坑道の涙




この坑道内には洞内の中間地点にアクセスする、
横穴から入坑する。
入坑するや否や斜度30度超えの急斜面で非常に危険だ。 坑口

目指すは最上段の遺構。
入坑地点からの落差は20m程度ある。
現在ビルの2F付近だが、更に4F付近まで登攀することとなる。 最上段



斜面はどんどん崩れ、
粉塵が舞う。
この小部屋のような遺構はなんなのか。 遺構


遺構の前にはレイルが垂れ下がる。
足元は次々崩れ、もう少しの登攀が危ない。
ザイルをかけるアンカーもなく、注意して登る。 レール


崩れる足元に注意しながら、
暗闇の斜面を登る。
ヘッドランプの照らす場所以外は漆黒の暗闇だ。 登攀


レイルは6kg級の細いもので、
腐食激しく、大きく曲がっている。 レール

ようやく到達した遺構。
崖のきわどい場所にあり、
坑道か小部屋の一部だろうか。 小部屋

地上30m程度の遺構にぶら下がる。
残念ながら内部は埋没し、
遺構は見られない。 坑口

謎の小部屋の左手にも支保工らしき木がある。
急斜面をトラバースするのは危険なため、
少し下ってから再登攀する。 支保工

急斜面を再び登る。
手も使わないと登れない。
足元はガラガラと音を立てて崩れる。 登攀



これも間違いなく分岐坑道だ。
斜面の最上段にあり、足がすくむほどの高さだ。
立派な太い支保工が残存する。

崩れた支保工のさらに上を一応確認する。
どうも穴らしき跡が見える。 坑道

はたして坑道が残存していた。
恐ろしく崩れており、
やがてすぐ埋没している。 廃坑

最上段から振返って見下ろすと、
なんと対面の同レベルに坑道が続いている。
しかも試掘鉱のサンプル棚のようなものが置かれている。

そしてその左側の高い位置にも、
貫通した坑道が見える。 対面坑道


つまり下部の大穴の上部20m付近に2つの坑道があることになる。
対岸から見た光景は絶景で、
さながら涙を流す顔のように見える。

対面の坑道の下に立つ。
坑口までは6m以上あり、
足場もなく、とても登れない。 坑道


下から中空の坑道を見上げると、
鉱脈の走る岩盤の上に、辛うじて穴が見える。
是非入坑してみたいが、それは叶わない。 坑口


巨大ドームの空間から、
未踏の下部空間へ下る。
寒気が一気に来ると同時に・・・ 坑口へ下る


岩盤から染み出る鉱水の氷柱の向こうに、
大量の氷筍の森が広がる。
下部も巨大なドームであった。 氷筍の森


氷に覆われた鉱脈の奥に、
更に脇抗がある。
入坑してみよう。 別抗


脇抗はすぐに上部に掘られ、
奥へは続いていない。
鉱脈に沿って採掘した結果だ。 露天堀


連なる氷筍に沿って坑道を進む。
奥へ更に採掘跡の坑道が続いている。
これは超大型坑道だ。 氷筍


氷筍の向こうに巨大な坑道が下っている。
氷筍を折らないように、細心の注意を払い
奥へ進む。 氷筍と坑道


氷筍に光が差し込み、
坑道のドームは幻想的な異空間となっている ドーム


本坑の氷筍は、 カルルス鉱山と比べて先端が丸い。
滴下のペースとその水温、気温と風などの多くの条件で、
氷筍の形も大きさも左右されるのだろう。 氷筍


相変わらず氷筍の続く坑道を進む。
自然の洞窟のようにも見えるが、
やはり人工的な設備が現れる。 坑道



坑道には一部、巨大氷柱が伸びる。
ただ、この部分を通らなくても、
先に進むことは可能だ。 つらら


坑道を進むと、そこには正方形の穴が現れた。
その内部には埋没したプーリーのような遺構がある。
腐食激しいが、これは竪抗の跡だ。 竪抗


竪抗跡の脇には分岐坑道がある。
ここまでは大空間だったが、
ここからは通常の坑道となる。 分岐坑道


見慣れた一般的サイズの坑道に侵入する。
通常の鉱山でこのような遺構があれば、
それだけでも驚きだが、今回は鮮烈すぎてインパクトは少ない。 採掘坑道


最奥には立派な支保工が構成されている。
抗床は乾燥しているが、
かつては水没していたようだ。 支保工


坑道は奥で埋没しており、
それ以上は進めない。
再度あの大空間へ戻る。 最奥


坑道内でザァザァと水の流れる音が聞こえる。
坑内川が出現した。
かなり大きな音だが入り口付近に川はなかった。
これはどういうことか・・・。 坑内川


川を下流に下るとそこには大きな穴が出現した。
そして水流は滝となって大穴に飲み込まれ、
これ以降、下流は無くなる。


一方上流はどこへ向かうのだろう。
坑木の散らばる坑内川を遡る。
相変わらず天井は高い。 上流


最上流には新たな坑道が現れた。
水は緑で深い。
坑内川の水源は、この坑道の奥からどんどん流出している。 最上流


坑内川を最上流から下流へ望む。
坑内に出現し、坑内で消える川。
地形図にも表れない、地底の川だ。 坑内川


水没坑道に入坑する。
奥には坑木が重なる。
水深は恐ろしく深くここまでが限界だ。 坑内川


鉱石や硫黄成分も落下している。
水没隧道からさらに奥を目指す。 硫黄


坑道は少し狭くなり、
しかし更に続く。 坑道


最奥は支保工共々埋没している。
これが最奥の風景である。 支保工


奥深い巨大坑道は氷筍で覆われている。
氷筍







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凍結坑道
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