聖書のメッセージ


2015年11月08日(日曜)

降誕前第7主日礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「神が与えるイエスの栄光」
聖書 ヨハネ8章48−59節


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   はっきり言っておく。わたしの言葉を守るなら、
 その人は決して死ぬことがない。」ユダヤ人たちは
 言った。「あなたが悪霊に取りつかれていることが、
 今はっきりした。アブラハムは死んだし、預言者た
 ちも死んだ。ところが、あなたは、『わたしの言葉
 を守るなら、その人は決して死を味わうことがない』
 と言う。
         ヨハネ8章51−52節 聖書・新共同訳
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 ユダヤ人たちが神の真実を語られる主イエスの言葉を聞か
ずイエスを殺そうとしているので、主イエスが、あなた方が
信じている神と私が信じている神は異なっていると言われま
した。それでユダヤ人たちは、あなたはサマリア人、即ち異
端者で悪霊につかれていると言います。すると主イエスは、
ご自分がどんなに父なる神を重んじているかを、父なる神が
わたしの栄光を求めておられることを信じていることを告げ
られました。この言葉は、自分の栄光を求めるために主イエ
スをさえ殺そうとしているユダヤ人たちのありようとは全く
異なるありようであります。ユダヤ人たちは自分に栄光を与
える神を信じていないので、必死になって自分の栄光を求め、
自己義認の道を歩まざるを得ないのであります。
 続いて主イエスは「私の言葉を守るなら、その人は死ぬこ
とがない」と言われました。ユダヤ人たちはこの言葉の意味
を悟らず、アブラハムも預言者も死んだのに、そんなことを
言うとは悪霊にとりつかれていると言いました。しかしこの
ことは十字架にかかられるイエスを神が復活させ、主イエス
を、信じる人々に永遠の命を与えられるお方とされるという
神から与えられる栄光の内容でした。
 それでユダヤ人たちは「あなたはアブラハムよりも偉いの
か」と問い、主イエスは「アブラハムはこの日を見て喜んだ」
と言われました。これは創世記12章にある故事を指してい
ました。神が、アブラハムにご自身が示す地へ行くようにと
告げ、アブラハムの子孫をすべての民の祝福の基いとすると
告げられましたが、その子孫とは主イエス・キリストを指し
ていることを示されました。そして更に主イエスは、ご自分
がアブラハムが生まれる前からいたと告げ、ご自分のことを
 「わたしはある」と言われました。「わたしはある」とい
う言葉はモーセに顕現された神の名前で、被造物一切を存在
させているお方であることを示していました。主イエスはこ
うして、ご自身が全被造物の根源なるお方であることを告げ
られたのであります。
 こうして、主イエスは父なる神から遣わされ、神のみ心に
従い、父なる神ご自身が主イエスの栄光を求めるお方である
ことを告げ、ご自身と父なる神の比類のない生きた交わりに
ついて証しされたのであります。
 私たちも然りであります。もし私たちが、私たちに栄光を
与えて下さる恵みに満ちた主イエス・キリストを信じていな
いなら、私たちは当然、自分で自分の栄光を必死で求める者
となるでしょう。しかし、もし主イエス・キリストを信じ、
主イエス・キリストの栄光を求めるのであれば、主イエスご
自身がわたしたちに栄光をお与えになることを信じて生き
る者とされるに違いないのであります。