香辛料の栄養的効果とその使用法についての研究

  (栄養士科)足立 愛、 岡崎 弥生       日野 裕太、藤澤 啓太                        (担当教員)北村 新蔵 【目的】   私たちが栄養士として、この香辛料にどのような栄養効果が期待できるのかをその香辛料の  歴史的背景やその種類、地域性及び料理に及ぼす影響(塩分量の軽減効果)等を、主に栄養面  から考察することを目的とした。 【方法】   香辛料に関する各種書籍や文献、及びWeb情報を基に、この概要、種類や栄養成分、そし  てその効果を食品学・栄養学・生理学の観点に立って調べる。また、香辛料に関する一般の人  々の関心度を調べるためアンケート調査を行う。(代表的な香辛料の官能検査により、どの程  度その味覚や刺激性、が判るか、また塩分量の代替効果等を調べる。)そして、香辛料を用い  た料理レシピを作成し、その味覚の効果を調べる。 【結果及び考察】   香辛料は、スパイスと同義語的に用いられているが、動物性のものではなく、植物用途上、  食品素材上および料理用途上に分類されていて、薬ではなく食品であるとされている。そして、  主として熱帯、亜熱帯、温帯地域に産する植物の種子、果実、花蕾、柱頭、葉茎、木皮、根塊  などから得られ、刺激性の香味を持ち、飲食物の風味づけや着色や食欲増進や消化吸収を助け  るものである。アンケートの結果から、一般的に知られている香辛料は男女ともコショウ、シ  ナモン、ガーリックが知られており、知られていない香辛料はホースラディッシュ、オールス  パイスが目立って少なかった。頻繁に使用する香辛料ではコショウ、トウガラシ、ガーリック  が多く、使用頻度が少ないものはセリ、サフラン、ヨモギだった。香辛料から思い浮かぶ料理  はカレー、ぺペロンチーノ、マーボー豆腐が多かった。これから、刺激的な料理(ぺペロンチ  ーノ、キムチ、マーボー豆腐など)、比較的色の濃い料理(パエリヤなど)、胡椒を用いた料  理(ハンバーグ、野菜炒めなど)に香辛料が使用されているという認識があるということが分  かった。香辛料に対するイメージは辛いが一番多く、次に匂いがきつい、良い匂いが多かった。   香辛料ではないと思うものでは、トマト、ホウレンソウ、ダイコンが多く挙げられていたが、  ダイコンは参考文献によると香辛料に含まれるとの記述があったため、香辛料と定義した。香  辛料の生理機能への影響に期待していると答えた学生は67%、期待しない3%、分からない30%、  減塩効果を期待すると答えた学生は63%、期待しない6%、分からない30%であった。   これから香辛料が与える生理機能への影響や減塩効果に期待する学生が全体の7割弱程度で予  想以上に期待されていないことが分かった(図1,2参照)。これは、学生に香辛料が健康に関  与するということがあまり知られていないのではないかと考えられる。今後、生活習慣病予防や  健康寿命の延伸などが注目される中で香辛料が活躍していくと思われることから栄養士、管理栄  養士が香辛料についての正しい知識を持ち活用していくことが大切になってくると思われた。
   減塩効果に関する図1男性    減塩効果に関する図2女性

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