聖書のメッセージ


2015年05月31日(日曜)

聖霊降臨節第2主日(三位一体主日)礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「わたしを信じなさい」
聖書 ヨハネ6章22−33節


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   イエスは答えて言われた。「まことに、まことに、
 あなたがたに告げます。あなたがたがわたしを捜し
 ているのは、しるしを見たからではなく、パンを食
 べて満腹したからです。なくなる食物のためではな
 く、いつまでも保ち、永遠のいのちに至る食物のた
 めに働きなさい。それこそ、人の子があなたがたに
 与えるものです。この人の子を父すなわち神が認証
 されたからです。」
          ヨハネ6章26−27節 聖書・新改訳
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 主イエスが五千人の給食をされた翌日のことです。イエス
と弟子たちはすでにカペナウムヘ行っていたのですが、群衆
は、イエスはまだ給食された場所の近辺におられるのではな
いかと考えて探したとあります。しかしおられないことが分
かるとカペナウムヘ行きイエスを見つけると、『先生、何時
ここにおいでになりましたか』と尋ねたとあります。この人々
の呼びかけの言葉はまるで主イエスと何かを共有しているか
のような親しい呼びかけであります。
 すでに聞いて来たように、これら人々は主イエスの給食に
与かると、主イエスを自分たちの王として担ぎ上げようとし
たのでした。主イエスはそのことを知って、彼らを後に残し
祈りのために山に退かれました。しかし翌日も彼らは同じ思
いをもって、主を捜しに来たのであります。
 主はこれを見て、「まことにまことにあなた方に告げます」
と言い、次のように語られました。「あなたがたがわたしを
捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて
満腹したからです。なくなる食物のためではなく、何時まで
も保ち、永遠の命に至る食物のために働きなさい。それこそ、
人の子があなたがたに与えるものです。この人の子を父は認
証されたからです」。
 群衆は主イエスの給食に与って、イエスを自分たちの欲求
や願望を満たす方だと自己中心的に考え、尊敬し期待してい
ます。しかし主イエスご自身は、給食の業は神が人々に永遠
の命を与えるために天からのパンとしてイエスを遣わされた
しるしだと言われました。群衆の、主イエスとその御業に対
する思いと、神のご計画とは全く異なるものとなっています。
 1章5節に「光は暗闇の中で輝いている。しかし暗闇は光を
理解しなかった」とありますが、闇なるこの世は光なる主イ
エスを正当に理解することが出来ないのであります。
 主イエスがこのように告げられたので、群衆は「わたした
ちは神の業を行うために、何をすべきでしょうか」と尋ねま
した。主イエスは「神が遣わした者を信じることこそ、神の
業だ」と答えられました。人間は自分の業で神との関係を成
り立たせようと考えます。しかし主イエスは、そうではなく、
神が遣わした者を信じることこそ神が求めておられることだ
と告げられました。
 人間はイエス・キリストのことを自分なりに考え解釈致し
ます。しかし主イエスとその御業には、私たちを造りわたし
たちをこよなく愛しておられる父なる神の愛と計画が現れて
います。神が派遣されたこの主イエスを信じることこそ、神
が求めておられることだと言われております。