食品表示についての考察            ― わかりやすい食品表示についての一考察 ―

                 (栄養士科)   小木渓子 奥野五月 北沢香南子 猿橋郁美                          柴田恵美 豊嶋舞子 西あゆ美                (担当教員)   北村新藏 【目的】   食品表示について消費者がどの程度関心を持っているか、また、現在のその食品表示はわかりやすいもの  なのかわかりにくいと考えられているかについて本校内でアンケート調査をおこないその結果をもとに食品  表示について考察することを目的とした。 【方法】   食品表示に対する関心度とわかりやすさについてのアンケート用紙を作成し、京都栄養医療専門学校在籍  の学生を対象にアンケートを実施した。   アンケートは、問Tで(1)食品表示全体についての関心度を「1とてもある」から「5まったくない」  の5段階で評価してもらった。ついで(2)食品表示を具体的に@製造年月日、A消費・賞味期限、B原材料、  C添加物、D栄養成分、E内容量、F生産地、G製造者、H包装材料、I保健機能食品などのマーク、の10  項目に分けそれぞれを(1)と同様に関心度について評価してもらった。また(3)でこの10項目の中でど  れに最も関心があるかを調べた。そして、問Uでは、食品表示のわかりやすさについて問Tと同様の調査を  実施した。 【結果および考察】   アンケート調査の結果より、対象者が普段よく目にするものに対しての食品表示についての「関心度」を  図に示した。「関心がある」の割合が最も多かった。10項目に分類した具体的な食品表示の内容の中で「最          食品表示図  も関心度ある」との回答が多かったものは「消費および賞味期限」であり、ついで「原材料」、「栄養成分」  であった。関心度が低かったものととしては「包装材質」、「製造者」、「保健機能食品などのマーク」であ  った。   また、「生産地」の関心度も低かった。   「消費および賞味期限」が最も関心度が高かったことに関して以下のようなことが考えられる。菓子類・生  鮮食品・加工食品など購入するものにかかわらず何にでも表示がなされており馴染み深いこと、また、消費お  よび賞味期限で比較的簡単に食の安全性が判断できること等が挙げられる。「原材料」については関心度が高  かったことは、やはりBSE問題などの影響も考えられるが、そのことを問題視した場合、「生産地」についての  関心度ももっと上位に来るべきではないかと考えられる。   しかし、これは今回のアンケート調査の対象が学生であって、普段購入する食品の種類に関係しているためで、  主に「生産地」が絡んでくるものは生鮮食品であるが、普段学生がよく購入するものは生鮮食品ではなく、菓子  類や加工食品ではないかと考えられる。「栄養成分」の表示に関心度が高かったのは栄養士の養成学校でのアン  ケート調査であったことが大いに関係していると考えられる。   また、アンケート調査の対象として多かったのが18歳以上の女子学生が中心であったことからダイエット志向  からも「栄養成分表示」特にエネルギー表示などを気にするのではないだろうかと考えられる。以上のことより、  今後さらに、年代別など対象者を限定した比較調査が必要だといえよう。   次いで、食品表示のわかり易さについてであるが「どちらでもない」が多かったが、関心が高いものはわかり  やすいように表示も工夫されてきているのではないかと考えられる。「食品添加物」についてわかりにくいとの  意見が多いことは注目すべき点であった。これについてはどうすればわかりやすくなるかの自由記入欄に『どの  ような影響が体内にでるかなどわかりやすく表示してほしい』などの意見があった。包装の記入可能部分の大き  さにもよるが、このような点を考慮し、我々が考える「わかりやすい表示とは」を今後さらに検討していきたい。

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