大黒様と恵比寿様


本坑は巨大な煙突と精錬所を持つ国富鉱山とは別の鉱床で、
国富鉱山
経営も個人であった。

銅、鉛、亜鉛鉱床としての資料や金・銀鉱床としての資料もある。
第三紀頁岩・凝灰岩、流紋岩中の黒鉛鉱床から成り、

黄銅鉱・黄鉄鉱・方鉛鉱、重晶石などの鉱石を採掘した。


雪解けの微妙な時期に、山中を訪れた。






川原には雪を割って花が咲いている。
雪解けで水量は非常に多い。 花

残雪の斜面を登る。
4時間は山中を歩くことになりそうだ。 登山

倒木や雪渓の残る谷沿いを歩く。
珍しく鹿の足跡が少ない。 雪渓

対岸には大規模な雪崩の跡がある。
残雪が大きな塊のまま落ちている。 雪崩

沢を歩く。
今回はフェルト靴のため、ほとんど滑らない。 沢歩き

いよいよ沢を歩く。
ウェーダー越しでも水流は冷たい。

道はすでに無い。
かつては鉱山に関連した道があったのだろうか。 廃道

対岸の崖に穴がある!
アプローチの道は無い。 坑口

雪解けの水量で直接渡渉はできない。
赤ラインでザイルを掛け、
黄ラインで坑口に下る。 アプローチ

積雪期なら渡渉できるかもしれない。
地質図上では「滝の下坑」
読んで字のごとく、大量の水が滴り落ちている。 坑口

ザイル頼りで苦労して登攀した。 冷たい雪解け水の滴る坑口に突入する!
度重なる土砂崩れで、ザックを担ぐとギリギリの高さだ。
果たして坑道なのか。 坑口

掘削の様子や水没の状況から、それは
「滝の下坑」だ。
水没激しく膝までの水位がある。 坑道

奥へ進む。
高さは2M程度で完全な素彫りだ。
足元の水中に何かある。 坑道内

それは水中に残る「ネコ」であった。
鉱石を運搬する一輪の台車だ。
ボディは木製で車輪は鋼製だ。 ネコ

「ネコ」の車輪には、
かえるの卵が・・・
歩くと泥が攪拌する。 卵

坑内にはカビか鉱物か、
岩盤がキラキラしている。
坑内は匂いも無く、空気は澄んでいる。 鉱物

振り返れば坑口だ。
外が眩しい。
更に奥へ進む。 坑口

坑口によくある試掘の跡もある。
楔を打ち込んだ跡だ。 試掘

最奥を目指して、
水没しつつ歩く。 奥へ

閉塞部は十数mで訪れる。
崩れたのではなく、これ以上掘削していないようだ。 閉塞

再び、外界へ戻り、
ザイルを用いて登攀する。 ザイル

再び沢を登る。
スノーブリッヂに注意する。

レイルだ!
川原に水没しつつ
二条のレイルが残っている。 レイル

川を遡る。
レイルがあったことから、
いよいよ現場は近い。 沢登り

雪渓の急な斜面をトラバースする。
上流にはあと二つの坑口があり、
その名称は「大黒坑」と「エビス坑」。 雪渓

対岸に坑口らしき穴が見えた。
ここもアプローチは危険だ。
穴が見えるだろうか。

いよいよ発見した坑口に突入する。
「大黒坑」と「エビス坑」これがどちらなのか、
現時点では解らない。 坑口

内部は入り口付近のみ水没し、
坑道は奥へ続く。
ルートは3本に別れる。 坑道

目の覚めるようなブルーの鉱石がある。
ここだけ、この一箇所だけが、
鮮やかなブルーだ。 鉱石

別の坑道。
坑道の真ん中に一升瓶が落ちている。
当時のものだろうか。 一升瓶

先は割れているが、
形状を留めている 。 一升瓶

もう一方の坑道は、
九十九折れで先へ進む。
やたらと曲がっている。 九十九折れ

奥へ進む。
獣の匂いがある。 坑道

やはりコウモリが居た。
じっとして動かない。
他の壁にも数羽いる。 コウモリ

崩れた坑木の積み重なる坑道。
岩盤も崩れつつある。 坑木


最奥は非常に荒れている。
落盤も多いようだ。 三方向ともの閉塞を確認し外部へ出た。
落盤

この坑道はエビス坑のようだ。
ここから標高で18m下部に、 大黒坑があったはずだが・・・
落盤

付近をくまなく探索したが、
これまでのような坑口は見えない。
雪渓の下なのだろうか・・・ 大黒坑

他とは違う泥の流れる沢を見つけた。
その沢を辿ると、雪の切れ目に 坑口のような斜面があった。
大黒坑

雪渓から覗き込み、
斜面を覗くと、 穴のような、埋没した部分を発見した。
これが大黒坑だろうか・・・ 大黒坑

残り一つの「大黒様」には、
会えなかったが、
一つぐらいは謎が残ったままのほうが面白い。 雪渓






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雪渓
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