聖書のメッセージ


2015年08月09日(日曜)

聖霊降臨節第12主日礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「迫っている悲しい事態」
聖書 ヨハネ7章32−36節


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   ◆下役たち、イエスの逮捕に向かう
   ファリサイ派の人々は、群衆がイエスについてこ
 のようにささやいているのを耳にした。祭司長たち
 とファリサイ派の人々は、イエスを捕らえるために
 下役たちを遣わした。そこで、イエスは言われた。
 「今しばらく、わたしはあなたたちと共にいる。そ
 れから、自分をお遣わしになった方のもとへ帰る。
 あなたたちは、わたしを捜しても、見つけることが
 ない。わたしのいる所に、あなたたちは来ることが
 できない。」すると、ユダヤ人たちが互いに言った。
 「わたしたちが見つけることはないとは、いったい、
 どこへ行くつもりだろう。ギリシア人の間に離散し
 ているユダヤ人のところへ行って、ギリシア人に教
 えるとでもいうのか。『あなたたちは、わたしを捜
 しても、見つけることがない。わたしのいる所に、
 あなたたちは来ることができない』と彼は言ったが、
 その言葉はどういう意味なのか。」
          ヨハネ7章32-36節 聖書・新共同訳
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 ユダヤ人指導者たち(祭司長たち、ファリサイ派の人々)
は、群衆の中の大勢の者がイエスの御業を見て、「メシアが
来てもこの人より多くのしるしをなさるだろうか」とささや
くのを聞き、少しでも早くイエスを殺すべきだと考えたので
しょう。イエスを捉えるために下役たちを遣わしました。
 するとイエスは、「今しばらく、わたしはあなたたちと共
にいる」と言われました。ユダヤ人指導者たちは、イエスは
この世にいるのだから自分たちの計画通りに事は運び、イエ
スを捉えて殺すことが出来ると考えていました。しかし主イ
エスは「今しばらく、わたしはあなたたちと共にいる」と言
って、ご自分を遣わされた父なる神の時のご支配の中に自分
が置かれており、神のご計画により、今しばらく、この世に
あって与えられた御業のために働きを継続すると告げられた
のであります。
 更に主イエスは「それから、自分をお遣わしになった方の
もとへ帰る。あなたたちはわたしを捜しても見つけることは
ない。わたしのいる所にあなたたちは来ることが出来ない」
と言われました。ユダヤ人たちはイエスを殺し、死の世界に
追いやろうとしていました。しかしイエスは言われます。わ
たしは、あなたがたがわたしを置こうとしている死の世界で
はなく、父なる神がわたしを復活させて、神ご自身がわたし
を置こうとしておられる所、すなわち父の所に帰ることにな
るのだ、と言われたのであります。そして、その時が来れば、
ユダヤ人たちあなた方がわたしを捜しても決して見つけるこ
とはないのです。何故ならあなた方はわたしと共に父なる神
の所にいるわけではないからです、と言っておられます。
わたしたちにとっても然りです。わたしたちはわたしたちを
遣わしておられる主イエス・キリストの時の中に生かされて
おります。また主イエスが備えておられる所に導かれるので
あります。この世に生きているからと言って、この世の備え
た時に生き、この世の備えた場所に行くのではありません。
天と地の一切の権威を持っておられるお方は主イエス・キリ
ストであり、主イエスこそ歴史の主であり、またわたしたち
の時と居場所の主であるからです。この主イエス・キリスト
にある神の恵みを信じ、感謝しつつ、備えられている日々の
歩みに励みましょう。
 尚、主イエスを捜しても見つけられない悲しい時が来る前
に、主イエスの言葉に聞き、主イエスを信じ、主の言葉に従
って生きかつ歩む者とされるよう祈りましょう。