廃道の向こうの軌道跡 




置戸町は旧網走支庁の南西端に位置する、
人口3,200人の山村だ。
森林面積が街の8割を超える。 置戸

鹿ノ子(かのこ)ダムは街の15km西に位置する、
重力式コンクリートダムだ。
昭和43年から実に15年間の歳月をかけ完成に至った。 鹿ノ子ダム

ダムからは石北峠方面へ林道を進む。
非常に分岐が多いが、車両はそこそこ入山しているようだ。
目指す鉱山跡は標高800m付近である。 林道

地質図で推理した鉱山跡付近に到達したが、
そこはただの山中でしかなく、
完全に自然に還っている。 鉱山跡

全くその痕跡は無さそうだが、
まずは「旭北坑」「中田坑」方向を目指して入山する。
この幽山で坑口を発見するのは至難の業かもしれない。 砂防ダム



露頭のような岩石の露出も見られるが、
鉱山に関する痕跡は皆無だ。
赤い沢や汚泥の流れる沢、そして植生の無い斜面などがあればいいが・・・。 露頭



発見したのは小さな沢。
この流れに沿って登れば坑口に遭遇するかもしれない。
但し、この状況では徒労に終わるかもしれない。 沢


そして斜面を這え登るさなかに見つけたのはレールだ。
短いが9kg級程度の鉱山軌道の跡だ。
これで鉱山跡の確証が得られた。 レール


鉱山軌道に沿って激藪を進む。
恐らくこの先に出現するのは・・・
期待も深まる。 軌道跡


その先では埋没した坑口跡に到達した。
これは鉱床図から「旭北坑」で間違いない。
レールの発見が無ければ到達できなかったかもしれない。 坑道


そして付近で遭遇したのはトロッコの車軸である。
約50年の時を経て現れた鉱山跡の生き証人だ。
しかし結果的には、これがこの日最大の遺構となる。 トロッコ


鉱床図と地形図から推論した、
中田坑方向へ標高を維持したまま、
斜面をトラバースする。 坑口


その後到達したのは泥の流れ出る一画だ。
ここは斜面から汚泥が露出しており、
埋没した「中田坑」で間違いないだろう。 中田坑


まったく道の無い斜面を移動し、
「旭栄坑」「2L坑」方面へ進む。
この先は更に歩きにくい。 廃道


坑口群の記載のある、
3号露頭付近に到達したが、ここでは目指す坑口を発見できなっかた。
今回はトロッコのアクスル発見ということで満足の成果だった。 3号露頭







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軌道跡
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