石油會社専用軌道




当別町から普通林道「五の沢線」に入る。
全面舗装の林道だ。
通る車両は非常に稀な静かな道だ。 五の沢線

少し行くと五の沢ダムがある。
昭和5年に建設された水田への湧水目的の溜池ダムだ。
有効貯水量370,000立米という小さなダムだ。 五の沢ダム

尾根に沿った林道を進む。
所々で石狩方面や厚田方向の海岸線の展望が広がるが、
木々に遮られ、圧倒的な展望ではない。 林道

やがて草の刈られた一角が現れた。
ここが鉱山跡の一部で石碑があり、
今でも手入れされ保存されている。 鉱山跡

石碑には「石狩油田 八の沢鉱業所」とある。
簡単な歴史の要約も記載され、
たまには人も訪れているようだ。 石碑



付近には昭和23年当時の施設図がある。
ガソリンバー、購買部、電気開閉所と鉱山関連の施設が並ぶ。
残念ながら古地形図に記載された「石油會社専用軌道」は描かれていない。 地図



付近の木々には鳥の巣が設置してある。
しかし鳥は不在であった。
施設図で見ると、現在地は鉱区の中でもかなり下流であるようだ。 鳥の巣


石狩町立 八の沢小学校の坑門跡である。
唯一、当時の施設として保存してある。
軌道跡を少し探索してみよう。 校門跡


石碑の広場の奥は完全に激藪だ。
北電の発電所跡方向に進むが、
これでは何も発見できないかもしれない。 杜


付近に残るRC製の遺構である。
軌道のものなのか、
油井に関するものなのかは想像がつかない。 遺構


森の奥には沼があった。
もしかしたら人工的な油井の跡が陥没したものかもしれない。
しかし何も確証は得られない。 沼


少し下部には神社らしき碑がある。
伊夜日子神社とあるが、
社や鳥居は無い。 廃神社


その先のブッシュの向こうからはコールタールのような異臭が鼻をつく。
精製されたガソリンの臭いではなく、
作動油のような臭いだ。 重油


その繁みの奥には、火気厳禁の看板があり、
その部位だけ植生が無い。
そして地面は異様い黒い。 湧出


ここが重油の湧出地点で、
黒い部分が染み出した重油の跡だ。
中央の茶色部分はボコボコと何かが噴き出している。 原油


これは天然ガスが噴き出している穴だった。
水中からは絶えず泡が湧出し、
地球の脈動を感じられる珍しい風景だ。 天然ガス


下山して海岸線の望来に移動した。
ここ無煙の浜にも黒い植生の無い泥寧地が広がる。
62.9mの三角点の少し北の浜の丘陵を歩く。 望来


水たまりには盛大に油膜が浮いている。
臭いも先ほどと同じコールタール臭である。
付近を探索してみよう。 油分


得てして先ほどと同様の黒い土壌の部分が現れた。
ここも植生は無く、中央部は天然ガスの湧出が見られる。
海岸にはファミリーが居るが、少し離れたこの部分は荒涼としている。 荒涼



海岸から丘陵に登る廃道がある。
付近には試掘井があったようなので、
探索してみよう。 試掘油井


上部にはまたもや火気厳禁と啓発された一画があった。
緑の架台で覆われた部分を覗く。
ここが試掘油井であろう。 試掘井


2か所ある架台の中には、マンホール状の穴がRC製の蓋をされ、
雨水枡のU字溝が重石のように置かれている。
かつての繁栄も今は荒涼とした浜に残すのみだ。 マンホール







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湧出
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