聖書のメッセージ


2015年08月02日(日曜)

聖霊降臨節第11主日礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「平和を実現する人たち」
聖書 マタイ5章9節


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   平和を実現する人々は、幸いである、その人たち
 は神の子と呼ばれる。
                 マタイ5章9節 聖書・新共同訳
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 教会では8月第1主日を「平和聖日」とし、戦争の悲惨
を想起し悔い改め、再び戦争をしないで世界平和を祈る日
としています。今年は敗戦による終戦から70年となりまし
た。戦争の悲惨を覚えることを自虐的なこととして風化さ
せようとする風潮がありますが、これは罪深い自己を見失
い同じ誤りを繰り返すことにつながります。悲惨をもたら
す自己の罪深さを直視しつつ歩みましょう。
 8月はよく「6日、9日、15日」と言われます。広島、
長崎での原爆投下と終戦の日です。連合国側はポツダム宣
言を発表し(1945年7月26日)、日本に受諾を迫りました。
その内容は、戦争を継続すれば日本の被害は増大すること、
軍国主義国家に代えて言論、宗教、思想の自由など基本的
人権の尊重を確立し、民主的かつ平和的な政府を樹立した
時には連合軍は撤収する。更に、第一次大戦後奪取、占領
した場所を返還してそこから去ること、朝鮮人民を自由に
し、独立させること等が条件とされていました。しかし日
本政府は国体維持を条件とし、これを拒否し、戦争邁進声
明を出しました(7月28日)。こうして8月6日、9日の原爆投
下となり、このポツダム宣言を受諾し終戦を迎えることに
なりました。
 こうした経緯で、主権在民、基本的人権、平和主義を謳
う現行の「日本国憲法」が制定採択されました。しかし今
日の政権は大多数の憲法学者が違憲とし、憲法の精神から
逸脱した安全保障関連法案を衆議院で成立させ、参議院へ
送りました。
 こうした歴史的事態の中で、私たちすべての者を愛し、
全ての人の罪を身に負い十字架にかかり復活し、平和の福
音をもたらされた主イエス・キリストを仰ぎたいのです。
主イエス・キリストは、神の恵みに満ちた統治(国)をこの
歴史の只中に実現するお方、世界の主、歴史の主なるお方
です。この平和の君なるお方が、「平和を実現する人々は
幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」と言い、平
和をつくり出すご自分の働きに与るよう召しておられます。
わたしたちはこの平和を実現するお方を信じて祈り、この
お方のみ言葉に従って平和を待ち望みたいのです。  
 わたしたちの世界は敵意、不信、憎悪、ねたみ、支配欲、
むさぼり、驕り、偶像礼拝等などに満ちています。しかし
こうしたものは主イエス・キリストのご支配の下では決し
て実を結ばず、裁きを受ける以外にないものであることを
為政者が知り、互いに理解を深めるために話し合いに努め、
平和を求める道を歩むよう、主に祈りましょう。