林道から望む坑道




鉄山町から南方への林道を進む。
標高110m付近から徒歩に切り替える。
林道から沢向かいに目指す坑道はあるようだ。 野広沢

林道から対岸を見る。
野広2号坑は林道から確認できるとの
事前情報である。 野広1号


林道から目視で坑道の発見に至ったが、
一旦、野広沢川まで下る。
付近にも遺構が無いか注視して沢を遡る。 野広沢川


河原には人工物の木材が半ば埋没している。
これは軌道か橋梁の残滓のようだ。
この上部に坑道はある。 廃祉


斜面の上部には黒い坑口である。
ここが野広2号坑のようだ。
風の通りもなく、奥に続く様子もない。 野広2号


野広2号坑は奥に進まず、直下竪抗のように掘削されている。
足元から真下に穴が続く。
しかし数mで埋没しているようだ。 立坑跡


野広2号から約100m遡上すると野広1号のはずだ。
この野広の2坑については石崎宮の川側の鉱床と異なり、
黄銅鉱・閃亜鉛鉱、方鉛鉱、石英脈を鉱床とした。 遡上"


約100m南部の斜面に残存する野広1号坑である。
ここは高い位置に坑口がある。
なんとか登ってみよう。 野広1号



こちらの坑道は奥に続いている。
高さは屈んで歩く程度。
延長は30mほどで、水没もしていない。 坑道 border=


更に数十m上流左岸の名もない坑口である。
周辺には3か所の坑口が密集していることとなる。
内部を確認してみよう。 坑道 border=


こちらは更に短く10mもない。
内部は羽虫が多く、
環境は良くない。 坑道 border=


なだらかな峠越えを行う。
海側の鶴野方面へ向かう。
峠の標高は160m程度だ。 峠



石崎宮の川の最上流を東へ進む。
林道から外れて沢沿い約400mが目指す地点だ。
沢は鉱山にありがちな赤い色をしている。 石崎宮の川


廃道を遡ると砂防ダムがある。
これを超えると更に道なき道となる。
しかし標高は100m付近で栄坑に近い。 砂防ダム


ダムの上流100mで廃墟である。
左岸の斜面近くに残存するRC造の廃祉だ。これは浮遊選鉱所の跡であろう。
酸化物は吸着しにくいが、金属や硫化物は水をはじくためその粒子は捕らえやすい。 製錬施設


浮遊選鉱とは微粉砕した鉱石を、起泡剤と捕収剤を加えた溶液に懸濁させ、
空気などで泡を起こし、その泡の表面に目的の鉱物を付着分離させる選鉱方法である。
捕収剤の種類を変更すれば目的の硫化物を分離することができる。 浮遊選鉱


辛うじての鉱山道路のなれの果てのような獣道を行く。
そろそろ栄坑付近のようだが、
その痕跡は発見できない。 ユリ路


見上げた斜面の遥か上部に坑口である。
これが栄坑だ。
延長はおよそ250m、対面は昌栄坑と接続する。 栄坑


坑道は少し水没している。
鉱脈図では複雑に分岐しているが、
現在はすぐに埋没している。 栄坑


更に上流の新坑、大貫坑付近へ遡ったが、
それらの発見には至らなかった。
閉山からおよそ65年。その痕跡である。 大貫坑







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