聖書のメッセージ


2016年1月10日(日曜)

降誕節第3主日礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「歴史を貫く神の計画」
聖書 マタイ2章13−23節


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   ヘロデが死ぬと、主の天使がエジプトにいるヨセ
 フに夢で現れて、言った。「起きて、子供とその母
 親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の
 命をねらっていた者どもは、死んでしまった。」そ
 こで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イ
 スラエルの地へ帰って来た。
         マタイ2章19−21節 聖書・新共同訳
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 星と聖書の言葉によって「ユダヤ人の王」と言われる方に
会うために東方から旅をして来た占星術の学者たちは、母と
共におられる幼子を見たのでした。それはすべての人に共通
の生の原点と言える姿であります。彼らは、このお方が人の
生の原点においてすべての人にご自分を結び付けておられる
ことを見たのでした。それで、ひれ伏して礼拝し、信仰を言
い表す黄金、乳香、没薬を贈り物としたのでありました。彼
らが帰途に着こうとすると、「ヘロデの所に帰るな」とのみ
告げを受けたので別の道を通って帰って行きました。
 他方ヘロデは、エルサレムの人たちも同様であったと記さ
れていますが、神が遣わされるこの幼子の誕生によって不安
になり、その幼児の誕生について詳細な情報を得て殺そうと
考えていました。しかしそれが出来ず、怒ってベツレヘムと
その周辺の2歳以下の男の子を一人残らず殺させたとありま
す。しかし神はそれに先立ってヨセフに働きかけ、幼児とそ
の母親とをエジプトへ避難させられたのであります。こうし
て、世の反抗の中にあっても神は歴史を貫いてご計画の通り
に主イエスによる救いの御業を遂行しょうとしておられるこ
とが告げられております。
 ヘロデが死んだ後、幼児イエスはパレスチナへ引き戻され
ました。このことについては「わたしはエジプトからわたし
の子を呼び出した」という預言の言葉が実現したと言われて
います。またヘロデによる2歳以下の男の子の殺害によって
引き起こされた人々の嘆きは、預言者エレミヤの言葉が実現
したと言われています。
 更に19〜23節には、ヘロデの死後、ユダヤ地方は暴君であ
る息子アルケラオが支配していることを聞き、神の導きによ
って、ガリラヤのナザレへ行って住むことになりました。こ
のことについては「彼はナザレの人と呼ばれる」という預言
者の言葉の実現だと言われています。この言葉を旧約聖書に
見つけることは出来ませんが、マタイ福音書は神の約束の実
現だと記しています。
 こうして、この世は、自律的な生に生きようとして、神の
働きを拒絶しますけれども、そうした中にあっても神は主イ
エス・キリストによる救いのご計画に向かって事態を導き、
遂行されることが告げられています。
 この世は、神のイエス・キリストによる救いの御業に対し
て反抗をするのであります。しかし神は主イエス・キリスト
による救いの御業を聖霊の働きによって歴史を貫いて遂行な
さるおかたであります。
 この年も、神が主イエス・キリストによる救いの御業を聖
霊の働きによって遂行されるのですから、わたしたちも神を
礼拝し主イエス・キリストの証しに励んで参りましょう。