聖書のメッセージ


2015年12月06日(日曜)

待降節第2主日礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「神は私たちと共におられる」
聖書 マタイ1章18−25節


------------------------------------------------
   マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付け
 なさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」
 このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通
 して言われていたことが実現するためであった。
 「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名
   はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は
   我々と共におられる」という意味である。
         マタイ1章21−23節 聖書・新共同訳
------------------------------------------------

 
 マリアとヨセフは婚約していたとありますから、近づいて
いる結婚の時に向かって一所懸命準備をしていたことでしょ
う。その最中、ヨセフはマリアが身重になっていることを知
りました。ヨセフは激しい疑惑や怒りに襲われ、如何にすべ
きか途惑ったことでしょう。
 婚約中の女性の不倫は、本人もその相手の男性も裁判にか
けられ、石で打ち殺されることになっていました(申命記22
章23−24節)。ヨセフにとって、それは一つの選択肢であり
ました。しかし彼は正しい人であり、マリアをさらし者にし、
死に至らせることは望まなかったと記されています。
 とは言え、正しい人ヨセフであっても、マリアの受胎とい
う事実によって破壊された自分たちの関係を回復させること
は出来ませんでした。最早、マリアはマリアの道へ、そして
自分は自分の道へと別々の道を辿る以外にはないと考え、ヨ
セフは離縁を決意したのでありましょう。
 その時、天使が夢に現れ、「マリアの胎の子は聖霊によっ
て宿ったのです、マリアは男の子を産む。その子をイエスと
名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである」
と告げました。天使は、この受胎は「聖霊」による神の創造
的な御業であり、またイエス(主は救い)と名付けるように、
更に「名付けなさい」と言うことによって受胎した子の父親
となるよう、ヨセフを促したのであります。
 更に天使は「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。そ
の名はインマヌエルと呼ばれる」という、イザヤによる預言
の言葉を告げ、マリアの上に起こったことは神の約束の成就
であること、同時にこの子は「神は我々と共におられる」と
いうことを人々にもたらすお方であると告げました。
 ヨセフは今、マリアと離縁しようとしています。最早、神
はわれわれなる、ヨセフとマリアと共におられるとは決して
言えない事態になろうとしています。しかし天使は、この受
胎した子が、神はわれわれなるヨセフとマリアと共におられ
るということをもたらすお方です、と告げたのであります。
 ヨセフは、マリアの受胎が神の約束に基づく神の御業であ
ること、また受胎したこの子こそ、人を罪から救い出すこと
によって「神はわれわれと共におられる」ということをもた
らすお方であると聞きました。こうしてヨセフは語られた神
の言葉を信じることへと導かれ、天使の言葉に従ってマリア
を妻に迎えたと記されております。
 わたしたちも、罪から救い出して神との生きた交わりへと
導き、また罪のために引き裂かれているわたしたちを罪から
救い出すことによって交わりに導き、真に「神はわれわれと
共におられる」という恵みによる交わりに導いてくだざる主
イエスを信じ、主に依り頼みつつて歩みましょう。