発酵食品の栄養効果について
(栄養士科) 浅井 瑛美、上田 裕未、片岡 佳代、川村はづき 北川あおい、高橋由理栄、米田 友子 (担当教員) 北村新藏 【目的】 微生物の働きによって作り出される発酵食品は昔から私たちの食生活と健康に大きく関わっている。 私たちは、本校の学生を対象に、発酵食品に対する認知度や摂取の程度等をアンケートで調査をし、 その中で、代表的な発酵食品の栄養効果について調べ、幅広く理解してもらうことを目的とした。 【方法】 本校の学生、教員を対象に発酵食品の認知度等を調べるため、それに関するアンケートを作成し実 施した。その結果から得られた情報を基に、代表的な発酵食品の栄養効果を文献や書物、インターネ ットから調べた。また、一例ではあるが台湾で人気が高いお土産であるナタデココのタルト(フォン リイスー)を作り、発酵食品を用いた調理方法についても考案した。 【結果および考察】 発酵食品の栄養効果について種々の文献や書物、インターネットから調べた。 発酵は、微生物が大きく関わっている。微生物は、食材に含まれるデンプンや糖、タンパク質など を分解、合成し、新たな成分を作り上げる。この代謝活動が発酵である。これを食材に利用したもの が発酵食品である。発酵食品は、 @食材を分解発酵させて独自の旨味成分を作り出し、これが美味の要因となる。 A様々な栄養成分の創出により栄養価を高める。 B有用微生物が腐敗菌を抑えて保存性を向上させる。 といったような3つの力を兼ね備えている。アンケートから発酵食品に対する認知度を考察した。20品 の食材の中で発酵食品かどうかの質問に対して正答率がかなり低い結果であった。 このことから認知度は思っていたより低いようであった。また、発酵食品を利用したナタデココのタ ルトは中身の餡にナタデココ、パイナップル、冬瓜という異様な組み合わせのものを水あめで煮詰めて 作った。冬瓜は千切りにしたため水あめと良く馴染んだ。また、ナタデココは加熱したが原形を保ち、 暖かい状態でも違和感は無いものだった。図1で、発酵食品に対して、「大変効果があると思う」・「少 なくとも栄養効果があると思う」と回答した学生は全体の73%であることから、発酵食品には何らかの
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栄養があると認知している者が、多数存在していることがわかる。また、一方「わからない」と答えた 人も23%いることから、発酵食品に対して栄養効果があることを知らない人も存在していることがわか る。図2の好きな発酵食品上位3位から、発酵食品に対しては、においや見た目ではなく「味」に惹かれ ている者が多いことが読み取れた。1位は、「ヨーグルト」と回答したものが圧倒的に多く、250人近く に上った。このことから、「ヨーグルト」は代表的な発酵食品として、世間に幅広く知れ渡っているこ とがわかる。2位には納豆、3位にはチーズと調査結果がでた。「嫌いな発酵食品」のアンケート調査も したところ、チーズが2位、納豆が1位であった。 このことから、育ってきた地域や環境、その人自身の嗜好によって左右された結果が、アンケートか ら読みとれたのではないかと、私たちは考察した。