竪坑を跨ぐ
レイルは細くて心もとない。
腐食も著しい。
軌間は762mm程度でレイルは12kg/m級以下のようだ。
少し進むと右下に、
崩れた横坑がある。
下部工に向けて崩れただけなのか、
2m程度の深さで埋没している
岩盤は赤く、所々に木の楔が刺さっている。
地圧や通気、崩落の対策なのだろうか。
鉱石と鉱水による鍾乳石が伸びる。
昭和40年代に閉山となってから、40年以上が経過する。
鍾乳石を折らないように、
奥へ進む。
LEDライトの届かない範囲は、
真の闇だ。
埋没か。
数十mで埋没が確認された。
隙もなく、風の通りもない。
大量の土砂が上部から流れ出ている。
軌道の上に、腐食した機械が朽ち果てている。
外観からは何の機械かわからない。
坑道の岩肌には黄色い鉱水の跡が残る。
鉱石の成分を含んだ水が、長い年月をかけて作り上げたものだ。
すぐ上部の竪坑に移動する。
縦長の岩の裂け目に支保工が何本も眠っている。
坑木には上部から滴る鉱水によって、
氷筍が生長している。
坑木は固定が緩く、今にも落下しそうだ。
坑口付近を振り返る。
まだ十数mしか潜入していないが、
別世界だ
少し進むと崩れた坑木が行く手を遮る・・・
頭上に注意し、隙間を抜け、
更に奥へ進む。
足元にも突然の穴があり、
非常に危険だ。
足元から真下や縦横に坑道が続く。
穴は非常に深く見た目だけでも、ビルの3F程度はある。
蝙蝠の糞らしい。
少し暖かい風が吹き上げる。
どこかに繋がっているのだろうか。
一段上に丸い大きな輪が見えた。
プーリーのようだ。
竪坑に繋がるゲージなのだろうか。