《ウ ィ ル コ ク ス ン の 符 号 付 順 位 検 定》
データの背後にある母集団の分布が特定できない場合を対象とする。 ●ウィルコクスンの順位和検定 ウィルコクスンの順位和検定は、2つの集団間で「対応関係が無い」場合に、この2つの集団間に有意な差が有るかどう かを検定する場合に用いる。 例 次のデータは、7人の女性のリンゴダイエットによる体重変化を調べた資料です。 このデータから、リンゴダイエットによって体重に有意な差が生じたかどうかを検定しなさい。
結果 両側検定であるので 2×p値=0.00898×2=0.01796<0.05 であるので帰無仮説H0を棄却して対立仮説H1を採択する。 結論 すなわち、有意水準5%においてリンゴダイエット前後で有意な差が有ることがわかる。 リンゴダイエットは有効であると結論付けられる。 ●ウィルコクスンの符号付順位検定 ウィルコクスンの符号付順位検定は、2つの集団間で「対応関係が有る」場合に、この2つの集団間に有意な差が有るか どうかを検定する場合に用いる。 例 昨年と今年の2回、同一人物に1か月の書籍購入代に関するアンケートを実施したところ次表の結果を得た。
昨年と今年では書籍購入代に有意な差が有るかどうかを検定しなさい。 結果 p値=0.01195×2=0.02391<有意水準値 0.05 (両側検定であるので2倍) 結論 有意水準5%では、帰無仮説H0は棄却され、対立仮説H1を採択する。 従って、昨年と今年の書籍購入代の間には有意な差が認められる。 p値を求める計算手順 @2つの集団の差を求める。 A差の絶対値を求める。 B差の絶対値にランクを付ける。 C2つの集団毎にランク値の合計を求める。 D合計の小さい方をTとする。 E以下の計算式で検定統計量Zを求める。 T−n×(n−1)/4 Z=----------------------------------- -------@式 √(n×(n−1)×(2n+1)/24 Fp値を求める関数 normsdist(z)により、p値を求める。 両側検定の場合は、この値を2倍して有意水準値と比較する。 2×p値 < 有意水準αの場合 有意水準αで帰無仮説H0を棄却して対立仮説H1を採択する。 2×p値 > 有意水準αの場合 有意水準αで帰無仮説H0を採択して帰無仮説H1を棄却する。