聖書のメッセージ


2015年04月19日(日曜)

復活節第3主日礼拝
北千住教会 持田嗣生牧師

「平和があるように」
聖書 ヨハネ20章24−31節


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   それからトマスに言われた。「あなたの指をここ
 につけて、わたしの手を見なさい。手を伸ばして、
 わたしのわきに差し入れなさい。信じない者になら
 ないで、信じる者になりなさい。」トマスは答えて
 イエスに言った。「私の主。私の神。」イエスは彼
 に言われた。「あなたはわたしを見たから信じたの
 ですか。見ずに信じる者は幸いです。」
         ヨハネ20章27−29節 聖書・新改訳
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 今読まれた記事は、主が復活されてから8日目に起こった
こととあります。主は復活された最初の日の夕方弟子たちに
顕現されたのですが、その時トマスはいませんでした。他の
弟子たちが『私たちは主に会った』と言うと、トマスは『私
はその手に釘の跡を見、私の指を釘のところに差し入れ、ま
た私の手をそのわきに差し入れてみなければ、決して信じな
い』と言いました。何故でしょうか。
 11章に次の記事があります。主がヨルダン川の向こうにお
られた時、ラザロが病気であるという知らせが届きました。
イエスは二日後、『もう一度ユダヤへ行こう』と言われます。
すると弟子たちは『先生、ユダヤ人たちがついこの間も、あ
なたを石で打ち殺そうとしたのにまたそこへ行かれるのです
か』と言いました。するとトマスは『わたしたちも行って、
一緒に死のうではないか』と言ったとあります。トマスは主
と一緒であれば死ぬのも本望だと考えていたようです。しか
し主が十字架にかかられるようになると、主を見捨てて逃げ
たのです。他の弟子たちも同じでありました。
 こうして主は死なれました。トマスたちは最早主との関係
を修復することは出来ません。トマスは自分たちの罪を考え
ると主が弟子たちに『平安あれ』と言って顕現されることな
ど考えることは出来ないでしょう。トマスは罪の力は人格関
係を完全に引き裂くことを知っており信じていたのです。当
然のことでしょう。またイエスは確かに十字架につけられて
死なれたのであります。人が復活すること等信じられません。
 トマスは主イエスとの関係を引き裂いている自分の罪の力
を知っており、また主イエスとの関係を引き裂いている死の
力を知っています。トマスはその力の支配のもとに置かれて
いたのです。ですから、トマスは主の弟子たちへの顕現を信
じることは出来なかったでしょう。確かに罪と死の力はわた
したち人間の上に決定的な力を持っております。
 しかしトマスが他の弟子だちと一緒にいた時、主が顕現し、
トマスに『あなたの指をここにつけて、私の手を見なさい。
手を伸ばして、私のわきに差し入れなさい』と言われました。
治癒し始めた傷です。激痛が走ることでしょう。トマスはあ
の十字架をご自分の身に見に引き受けられた主イエスが立っ
ておられるのを見、『わが主、わが神』と告白しました。主
は『あなたは見たので信じたのか。見ないで信じる者は幸い
である』と言われました。勿論、主を見て信じたトマスは幸
いであります。しかし聖書の預言、弟子だもの証言、そして
聖霊の働きによって信じる人は幸いであります。わたしたち
は今、その幸いな者の一人とされております。“感謝“