聖書のメッセージ


2018年1月7日(日曜)

降誕節第2主日
北千住教会 持田嗣生牧師

「貫かれる神の計画」
聖書 マタイ2章13節−23節

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占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」 ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。
「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。ラケルは子供たちのことで泣き、/慰めてもらおうともしない、/子供たちがもういないから。」
ヘロデが死ぬと、主の天使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて、言った。「起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは、死んでしまった。」そこで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地へ帰って来た。
しかし、アルケラオが父ヘロデの跡を継いでユダヤを支配していると聞き、そこに行くことを恐れた。ところが、夢でお告げがあったので、ガリラヤ地方に引きこもり、 ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレの人と呼ばれる」と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった。
 マタイ2章13節−23節 聖書・新共同訳
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 わたしたちは、クリスマスの時、東方の博士たちが、母マリアと共におられる幼子イエスに会って礼拝し、救い主であることを告白する献げものをしたこと、更に彼らが帰途に着こうとすると、夢で『ヘロデのところへ帰るな』という御告げを聞き、別の道を通って帰って行った事を聞きました。
 そして博士たちが帰ると、主の天使がヨセフに、『起きて、子供と母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこに留まっていなさい。ヘロデがこの子を探し出して殺そうとしている』と告げたので、ヨセフは夜の内にエジプトへ去ったとあります。そしてこのことは、ホセア書11章1節の預言の成就だと記されています。 続いて16−18節には、ヘロデ王がベツレヘム一帯の二歳以下の男の子を皆殺しにしたとあり、このことはエレミヤ書31章15節の言葉の成就だと言われています。この言葉はイスラエルが神に背いた結果、バビロニアの捕囚とされたことを悲しむ言葉でありますが、ここに引用され、今、イスラエルの民が神に背いていることの中で、こうした悲惨な事態が起こっていることが示されています。
その後、時が過ぎ、ヘロデ大王が亡くなり、主の天使が、『起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地へ行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは死んでしまった』と告げたので、ヨセフはイスラエルの地に戻って来ました。しかしユダヤを暴君アケラオが支配していることを知り、恐れました。すると夢でお告げがあり、ガリラヤのナザレに行って住むこととなったと記されています。
ここに記されているように、幼子イエスは、生まれながら、この世にあって繰り返し命をねらわれたのでありました。しかし神は、預言者たちによって語っておられたように、困難はあっても、幼子イエスを守って、救い主としての使命に向かって導かれたことが記されています。この世は神に背き、神のイエスにおける救いの御業を妨害しようとします。しかし神はそうしたこの世の反抗、反逆をも貫いて幼子イエスによる救いのご計画を遂行されたことが記されています。今日も然りです。この世は、あたかも自分が神であるかのように,神から自律的な歩みをし、神の御業を拒絶し、神の子主イエス・キリストによる救いの御業を妨害しようとするのであります。しかし神はご自身のご計画に基づき、いかなる困難をも貫いて恵みの御業を遂行なさるお方であります。
ですから、種々の困難はあっても、世界の主であり、歴史の主であるイエス・キリストによる救いの御業が、聖霊の働きによってこの世界において遂行されることを信じ、倦まず弛まず、聖霊の導きを祈り求めつつ神礼拝に励み、主の御言葉に聞き従い、主の証人としての歩みに勤しみましょう。