聖書のメッセージ


2018年5月13日(日曜)

復活節第7主日
北千住教会 持田嗣生牧師

「主イエスに従う生活」
聖書 マルコ10章32節−45節
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一行がエルサレムへ上って行く途中、イエスは先頭に立って進んで行かれた。それを見て、弟子たちは驚き、従う者たちは恐れた。イエスは再び十二人を呼び寄せて、自分の身に起ころうとしていることを話し始められた。
「今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子は祭司長たちや律法学者たちに引き渡される。彼らは死刑を宣告して異邦人に引き渡す。異邦人は人の子を侮辱し、唾をかけ、鞭打ったうえで殺す。そして、人の子は三日の後に復活する。」
ゼベダイの子ヤコブとヨハネが進み出て、イエスに言った。「先生、お願いすることをかなえていただきたいのですが。」
イエスが、「何をしてほしいのか」と言われると、 二人は言った。「栄光をお受けになるとき、わたしどもの一人をあなたの右に、もう一人を左に座らせてください。」
イエスは言われた。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲む杯を飲み、このわたしが受ける洗礼を受けることができるか。」
彼らが、「できます」と言うと、イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしが飲む杯を飲み、わたしが受ける洗礼を受けることになる。 しかし、わたしの右や左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、定められた人々に許されるのだ。」
ほかの十人の者はこれを聞いて、ヤコブとヨハネのことで腹を立て始めた。
そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では、支配者と見なされている人々が民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。
しかし、あなたがたの間では、そうではない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、 いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい。 人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」
 マルコ10章32節−45節 聖書・新共同訳
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32節に「一行がエルサレムへ上って行く途中、イエスは先頭に立って進んで行かれた。それを見て、弟子たちは驚き、従う者たちは恐れた」とあります。イエスは既に二度受難と復活について予告されましたから、主が先頭に立ってエルサレムを目指して歩まれる姿は全く理解が出来ず、驚き恐れる以外にはない事柄でした。この時、イエスは改めて、御自分の受難と復活について語られました。ここに「引き渡される」という言葉が使われております。イエスは、神を冒涜する者として憎んでいる祭司長や律法学者たちに引き渡されます。彼らは待ちに待った時が来たとして、死刑の判決を下し異邦人の手に引き渡すのであります。主イエスはユダヤ人から見捨てられたユダヤ人です。異邦人は好きなように扱うでしょう。こうしてイエスはユダヤ人からも異邦人からも排斥されて殺されるのであります。しかしここでも三日目に復活すると言われました。神は一切についてのただ一人の主なるお方です。世がどのように主イエスを扱おうとも、主イエスとこの世に対するご自身の御心と恵みのご計画を実現なさることが告げられております。
しかしこの時にも、弟子たちは自分たちの思いに捕らわれていました。ゼベダイの子ヤコブとヨハネが『先生、お願いすることをかなえていただきたいのです』と言いますと、イエスは『何をしてほしいのか』と言われました。彼らは『栄光をお受けになるとき、わたしどもの一人をあなたの右に、もう一人を左に座らせてください』と言いました。イエスは『あなた方は、自分が何を願っているか、分かっていない』と言われました。主イエスの右や左に座る事がどういうことなのか、その内容を全く知らないと言い、そのことは神が決められることだと言われました。
そして神の恵みの支配、すなわち神の国における人のありようを教えられました。『あなた方の中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、一番上になりたい者は、全ての人の僕になりなさい。人の子は仕えられるためではなく、仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。』神はこのイエスを御心に従って復活させ、イエスとこの世に対する恵みに満ちたご計画を実現されるお方だと言われています。イエスはこの神を信じておられたのであります。従って恐るべき事態の起こるエルサレムに向かって先頭を切って向かわれるのであります。
わたしたちも神のご計画の中で、種々の労苦に遭遇致します。しかし主イエスは、神はわたしたちの上に、復活というべきご自身の恵みに満ちたご計画を遂行なさるお方だと言っておられます。困難や労苦に遭遇しますが、それにめげず、主に従って歩む者とされるようお祈りをいたしましょう