坑道 最奥


これまで多くの坑道に入坑してきた。
酸欠やガス、埋没や落下、現実的な恐怖はいつも付きまとうが
今回はひたすら興味が優先して
最奥を目指すこととなった。



坑口から数十m進むと、
坑道内を流れる川と交差する。
鉱水

鉱石゙ 茶色い大きな鉱石が河床に横たわる。
まずは左岸に沿って下流へ向う。



明度゙ 実際の明度はこのように暗い。
今回は200ルーメンを筆頭に、
3基のLEDライトを持ち込んだ。


地底川

地底川を下る。
水中はゴツゴツしており、滑らない。

川

水深のかなり深いところもある。
喫水線が今よりも上のほうにあり、
もっと深くなることもあるようだ。


登坂

川岸に登る。

崩れそうな天井が見える。

洞窟

洞窟のような穴を登る。
川から急激に上部へ続く。

ひたすら登る。

渡渉

手を使わないと登れない急坂だ。
足元が崩れ、遥か下部の川に落石の音が聞こえる。



天井にはポツポツとこうもりが現れ始めた。
これでたぶん酸欠の心配は無い。


蝙蝠

よく見るとこうもりたちの密度は高い。
かなりの数がいる。



近づいてみる。

こうもり

ときどき震えるが、
こうもり達は近づいても、照らしてもまったく逃げない。


こうもり

大きさは10cm足らずで、ほのかに暖かい。
びっしり毛が生えている。


鈴なり

ここだけはなぜか鈴なり。
10匹ぐらいが固まっているようだ。



靴

穴の最上部には靴の破片が・・・。
安全靴と云うより長靴が劣化したもののようだ。
かつての坑員のものだろうか。不思議な光景だ。






今度は続く横穴に進む。
上部には崩れそうな、巨石がある。
気温は上昇し、真冬だというのに過ごしやすい適温だ


支保坑

上部には立派な支保坑が現れた。
しかし固定はされず、斜面に潜っている。


水蒸気

起伏がだんだん激しくなり、
水蒸気も飽和してきた。
「ザァザァ」と水流が聞こえる。

支保坑

上部に向って支保坑が現れた。



支保坑を見る


探索

LEDライト便りで奥へ進む。
破壊の跡著しい。

滝壺

坑道は突然、中空の大ホールに出た。
ホールの両側には2本の滝がある。

鈴なり

このあたりは更にこうもりの密度が高い。
おびただしい数になってきた。





滝壺に向かって下る。
坑道面は粗く、いかにも掘削した跡がある。


こうもりたちが飛び始めた。

飛翔
横穴

坑道は複雑に入り組んできた。
縦横に入り乱れ、迷いそうだ。


支保坑

これぞ坑道と思えるような、立派な支保坑が現れた。


坑木

太い坑木。
釘の跡も所々にある。


滝

片方の滝の落下地点に出た。


滝壺

滝壺は轟々と音がし、
その飛沫も凄い。
滝壺の奥には、崩れた坑木が
さながら十字架のような様を晒している


滝

滝壺と同軸の水平坑道を奥に進んでみる。
ここも水が流れるときがあるようだ。
水には少し硫黄臭が混ざっているようだ。



空洞

滝壺の下部に続く道がある。
その先は急激に折れ曲がり、
その穴の先にはLEDライトも届かない。



激流

深い穴の奥には渦巻きのような水流があり、
非常に恐ろしい。ここで折り返す。


坑木

途中には1本だけの立派な坑木が天井を支えている。
楔が打たれ、大黒柱のようだ。


随道

坑木の間を縫って戻る。
少し木の腐敗臭がある。


坑門

この明度ではライトなしでは決して前進できない。
足元にも頭上にも注意して進む。





生の坑道を堪能し、
10分後、太陽の下に到達した。




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