聖書のメッセージ


2015年12月20日(日曜)

待降節第4主日(クリスマス)礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「御言葉の成就を信じて」
聖書 ルカ2章8−20節


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   天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に
 与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、
 あなたがたのために救い主がお生まれになった。こ
 の方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくる
 まって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つける
 であろう。これがあなたがたへのしるしである。」
           ルカ2章10−12節 聖書・新共同訳
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 主イエス・キリスト降誕の知らせは野宿をしながら夜通し
羊の群れの番をしていた羊飼いたちに伝えられました。天使
が近づくと、主の栄光が周りを照らし、「羊飼いたちは非常
に恐れた」とあります。人は、神の光のもとで根源的に間わ
れ、恐れざるを得ない存在であることを示しています。
 しかし御使いは「恐れるな」と告げました。何故なら、
「わたしは民全体に与えられる人きな喜びを告げるからだ」
と言いました。そして続いて「今日、ダビデの町で、あなた
方のために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシア
である。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝て
いる乳飲み子を見つけるであろう。これがあなた方に与えら
れるしるしである」と告げました。
 ここでは二つのことが告げられています。一つは「今日、
ベツレヘムですべての民の救い主がお生まれになった」とい
うことであり、もう一つは「そのお方は、布にくるまって飼
い葉桶に寝ている乳飲み子であり、それがあなた方に与えら
れるしるしである」ということです。すべての人の救い主で
あるお方は、「布にくるまって飼い葉桶に寝ている乳飲み子」
なるお方としてお会いできるのだと告げたのです。
 この御告げは羊飼いにとって驚くべき言葉でした。羊飼い
たちは寄る辺ない旅を続けている人たちでした。そのため律
法は守れず罪人とされ、市民としては扱われず、法廷で証言
することも、契約をすることも許されなかったと言われてい
ます。そして羊飼いたちは寝る時には、「シムラー」と言っ
て首と両手を通すために穴のあけてある布を体に巻き、干し
草を敷いて眠ったのでありました。御使いが告げた救い主の
姿は、このような労苦する羊飼いたちに寄り添うお方である
ことを示していました。
 羊飼いたちにとってこの御告げは真に信じがたいことでし
た。しかし彼らは「主がお知らせくださったその出来事を見
ようではないか」と話し合い、急いで出かけて行き、マリア
とヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当て
たのであります。
 20節には、「羊飼いたちは見聞きしたことが御使いの告げ
た通りであったので、神を贅美しながら帰って行った」とあ
ります。御使いの告げた労苦する羊飼いたちに身を寄せる救
い主についての御告げは信じがたいことでしたけれどもその
言葉は真実でした。それで彼らは喜び神を賛美しながら帰っ
て行ったのであります。聖書は、全ての人の救い主なるお方
は、労苦している個々人に身を寄せるお方としてお生まれに
なったことを告げています。
 わたしたち労苦する者に身を寄せるお方として来臨された
主イエス・キリストを信じ喜び、生きかつ歩みましょう。