大理石鉱山の上流




旧尻岸内村 日の浜付近。
尻岸内川が太平洋に流れ込む。
ここから尻岸内川左岸を遡る。 日の浜

当初は林業の伐採が近年行われたらしく、
締まったグラベルに開けた谷間が広がる。
海岸線から鉱山までは約15kmだ。 林道

数キロで大理石鉱山跡がある。
露出してる大理石を磨き、灰皿などの商品化をしたところ、
家内工業では追いつかない受注となり工業化が図られた。 大理石鉱山

これは沈殿池らしい。
やがて多種多様の大理石製品を販売し、
「恵山石」と名付けられるに至った。 沈殿池



露天掘りの跡がある。
建材としてのパーライトの産出にも着手され、
これにエゾ黒と銘を打って、町内特産品としての声価を高めている。 大理石鉱山



ズリ山の下部には棄てられたバスがあった。
蔦が絡んだ大型バスの廃車である。
目指す鉱山跡はあと4km程だ。 廃バス



立石沢が尻岸内川に流れ込む地点から徒歩に切り替える。
まずは付近の鉱山事務所と火薬庫の探索だ。
また製材所の存在も地質図に記載されている。 ハイク


ここが事務所兼合宿所跡である。
坑内火薬庫と製材所方向に探索する。
もはや建屋は何もない。 事務所兼合宿所


そして発見したのはレイルである。
規格は12kg級程度で数本が朽ちている。
このレイルの級は1m単位の重さを言う。 レール


立石沢の左岸には鉱山道路らしき廃道がある。
上流域に砂防ダムが存在しないなら、
この道は当時の鉱山に係わる道路だ。 鉱山道路


そこから400mで坑口付近だ。
穴のような部分のあるので、
少し登ってみよう。 坑口


斜面に現れたのは坑口である。
落ち葉で埋没激しいが、
約70m掘削された「大竜坑」のなれの果てだ。
(マウスon埋没内部)


いよいよ沢が狭くなると、
人工的な堀割に見えないこともない。
更に遡る。 谷


沢の斜面に明らかに人工的な木材が現れた。
板厚は20mm程度で桶流しでの精錬に使用したのかもしれない。
この谷が鉱脈に沿ったものである証拠だ。 桶流し


上流域で現れたのは人工的な木材の構造物だ。
これは自然に重なり合ったものではなく、
明らかに組み付けられている。 坑口


これは自然勾配を流用した坑口から続く桶流し精錬の跡であろう。
含金砂礫を用水と共に底に桟のある、木製のボックスに流し、
比重差を利用して必要な鉱石を桶の底に捕獲するのである。 ホッパー


坑口付近は荒廃激しく、
しかし組まれた坑木が迫力だ。
かつては銅25.4%鉛22.1%と高品位鉱であることが確認された。 坑門


谷に向かって散乱する人工的な坑木群。
調査により10本以上の鉱脈の
点在が確認されたという。 坑木


金・銅・鉛は建値が高価なだけに、
原鉱の品位と産出量によっては、
十分輸入鉱に太刀打ちできたはずだった。 坑口







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坑口付近
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