9/2
恋に焦がれて鳴く蝉よりも・
今週の朝ドラ「さくら」のサブタイトルは「恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす」
これは郡上白鳥盆踊りの「源助さん」の歌詞にあります。
訳のわからぬ政治談義、毎日伝えられる殺人事件、次々ばれる企業の不正。
異常気象と思われる暑さやヨーロッパの洪水。夕方になってウォーキングと思っても舗装道路の熱気やウッカリ歩けない人気の無い道。ガードが必要になった住宅回り。時間を考えない色々な騒音。殺伐としています。
美しい情緒のある心が失われています。
これは若い人を責めるよりも、今までに、こういう社会構造を造ってきた年代に大きな責任が有ると思います。そういう、物と金優先の時代に生きてきた事が世代に落差を生じ交流を難しくしています。
詩や短歌、俳句などを詠む会は沢山ありますが、定年などで、これから詩歌などを始めようと思っても今まで能率や競争社会の中で生きてきた人に情緒やロマンを急に表現しなさいといっても無理でしょう。
会によっては「課題ノルマ」を課す所もあるようで、定年になったからといって、それから何かを始めようというのは無理です。
これは、他の稽古事でも同じです。若い時に基礎だけでも出来ていて断続的でも続けていればれば、そこから始められますが、ゼロからスタートは無理です。
そういう事などを考えると、これから育つ人達には精神面でも、ゆとりのある考えを持つ心が欲しいものです。
始めに紹介した「恋に・・」は若い人に、わかって貰えるでしょうか。
当HPでは、他にも「白鳥踊り」歌詞を紹介しています。
「つんく」など、今時の歌詞と較べて、日本語表現の違いを考えてみるのも良いと思いますよ。
9/6
伝承盆踊り
今年の当地区盆踊りは十三曲でした。
ご紹介すると「アイラブ一宮、向山ふれあい音頭、河内男節、河内音頭、相馬盆唄、明日があるさ、炭坑節、東京音頭、郡上節かわさき、郡上春駒、ダンシングヒーロー、恋のダンスサイト、お魚天国」です。他にも、ご当地曲などもありますが、今後入れ替えながらやろうといっています。
初めの二曲は当地区だけのオリジナル曲です。
あとは歌謡曲あり、民謡あり、ダンス調あり、CMソングあり、ごちゃ混ぜです。
二日間ですがCD使用で、かけまくっても限界です。
問題は全部踊れる人が居るか、どうかです。教える人もプロではないので複数での教習です。
「盆踊り」の練習は一応、本番一週前辺りに二回ほどやりますが三〜四十人位の人しか来ませんから本番でスイスイ踊れる人は限られます。ですから、民踊会の一年限りの新曲などは対象外です。
そうなると、毎年やっている昔馴染みの曲(炭坑節、郡上・・)でないと踊りに入って貰えません。
戦後育ちの人達は遊び心に乏しいので眺めているだけで踊ろうとしません。
女の人はそうでも無いのですが男は駄目です。上手でなければ恥ずかしいと思われるんでしょう。
上手では無くとも一緒に楽しく踊るには毎年参加して一曲でも覚える事でしょう。
最近は流行している新しい曲をすぐ取り込む事があるので練習しなければすぐには踊れません。
主催者の意向は世代交流を進める為という事です。
動きの早い最近の曲は若い人には好まれますが高齢者には馴染めません。
三世代が共に踊る曲となると限られます。
然し、年齢の高い人がしっかり踊りを身に付けていれば次世代に伝える事が出来ます。
そうして、次々伝えていく事が出来ればそれが伝承となります。
その場合、ある程度の条件があります。「炭坑節」は鈴木正男「東京音頭」は市丸さん「河内音頭」は初音家研次「郡上踊り」は現地保存会のものという定番があります。
これは戦後の盆踊りブームの時に使われ、それで覚えた人達が定番化したからです。
ですから他のアレンジは受け容れられません。
「ダンシングヒーロー」は最初のバージョン、「明日があるさ」はジョ−ジア版という決まりもあります。
民謡会が生唄参加する事が時々見られますが不評です。踊る人の事を、あまり考えずに唄うからです。
民踊会の舞台での発表会や、民謡プロ歌手のバック踊りと「盆踊り」は全く別次元の物です。
世代交流が乏しいと言われますが、まず年長者が次世代に渡すものを持たなければいけないでしょう。そういう点を年長者が考えなかった事も継承が途絶えた一因があると思います。
民踊会に入らなければ覚えられない「盆踊り」ではいけません。
現在ではビデオやCDなど学習資料が充実しています。
一曲でもシッカリ覚えて自信を持って踊れば子供や孫にも見直されるでしょう。
それが伝承だと思います。
使い捨て文化から抜け出して、文化もリサイクルして伝えましょう。
9/10
中座全焼
大阪道頓堀中座が全焼。
’99には閉鎖されていて取り壊しを始めた矢先、ガス爆発で見る間に燃え尽きたという。
江戸時代からの上方歌舞伎の芝居小屋で、昭和に入ってからは松竹新喜劇や寄席としても庶民に親しまれた由緒ある芝居小屋でした。
閉鎖してから時間が経っているので、調度品や貴重な資料は保存されていると思いますが、舞台、客席、仕掛けや、その他、屋根瓦とか壁、建具などはどうなっていたんでしょうか。
ガスを止め、抜く作業中に爆発したようですが、その作業など、準備が完了してから建物の解体撤去だったでしょうから、その段階で保存するものは残されたと思います。
それが火災で総て灰になってしまったとしたら非常に悔やまれます。
二度と見る事が出来ない貴重な文化財や資料が有ったように思います。
灰皿一つでも(煙草は吸いませんが)貰えれば欲しかったと思います。
9/12
一国主義
NYテロ一周年。ブッシュ大統領発言は、ますますエスカレート。
梅原猛氏発言
「中日新聞(テロその後の世界、語る)」
「米国のグローバリズムは結局、金力と武力でもって、世界の富を自分に集めること。
露骨なエゴの国家になりつつあると思う。だんだん米国が戦争中の日本似てきたような気がしてならない。
日本は忠告すべきではないか。
ソビエト連邦の崩壊も早かったが、イラクを爆撃したら、文明の衝突が本物になり、米国の崩壊も急に来るかもしれない」
米国が崩壊したら世界は大混乱に陥るでしょう。
超大国一国主義を目指した国の崩壊は過去に多くあります。
ローマ帝国、ナポレオン、チンギスハーン、ナチスドイツ、日本。
日本は多宗教や世界の哲学を多く取り入れた国で幅広い思想を持つ国です。
「明治以降の歴史は日本全体の歴史から見ると異常だと思う」と梅原氏は言われます。
テロの被害はNYだけではありません。
爆撃で罪も無いアフガンの市民の多くが苦しんでいることには目を向けない自国主義は許せません。
太平洋戦争を起した日本は大きな間違いを冒しましたが、市民にまで無差別爆撃(原爆を含む)を行った米国の行為は許せません。
悲しい、苦しい思いを繰り返さないよう平和を願うばかりです。
父をフイリッピンで失い、空襲で追われ、今尚、後遺症を引き摺る体験者としての発言です。
9/17
四代目尾上松緑襲名特別展
九月十一日から十六日迄、JR名古屋高島屋10Fで開催されました。
十月の御園座顔見世襲名披露を前にしての展示です。
二世、三世、現四世の活躍を紹介するものです。
撮影禁止なので画像は紹介出来ませんが、珍しい貴重な資料が展示されていました。
衣装は「手を触れないで下さい」という表示がありガードマンが監視しています。
「御所五郎蔵、土蜘蛛など」衣装四点ほど、「勧進帳」の金剛杖、大数珠、中啓(能の扇)など。
間近で見ると思っていたより大きな事に驚きます。
これらを身に付け大きな所作事をするのですから大変な事です。
夢ですが、私は「六法の引っ込み」を一度はやってみたいと思ったものです。
隈取写し、二代目使用の鏡台、三代に亙る活躍のパネル、色紙、刺繍額など。
私は二十代に、二代目の「供奴」を見ました。これは、先日、亡くなった羽左衛門の襲名興行だったと記憶しています。
団十郎のお父さん、海老蔵、梅幸さんも出演していました。
「勧進帳」は、度々のTV中継を録画してあります。
多くの役者さんの「勧進帳」を見ますが、未だ、二代目を超えている人はいません。
殊に「延年の舞」を含む踊りの辺りは見事で、いずれは、襲名した四代目が修練を重ね、超えることがあるかもしれません。期待しましょう。
三代目も大いに期待していたのですが残念ながら四十才での夭折でした。
声良し、踊り良し、芝居良し、大いに期待していたのですが、これからというのに残念でした。
松緑三代目として追贈されました。
四代目は幼少でしたが、祖父二代目や親類の激励と指導で良く頑張って来ました。
まだ二十代と若いですが、成長は著しく、舞踊藤間流勘右衛門家元としても良く修練されています。
藤間流「藤盛会」のHPに歴史が紹介されています。トップページが楽しく見事です。
公演を前に「お練り」が二十七日行われます。
午後一時、大須万松寺出発〜仁王門通り〜大須観音一時四十分頃到着、大入り祈願、ご挨拶。
午後三時、ヒルトンホテル前〜広小路通り〜御園通り〜御園座前特設ステージ、ご挨拶。
多くの人達と紙吹雪が「音羽屋〜」と大声援を贈ることでしょう。
9/23
避けるべし戦火
ブッシュが「総ての事でアメリカを追い越す事は許さない」と発言。
これは「世界は総てアメリカに従属せよ」という事です。
自分の意向に沿わない国連決議には従わないという。これは、かって日本が満州問題に納得出来ないと国連脱退をした事と同じ状態です。日本は世界を敵に回し破滅への道へ進みました。
当時の日本は世界を相手にしても負けることは無いと盲進し破滅に至りました。
ドイツの法相が「これはヒトラーと同じだ」と発言したとか。
シュレイダー首相は「イラク攻撃には参加しない」と明言しました。
ブッシュは自己満足のためにアメリカを破滅に陥れかねません。
これはアメリカだけの問題ではありません。アメリカが進路を誤れば世界は大混乱に陥ります。
然し、そこまで行かなければアメリカ国民が目覚めないのなら、それも仕方ないかと諦めと開き直る覚悟が必要です。
イスラエルとパレスチナも何れかが滅亡しなければ終焉を迎えないのなら、これも諦めと開き直りしかないかと思います。
梅原猛さんはイスラエルを建国したのは米英の時代錯誤の産物だったと言われます。
イスラエルはアメリカの一州にすれば良かったのではとも言われます。
アメリカの独走を止めるのは、かっての失政国、日本やドイツだと言われますが、大きな権力を手にして有頂天に見えるブッシュは、どこまで暴走するのかハラハラしながら見ているしかないのでしょうか。
今は秋祭りのシーズン。戦火を逃れた地域では、山車や、それに伴うお囃子などが伝統に守られて華やかに繰り広げられています。
名古屋には東照宮の社殿と九輌の山車(一部は他地区に譲られ残った)の殆どが文化資料(お囃子など)と共に消失。復活は不可能でしょう。
戦争は人材と共に国の文化まで滅亡します。
戦争を起こすことは自滅に繋がることを知って欲しいと切に思います。
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