雪を割るリュウキンカ
宗谷地方の最高峰である函岳(1,129m)の麓、
山林が総面積の83%を超える歌登市街地から、
志美宇丹(しびうたん)に進み、そこから山中へ入る。
志美宇丹川に沿って林道を登る。
白樺林の整備された林道だ。
ここから約15kmほど遡る。
鉱山跡まで3km付近で残雪に見舞われた。
ここから徒歩となる。
付近に注意しながら登ってみよう。
上流に向かって歩くと、
鉱山道路らしき道が続き、
所々に平場が見える。
少し登ると人工的な岩場が見えた。
残雪の中、近づいてみよう。
初の遺構か。
産業機器の土台となるような岩だ。
そして奥には作動油のペール缶が朽ちている。
付近が鉱山跡の中心部だ。
上流は更に鉱山色が色濃くなるが、
目立った遺構は出現しない。
残雪も増えてきたようだ。
雪を割って咲く、リュウキンカだ。
毎年春の残雪時期の沢でいつも出会う花だ。
もう少し遡上してみよう。
ここは橋の跡ではないか。
恐らく木製の橋が架かっていたのだろう。
右岸のアバット部分だけが残存する。
そしてようやく現れたのが施設の基台跡だ。
深い山中にRC造の躯体を横たえる。
精錬か機器の設置場所だったのだろう。
そして発見したのが雪国では一般的な「ママダンプ」である。
当時鋼製だったことが驚きである。
ここに産業があり人々が居たことの証である。
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