聖書のメッセージ


2015年12月27日(日曜)

降誕節第1主日礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「心を照らすキリスト」
聖書 ルカ2章21−38節


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   シメオンは幼子を腕に抱き、神をたたえて言った。
 「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり この僕を
 安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目で
 あなたの救いを見たからです。これは万民のために
 整えてくださった救いで、異邦人を照らす啓示の光、
 あなたの民イスラエルの誉れです。」
           ルカ2章28−32節 聖書・新共同訳
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 羊飼いたちは、天使と天の大軍が『天には栄光神にあれ、
地には御心に適う人に平和あれ』と賛美したことを聞きまし
た。そしてその讃美の通り、彼らは布にくるまれて飼い葉桶
の中に寝かされている乳飲み子を見・主イエス・キリストに
よる平和に与り、神を賛美する人とされたのでした。
 本日のシメオンとアンナについての記事もまた、主イエス
の降誕によって彼らが平和と神賛美に与かる人とされたこと
が記されております。
 主イエスは誕生から八日目に御使いの言葉に従って「イエ
ス」(主は救い)と命名され、マリアの清めの期間が満ちる
と、両親はその子を献げるために神殿へ行きました。その時、
聖霊の導きによって神を信じ、イスラエルの慰めなる、救い
主の来臨を待ち望んでいたシメオンか幼子を見ました。彼は
この主イエスを腕に抱き神を賛美しました。先ず「主よ、今
こそ、あなたは、お言葉通りこの僕を安らかに去らせてくだ
さいます」(29節)と告白賛美しました。「安らか」は「平
和」という語です。更に「これは万民のために整えてくださ
った救いで、異邦人を照らす啓示の光、あなたの民イスラエ
ルのほまれです」と告白賛美しました。
 異邦人は主なる神について全く知らない者です。しかし主
イエス・キリストによって父なる神を知り信じる者とされる、
と告白賛美されています。更に主イエスは「イスラエルの誉
れだ」と言われています。「イスラエル」は「神は統治する」
という意味であり、イスラエルの民ば神の恵みに満ちた統治
に与り、その統治を告白証言するという、全ての民の祝福の
基いとしての使命が与えられていました。しかしそれは自力
では果たせませんでしたが、今や主イエス・キリストが降誕
されることにより、イスラエルはすべての民に向かって、神
の恵みに満ちた統治を証しする民とされたのです、と告白賛
美しています。
 シメオンは、主イエス・キリストの光によって心照らされ、
平和が心に満ち、神を賛美する人とされました。そして更に、
イスラエルが使命に生きる者とされ、かくて万民が平和に与
り神を賛美することとなる、と告白賛美したのであります。
 このシメオンの賛美の通り、今、主イエス・キリストの光
がわたしたちの心を照らし、わたしたちも主イエスの平和に
与かり、神を讃美する者とされています。シメオンの賛美と
告白が文字通り今日わたしたちの上に出来事となっておりま
す。かくて、歴史を貫く神の計画、主イエス・キリストの救
いの御業、そしてそれを私たちにとって出来事としてくださ
る聖霊の働きに目を向けて歩む者とされております。
 今、主イエス・キリストの光に心照らされる者とされてい
ることを感謝し、恵みの証人として歩みましょう。