保盛鉱山跡 探検: 北の細道 保盛鉱山

保盛鉱山の賢者の石



北海道留辺蕊

 映画でも話題となった『賢者の石』とは魔法の力を帯びた伝説の赤い石のことで、
これは不老不死の妙薬であり、また金属を純金に変える力も持っていたとされる。
かつて賢者の石と呼ばれた鉱石は、中国の辰州(現在の湖南省付近)で産出したことから、
『辰砂』(しんしゃ)と呼ばれるようになった。

辰砂は弥生時代から赤い色の原料として用いられてきた石で、
主成分は硫化水銀、化学式はHgSである。
神社の赤い鳥居などには魔よけの意味も含め、
この賢者の石から取り出された朱色が用いられている。

この赤い石、辰砂を400〜600℃に熱すると水銀蒸気が生じ、
これを冷却すると水銀が生成される。

水銀は多くの金属を溶かして合金を作り、これは『アマルガム』と呼ばれる。

水銀を、粉砕した岩石が入った容器に注ぐと、岩石内の金のかけらがあればそれと結びつく。
結びついた銀色の塊がアマルガムであり、その塊を加熱して水銀だけを蒸発させれば、
金だけを抽出することができる。


留辺蕊町の水銀鉱床の中で今回探索した保盛(やすもり)鉱山は、
市街地の北方2qの地点にあり、
昭和25年頃に一次稼行されていたが、昭和26年には休山し現在に至っている。
たった1年間の稼働、規模ももちろん小鉱山の域であり、
結果的には大きな遺構には巡り合えなかった。
ただし鉱山跡のデーターベースという意味合いで今回は紹介したいと思う。





汞・辰砂・賢者の石・・・


秋晴れ
秋晴れ



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