ましたが、実際、SRM-727AとSRM-T8000のエミフォロにはダイオードが挿入されているようです。

失礼しました、流石はkontonさん、逆バイアスに対応済みでしたか。